桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

共謀罪

2017-02-18 | Weblog
現代の治安維持法になる共謀罪、テロ準備罪等取り締まり法は、まだ法案提出前だが、国会で激しく議論されている。
稀代の悪法たった治安維持法も、それが制定される前の国会審議では、一般市民には関係しないと言われたが、犯罪を検挙することに存在意義を求める、番犬警察官は、総ての国民を監視し、検挙し、殺害するまでに及んだ。それが日本の歴史だし、警察が行った蛮行の事実だ。
その過去が反省のない日本の国家権力と警察は、また同じ法律を作ろうとしているのがテロ準備罪等取り締まり法だ。
過去を反省しない輩は、あのときと同じように、一般国民には関係ない!と言うが、誰が信じられようか。
今、マスコミは、600を超える対象犯罪を300に減らして云々と、あたかも安倍自民党が国民の懸念に配慮し、疑念を解消しているかのように報じるが、馬鹿げてる。
テロ準備罪等取り締まり法は、その対象犯罪が一つに限定されたとしても、必ずや総ての国民が監視されることになるだろう。
なぜならば、誰が犯罪要件のテロ準備罪を犯すことになるか判らないのだから、人を見れば犯罪者と思う教育をされ、犯罪捜査のためには違法、脱法行為も許されると考えるのが警察組織だ。盗聴、GPS尾行、スパイなど、あらゆる捜査を行うだろう。そして、我々冤罪者に対して、平然と証拠捏造を行ったように、テロ準備犯と思い込んだらば、我々に行ったと同じ証拠捏造を行い、更に冤罪を増やすことだろう。
その監視対象は、この法律を作らんとする自民党や公明党、産経新聞や読売新聞にも及ぶことは必然で、決して逃れることは出来ない。もちろん、警察の悪事に盲目である限りは見逃されようが、それすらも監視し得るのが現代社会の機器であり、過去を反省しない警察の怖さであることを忘れてはならない。
歴史は繰り返す。次は、アナタが監視され、冤罪者になることだろう。