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【金融政策の限界を知っていた白川前日銀総裁】日銀の次期総裁に推薦したい独連銀ワイトマン氏②

2017-04-11 00:02:57 | 日本

前回からの続き)

 前回、黒田東彦・現日銀総裁の後継者は、コストプッシュ型の「悪いインフレ」を起こさないような金融政策を実行できる人が望ましいと書きました。で、実際に候補者になり得るのかどうかは別にして、これに当てはまると個人的に考える方を以下に上げてみたいと思います。

 まずは、白川方明・前日銀総裁(任期:2008/4~2013/3)。白川氏は次の点で上記に該当すると思っています。第一は、同氏らが実施した政策が「ゼロ金利政策」までにとどまったこと。これは日銀オペ等を通じて名目上の金利を引き下げ、これと予想インフレ率との差し引きで求められる実質金利をゼロに持っていくというもので、単純にいうと、現在の1万円相当の価値が1年後も実質的には同じ(1万円+預貯金金利-インフレ率=1万円)に保たれる、といったところです。

 で、どうして「ゼロ金利」が適切なのか、の理由ですが、これが金融政策でできる限界ラインと考えるから。もしこれがマイナス金利、すなわち実質金利(=名目金利-インフレ率)<0ならば、1万円+預貯金金利-インフレ率<1万円となって、いまの1万円の価値が1年後には目減りしてしまいます。これでは国民大多数の資産価値や生活レベルが下がるリスクが出てくるから、中銀としては実質金利ゼロを超えて実質マイナスには踏み出すべきではない。かといって超過貯蓄が日本国債に集中し過ぎてしまうのはちょっと・・・なので投資を促す措置も講じたい―――ということで、これら諸般の経済事情をバランスして打ち出されたのがゼロ金利政策だったと理解しています。「中銀(金融政策)ができることはここまで。あとは『政治』(財政出動、規制緩和策など)にお任せします」―――おそらく白川前総裁および当時の政策委員の方々はこのような思いだったのでしょう。そしてそれは適切な判断だったと考えています。

 白川氏が日銀総裁にふさわしいと考えることの二点目は、金融政策で長期金利の誘導をすることは極めて困難だという認識をお持ちだったと推察されること。同氏は講演で、中銀による大量の通貨供給の帰結がコントロール不能のインフレになるのは歴史が教えるところ、といった趣旨のことを述べています。これはつまり、いったん長期金利が上がり出したら中銀には制御ができません、という意味。だからこそ白川氏は、そんな危険なインフレを招きかねない過度のマネー供給策を実施すべきではないと暗に中銀を戒めているわけです。

 上記2点は実質的には同じで、いずれも白川氏の「悪いインフレ」への警戒感とそれを起こしてはならないという決意を感じさせるものです。これこそ「通貨の番人」たるセントラルバンカーに不可欠な資質、ということで上述のとおり「悪いインフレ」をネガティブ視するわたしは白川氏の日銀総裁への復職を望むわけです。ちなみに白川氏は今年で68歳、現総裁の黒田氏は同73歳ですので、年齢的にも再登板は十分に可能と思われますが・・・

続く

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