桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

アカネ

2011-06-27 | Weblog
布川事件を長く支えてくれた宇野さん夫婦の長女、アカネに初めて会ったのは、まだ彼女が2才くらいだったろうか。布川事件の集会に来たときだったと思う。子供に触れ合い機会が少なかった俺には、可愛いくても、どう扱って良いものか、かなり戸惑ったのを覚えている。
あの日から12年、中学3年生。はしゃぐこともなくなり、すっかり娘になった。
アカネは、先日の判決日、学校を休んで来た。学校の先生も「行って来い」と言ってくれたらしいが、親に連れられて布川の行事に参加していたアカネは、その判決日も楽しそうに参加した。そして、一緒に無罪判決を喜んでくれた。もちろん、先日の判決報告会と祝勝会にも参加し、三次会まで来たのだが、俺は疲れてしまい、早々に寝てしまった。その後、アカネが、嬉しい話をしたらしい。
学校で、何かの作文を書く課題があるらしいが、今まで題材が無いと書けなかったのを、今回は布川事件で3枚半を書いた!と、その三次会で報告したらしいのだ。
アカネの成長の過程に、俺の闘いが、どんな思いを残したのかと、そのアカネの報告で考えて、何だか嬉しくなってしまった。

原発2題

2011-06-27 | Weblog
今朝のテレビは、玄海原発の再稼働と「もんじゅ」の部品落下事故の復旧を放送していた。
もんじゅは論外だ。もはや世界で開発が停止されている高速増殖炉技術は、夢、幻なのに、日本だけが神話を基に固執し続けている。原発を運転するほどに燃料が増えていく技術だと言えば、正に夢の膨らむ技術だが、運転を維持する装置は、余りにも未熟過ぎる。
もし、もし今回の規模と同じ地震が起こったならば、確実にパイプは裁断され、ナトリウムが漏れる。ナトリウムが漏れたらば、空気に触れ、コンクリートに触れて火災が発生する。火災が発生したらば、もはや止められない。水を掛ければ爆発だ!
もんじゅは止めるしかない。
玄海原発は、これも困ったねえ。大体、今、福島でも説明している保安院って、何をする人たち?
原発を監視する人たちでしょ?なぜ、この連中が玄海原発は安全です!なんて説明に行くのだろうか。そこからしてウロンな話だ。
福島原発事故では、今でも津波で発生したと言われているが、絶対に違う。地震、そのもので発生したのだ。しかも、事故を甘く見た東京電力が、再稼働を見込んで、廃炉が前提となる対策を行わなかったことが重なり、今の状態を招いた。それらの検証がないままに、国の地震対策を行ったとか、津波対策で2メートルのかさ上げをしたとかだけで、再稼働を行おうとするのは、稼働の実績作りを急いでいるとしか思えない。なぜ、稼働を急ぐのか?
それだけ美味しいんだろうね、金が1番好きな連中には。
国の未来、国民の未来、何も見られない亡者たちに負けてはなるまい。