旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

トルコ紀行⑫ ・・・ イスタンブール 「ガラタ塔」

2009-10-22 21:08:50 | 

 遺跡(エフェソス、アンタルヤ)、石灰棚(パムッカレ)、奇岩や地下都市(カッパドキア)など浮世離れした世界を離れ、カイセリを発って空路イスタンブールに降り立つと、「都会に帰ってきた」という印象を強くもった。東西両文明の合流する町といっても、一口で言えば「イスラムの要素を交えたヨーロッパ」で、大聖堂や教会の代わりにミナレット(尖塔)に囲まれたモスクが立ち並んでいるが、東洋の東の端から見ればヨーロッパに過ぎない、と感じた。私にとっては、イスラム自体もかなり遠い西の国であるからか・・・?

                

 最初に訪ねたのは、新市街の南端、ガラタ橋の近くに立つ『ガラタ塔』。
 
先ず一番高いところに連れて行き、市内の全貌を把握させるというのは、極めて合理的なガイドである。思えばこれまで、どこの町に行っても一番高いところに上った。シカゴのシアーズ・タワー、ニューヨークの今は無き世界貿易センタービル、上海のテレビ塔“東方明珠タワー”、台湾(タイペイ)の“Taipei101”・・・、いずれも世界一の高さを競ってきたビルだ。しかしこれらは高すぎた。シアーズ・タワーは大ミシガン湖と大イリノイ平原を睥睨(へいげい)するには気分いいが、町を見るには高すぎ、タイペイの“101”は時おり雲に隠れて町の姿が遮られた。

 それに比べるとこのガラタ塔はイスタンブールの町の様子を見るための塔だ。さすがビザンチン時代の“物見の塔”であっただけあり、町の息吹が聞こえてくるような展望がうれしかった。
 
まじかに見る金閣湾を大小さまざまな船(舟)が往来し、その船がくぐるガラタ橋の向こうに旧市街が広がる。ボスフォラス海峡に突き出した岬にトルコ国旗が翻り、右にトプカプ宮殿(特にハーレムの塔)、アヤ・ソフィア聖堂、ブルー・モスク、などのドームと尖塔が並ぶ。なお右方の一番高い丘に立つシュレイマニエ・モスクに至るまで、実に美しい光景だ。
  
              

 眼下に広がる家々のオレンジ色の屋根を見ていると、規模は違うがブルージュのマルクト広場に聳える“鐘楼”を思い出した。あれも確か“360度を見渡せる物見の塔”だったと記憶する。

  久しぶりに都会に帰り、先ず物見を済ませて、いよいよ旧市街の中心部に向かう。
                           
 
 ガラタ塔のK母娘、K夫人はご自慢のブルーの着衣    
 
  添乗員大三輪さんの ワンちゃんジャケット
                  

 

 
 どこに行っても猫はいる・・・向こうから茶猫ものぞいている


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