「古橋紀子アカデミア」というフラメンコ舞踊団が豊橋市にあり、その発表会を見る機会に恵まれた。
実は私の会社の社員(取締役営業部長を務める32歳の女性)が、その名古屋教室に通っており、彼女の日ごろの成果を観ることになったのだ。彼女は忙しい業務の合間をさいて熱心に教室に通い、日々研鑽を積んでいる話を聞いていたが、正直なところ私は、いわゆる趣味の遊びに過ぎないのだろうぐらいに考えていた。
ところがどっこい、その名の示すとおりなかなかアカデミックな踊りの連続で驚いた。彼女も2ステージ登場したが、本格的な踊りを披露した。
フラメンコといえば、カスタネットを打ち鳴らし足を踏み鳴らし、とにかくエキセントリックに踊るものと心得ていたが、この教室の踊りは、もっとずっとバレーに近いように感じた。背筋を伸ばした美しい体の線が、実にさわやかに舞台を彩った。
どんなに激しく下半身を動かしても、上半身の上下動のないこと、それと、お腹を突き出すことなく背筋を反らせる(反った背中に大きな卵が入るぐらい)こと、これが美しい姿勢の決め手だと彼女が解説してくれた。
何事もその道の真髄に触れることが重要だ。
今月はもう一度名古屋に行く。娘の音大時代の同級生がオペラに出演するので、名古屋芸術劇場まで応援に行くことになっている。
またその週は、知人の岩森栄助氏のコンサートもある。
だんだん芸術の秋らしくなってきた。