悩ましいき年賀状の時節がやってきた。毎年この時期になると悩ましい。まず、もうこの齢になって年賀状なんて止めようか、と悩む。何人かから、70歳になったので、とか75歳を機に止めた、という連絡が来る。しかしこの齢だからこそ交友関係を大事にしよう、とも思う。
それにしても枚数を減らそうと悩む。全くお義理の人は相手にとっても迷惑だろうと極力外してきた。数年前に半減させたが、その後は減らない。むしろ増えたりする。これも悩ましい。
最も悩むのは、何を書こうかということだ。この季節になると絵のうまい人がうらやましくなる。私にはそのような才能はないので、前年のエポック的な出来事を書き並べて近況報告としている。それを書きながら何とも陳腐だ、と思う。
しかし、そもそも年賀状ほど陳腐なものがあろうか? 謹賀新年という言葉は万人が一様に使用する最も陳腐な言葉ではないか? 続く「昨年中はお世話になりました。今年もよろしく…」というのは陳腐に最たるものだ。しかし、朝起きて「おはよう」という陳腐な言葉を交わしながら世界中の人が平和に生きていると思えば、この陳腐な言葉ほど素晴らしいものはないのかもしれない。つまりそれは陳腐ではないのであろう。
まあ、あまり悩まずに、今年も平凡に年を越そう。
わが家のモミジも例年いなく美しく紅葉 (12月4日撮影)