旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

寒さが身に染みる貧困化する日本

2012-12-04 15:13:32 | 政治経済

 

 まだ12月の初めというのに異常な寒さが続く。今年の夏は異常な暑さであった。神は夏の猛暑を早くも酷寒で埋め合わせようとしているのであろうか?
 時あたかも総選挙を迎えて、不況の脱却と貧困化を深める国民の生活をどう救うかが話題になっている。貧困ほど寒さを厳しく感じるものはないが、お昼の番組でも、勤労者世帯の平均賃金は10年前の560万円強から60万円下がって、500万円ちょっとになったと報じている。その上消費税の引き上げとなれば、諸々の負担で数年後には33万円の負担増になるとも言う。あわせて100万円近く苦しくなるということか!

 高度成長を生きてきた我々の時代は、とにかくよく働いたが着実に給料は上がっていき、生活は豊かになった。残業や過密労働で家庭を犠牲にした大きな傷跡も残っているが、少なくとも給料が下がるというような時代が来ることは想像もしなかった。不況が到来して給料が停滞することはあっても下がることはないと思っていた。
 子供たちや次世代の人たちが、我々が得てきた賃金水準に追いつくことはないだろうといわれている。日本は絶対的貧困化の道を歩き始めたのであろうか?

 少なくとも相対的貧困化はひどい。アメリカのサブプライムローン問題から来た世界不況に対応するため、不正規雇採用などに道を開く規制緩和の中で、勤労者の賃金は上がらない、というより引き下げられる仕組みが作られた。ところがその後の景気の回復で大企業は空前の業績を上げた。景気が良くても賃金は上げなくてよい仕組みを作っておいたので、業績向上はそのまま大企業の儲けになって、その内部留保は260兆円に上っていると番組は報じていた。

 これはあんまりではないか。勤労者への貧困の蓄積がそのまま大企業の儲けの蓄積となったことになる。高度成長で必死に働き分厚い中間層を築きあげ、これが豊かな日本を象徴するものと誇りに思ってきたが、一挙にくづされ格差拡大社会となった。
 これをこそどうするか、が総選挙の最大のテーマであろう。


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