桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

世間は誤解で成り立っ

2021-08-29 | Weblog
俺の国賠裁判で判決があったことから、色々と報道され、Facebookなどでも書いている方がある。
俺は新聞やテレビの取材を受けるときに、何時も決めていることがある。それは、何を
どのように書かれても気にしないということだ。だから、ゲラを見ないし、好きに書いてくださいと言う。
俺が自分の想いを語っても、それを受け取る人は違うように聞くかも知れない。百を語ろうか、50を語ろうが、伝わることは伝わるし、伝わらないことは伝わらない。
そう思っているからだ。
それに人間は自分の想いで相手を見たり、判断したりするので、総てを正しく理解して貰おうと考えても無理だと判っているからだ。
何を、どう思われてもいいと思うと気楽だよなぁ。

55年目に

2021-08-29 | Weblog
完全勝利判決の翌日、昨日は布川事件と呼ばれることになる事件が発生した日だ。
55年目に入る。
あのとき、俺たちは兄のアパートに泊まり、翌日の今日は取手競輪に行ったのだった。
まさか、その後に犯人にされるとは思わないでね。
あれから54年、やっと完全勝利の判決を得て、俺の闘いは終わるのだろうが、成すべきことは、まだ終わらない。布川事件で明らかになった証拠隠しの解消など、検察は行う気配もない。
それを行えば過去の冤罪の数々が再審となり、警察と検察が社会的に批判されることを恐れてなのだろうが、頑なに拒否するだけだ。
これを打ち破って再審法を改正して証拠開示法を作らせるのが、これからの俺の使命だと思っている。
明るく楽しく、これからもやり抜くだけだ。