旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

浅田真央 涙の銀メダル

2010-02-26 17:15:53 | スポーツ

 

 日本国中の期待を一身に集めたオリンピックフィギュアスケートの浅田真央が、銀メダルを獲得した。オリンピック銀メダルといえば本人も国中の人も喜びに沸き、まさに「銀メダルに輝いた!」と報じられるべきだと思うが、本人のインタヴューは涙で言葉にならず、テレビの前のわれわれの顔も「輝いた!」という状況ではなかった。

 終わってしばらくして、娘が「可哀そう・・・金メダルでなければダメなんて・・・」とつぶやくのを聞いて、私もハッとして複雑な気持ちになった。
 ショートプログラムで史上初のトリプルアクセルを跳び、このフリーではそれを二度跳ぶ快挙を演じながら、インタヴューの彼女は悔しさに涙があふれ、話す言葉は声にならなかった。「トリプルアクセルを二回とんで、やることはやったが、全体として満足してない。悔しい・・・」と泣きじゃくった。

 私はショートプログラムで高得点をたたき出した後のインタヴューで、「しっかりと十分に練習してきたので、その通りにやりました」と晴れやかに語る彼女を見て、本当に素晴らしい子だ、とつくづく思っていた。練習をし尽くしその通りに自信を持ってやる・・・、そんな素晴らしいことがオリンピックという場で出来るとは・・・、しかも19歳の女の子だ。
 そして今日のフリーも、その通りにやって見事銀メダルに輝いたのだ!
 しかし彼女にとっては不満が残った。「しっかりと十分に練習してきた」のに小さいがミスを犯した。それは彼女には許されなかったのだろう。その悔しさが後から後から涙となって彼女を責めたのであろう。

 彼女のミスなど誰も責められない。逆に、彼女に学ぶべきは果てしなく大きい。それは彼女が、銀メダルという世界最高水準の演技が出来るようになるまで「しっかりと十分に練習を積み」、オリンピックという大舞台で、(小さいミスはあっても)「その通りにやった」ということだ。並の人間に出来ることではない。


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