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【アメリカ、すでに実質的な金利マイナス状態に没入…】最終章?ペーパーマネー大増刷⑤

2020-08-01 00:00:17 | アメリカ
前回からの続き)

 前述のように、そしてこちらの記事等に書いたとおり、アメリカでは、たとえ「金利喪失」(ゼロ金利状態)になっても、原油価格が「ついてこない」―――シェールオイル採掘業者等の資金繰りが安定するくらいの価格に上がっていかない―――ため、その押し上げを図るべく、もう一段の金利低下が求められることになるだろう、と考えるものです。つまり、FRBが金利の実質的なマイナス誘導をする以外にないだろう、というわけですが、これ禁断の策といえるもの。ようするに「インフレファイター」であるべき中央銀行が、その存在意義をあえて否定して(?)インフレ(≒名目金利-インフレ率<ゼロ)を意図して喚起しようというものだからです・・・

 もっとも、アメリカの金利は現時点で実質的なマイナスゾーンにあるものと推測されます。アメリカの直近(6月)の消費者物価指数(CPI)は前月比・前年比ともに0.6%、コア指数(変動の激しいエネルギーと食料品を除いた指数)は前月比0.2%、前年比1.2%の、それぞれ上昇となっています。これに対して、FRBの政策金利(誘導目標)はゼロ~0.25%、そして長期金利(新発10年国債利回り)は0.54%(米時間先月30日)ほどです。両者の差は、もちろんマイナス、つまりすでに(って、じつはとっくの昔から?)アメリカでは「悪性」のインフレ(預貯金の利回りが物価上昇率に追いつかない状態)が生じている可能性があるといえそうです・・・

 3月以降の金融緩和の拡充で、FRBは毎月、米国債を800億ドル、不動産担保証券を400億ドル、それぞれ買い入れています。これとは別に、社債やらCPやらも大量に購入して企業の資金繰りを支援しました。これらの結果、大量のマネーが市中に放出され続けています。前述のとおり、そうでもしないと、金利上昇への耐性を失った市場のどこかで麻薬・・・ならぬ緩和マネーの「禁断症状」が生じて危機の連鎖が始まるのを防げないためですが、それでもまだ足りない、ということで、日経によるとFRB内では現在、物価上昇率が2%を上回るまで、ゼロ金利を解除しないと公約する案があるそうな。その公約とは、上記に照らすと、中銀の使命―――インフレファイト―――を放棄します!の宣言になりますけど、そんなことしていいんですかね?パウエルFRB議長!まあ公約してもしなくても同じさ・・・ってことなのでしょうけれど・・・

 上記の状態になれば―――名目金利ゼロ、インフレ率2%になれば、米国債を買うインセンティブは完全に失われます。当たり前ですが、その利回りがモノの価格上昇率を2%近くも下回るからです。かくして投資家はモノ・・・つまりゴールド)等に殺到し、FRBのみがひたすら米国債を購入することに。そのときのFRBは、基軸通貨国の中銀の座から単なるドル輪転機に堕ち、これで大量に増発されるドルは・・・ドルという名のペーパー(紙切れ?)に過ぎなくなる・・・(?)

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