goo blog サービス終了のお知らせ 

Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

ブギーマン敗退す

2016年10月31日 | 若旦那あらわる

げしし。

 

まさかと思ったが、その笑い声。若旦那だ。

別に避けているつもりはないのだけれど、

仕事場の階段を降りたところに鎮座していたので、

逃げようにも逃げられず、世間話をする羽目に。

 

「げしし。映画にも詳しいんですよね」

 

ええ。まあ好きですけど、

そんなに詳しいわけではないです。

と謙遜したら。

 

「小津安二郎っていいですよね。げしし」

 

いきなり小津ですか。意外な名前が出ましたね。

それはまあ、小津はいいですよね。

 

「アレがいいですね。

 笠智衆が死んじゃうやつ。げしし」

 

死ぬ? 笠智衆が?

それって「父ありき」ですか。

笠智衆が父親で、佐野周二が息子を演った。

二人で川釣りをするシーンが印象的な。

あれは確かにいい映画でしたけど。

 

「それじゃないです。アレですよ、アレ。

 大阪万博に行って、そのあと死んじゃうじゃないですか。

 あれは良かったですね。げしし」

 

それは「家族」じゃろが。監督は山田洋次じゃ。

こんくされ外道! 何まちごうとるんじゃ、あん?

 

とブギーマンのごとく、

首をちょん斬ろうと思ったけれど、

若旦那はまったく悪びれることなく、含み笑いを続けるのでした。

 

「げしし。同じ松竹じゃないですか。おおむね正解ですよ。

 そういえば『シン・ゴジラ』また見ちゃいました。

 エヴァの新作はいつになるんですかね。げしし」

 

ゴジラの話はもうええんじゃ。

これ以上言うなら、エヴァの新作を見れん体にしちゃる、

と言おうと思ったけど、

すでにブギーマンは精も根も尽き果ててしまったのでした。

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

白昼の通り魔

2016年09月12日 | 若旦那あらわる

「げしししし」

 

また例の若旦那とすれ違った。

こっちも忙しいので、挨拶だけしておいとましようと思ったが、

若旦那は、目の前に、ずん、と立ちふさがるのでした。

 

「げしし。パニック映画にも詳しいんですよね」

 

パニック映画? 別にそんなに詳しくないですよ。

と言おうとしたけど、若旦那の威圧感に押され、

ついつい「ええ、まあ。ほどほどですけどね」と答えてしまう。

 

「ずっと気になっている映画があるんですよ。

 「グリズリー」って映画知ってますか?」

「ああ。熊が人間を襲うやつですね」

「そうですそうです。アレってどうなんですか? 

 巷では超B級でカルト中のカルトって言われてるんですけど。

 ツタヤとかにもないんですよね。で、どうなんですか?」

「まあ、いかにもアレな動物パニック映画というか…」

「げしし。そうですか。アレですか」

 

 

1975年、スピルバーグの「ジョーズ」が世界的な大ヒットになったせいで、

亜流というかパチ物というか、チープで安易な動物パニック映画が

それこそ山のように作られた時代があったのだ。

「グリズリー」は、「ジョーズ」のサメを熊に置きかえて、

舞台を海から山に変えただけの、それはもうアレな映画で、

当時、かなりのヒットを記録した。

 

そんな話をしたら、若旦那は

「そうですか。大ヒットですか。げしし」

と至極ご満悦の様子である。

 

他にも、大ダコが人間を襲う「テンタクルズ」、

犬が襲う「ドッグ」、蜂が襲う「スウォーム」。

さらには大量のミミズが

スクリーン一杯に押し寄せる「スクワーム」なる映画もあるのだけど、

そんな話をしたら、若旦那は笑い死にしてしまうので、自粛。

いや、むしろ話をしまくって、息の根を止めた方が良かったか。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

怪しい笑いに抗って

2016年09月07日 | 若旦那あらわる

「げしししし」

 

誰かと思ったら、仕事場近くのビルの

オーナーの息子さんだった。

その若旦那とは顔見知りなのだけど、

特撮やアニメのマニアのようで、

いつもその手の話題を振ってくるのでした。

 

「『シン・ゴジラ』見ましたか?

アレはなかなか良くできてましてね。げししし」

 

と嬉しそうに「シン・ゴジラ」の話をし始めた。

 

「ゴジラがいる新宿のTOHOシネマで見るしかないですよ」

「もう冒頭からアレですから。いきなり昔の東宝マークですから」

「実相寺昭雄が撮ったら、どんなゴジラになってたでしょうね」

 

という話を矢継ぎ早に。

 

「シン・ゴジラ」を見てて良かった。

もし見る前だったら、

「なにネタバレしようとしとるんじゃ、こん、くされ外道が!」

と首をかっ切ったに違いない。

 

「それにしても『ウルトラセブン』の

 実相寺のメトロン星人の回はイイですね。げしし」

 

まだ続くのか。そんなに特撮、詳しくないんだけどな。

それでも

「切通理作の『怪獣使いと少年』はいい本ですよね」

「げしし、『帰ってきたウルトラマン』のアレですね。げしし」

と意に反して、若旦那と特撮話に花を咲かせるtacoでした。

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする