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旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

「沖縄の心」はいずこに?

2010-02-04 21:29:43 | 政治経済

 

 近くに泡盛と焼酎を飲ませる沖縄料理の店がある。沖縄出身の若者が開いた店だ。普天間問題で新たな関心を呼んでいることもあり、立ち寄っていろいろと話を聞いた。

 彼の感想によれば、
「名護市長選挙で基地移転反対派が勝ったといっても1600票の差、決定的な民意を表しているとは思えない。多くの沖縄人は、所詮は基地と暮らすしかないと思っており、基地依存派と民意は相半ばしていると思った方がいい」
「むしろ、返還された基地をどう使い、どのように沖縄人の生活向上に役立てるのかが明確に示されていないことが問題だと思う。」
ということであった。

 それにしても、戦後60余年、基地の大半を沖縄の人に押し付けてきたことには胸が痛む。といって普天間みたいな危険な基地の移転を喜んで引き受ける町など無いだろう。ここは一番、「60年も危険に耐えてきたのだから、この基地ぐらいは無条件に引き払ってくれないか」とアメリカに交渉すしかないのではないか? 私がそう言うと、かれは到底解決できない難題を押し付けられたような複雑な顔をしていた。
 沖縄の人たちはわれわれを“内地人”と呼ぶ。どこかに隔たりがあるのか? 琉球文化は日本とは明らかに異なるものを持っている。家のつくりなど、むしろ中国に近いので「沖縄の人に、中国と一緒になる気持ちはあるのだろうか?」と聞いてみたら、「それは絶対にない。絶対に日本人と思っている」という。
 中国風の文化を持ちながら日本人であることを誇り、戦後は基地の島としてアメリカ文化にかなり浸かってきた。
 「沖縄は“ゴーヤ・チャンプル”ですよ」と彼は自嘲気味に笑った。チャンプルとは“混ぜもの”という意味らしい。確かに混ぜもの文化で、それがまた逞しさを生んでいるのかもしれない。「長崎チャンポンのチャンポンも同じ意味ですかねえ」、と彼と話し合ったが、真偽の程は知らない。

 寒さに耐えかねてお湯割にした奄美大島の黒糖焼酎が、静かに、強く胃の腑にしみた。


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