NHK朝の連続テレビ小説「おかえりモネ」が終了。
「あまちゃん」以来見てきた朝ドラのなかで、
最も控え目なヒロインの、
内面の成長ぶりをじっくり描いた半年間。
ヒロインの清原果耶は
台詞も少ないし、微妙な表情が多く、
その細かな動作と静かな佇まいを見るドラマだったなと。
彼女が感情を荒げる場面はほとんどなく、
震災の場にいられなかった自分への呵責を
どうやって解消して、前を向いていけるかを
ハラハラしながら見ていたというか。
妹を演じた蒔田彩珠も素晴らしい。
姉へのコンプレックスと
彼女は彼女で震災のせいでトラウマを抱え、
感情を爆発させるところは
ドラマの大きなクライマックスだった。
「おかえりモネ」というタイトルだけに、
いつ、どこで、「おかえり」と言われるのか。
そこがずっと気になっていて、
そうか、そこが「おかえり」なんだという落としどころに
脚本の深さというか。ヒロインの内面をよくぞ
ここまで掘り下げたなあと。
そして最終回。コロナ禍で苛まれる世界を
軽やかに飛び越えて、でも、あくまでも淡々と
ささやかな幸せを噛みしめる締めくくりに唸る。
俳優陣はみんな好演だったと思う。
永瀬廉や坂口健太郎などの若手はもちろん、
藤竜也、浅野忠信、西島秀俊、内野聖陽、鈴木京香ら
ベテランの人たちの安心の助演。
特に、モネが勤める気象会社の社長を演じた井上順。
この人の軽妙な個性は貴重。もっとドラマや映画で活躍してほしい。
ほんと楽しく見られた半年間でした。
来週からは「カムカムエヴリバディ」。
上白石萌音、深津絵里、川栄李奈という
3人のヒロインが織りなすドラマということで
また楽しませてもらいます。
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