世界雑感☆新しい世界は日本から始まる☆

世界の激動を感じつつ、日本経済への応援メッセージを徒然に綴るページです。
ご訪問ありがとうございます。

【原油価格上昇見通しも、本来の「円」なら「恐るるに足らず」だが…】強い円はやはり最大の国益だ⑥

2018-11-19 00:00:45 | 日本

前回からの続き)

 1971年以降、原油に対する価値を落とし続けてきた米ドルに対して、上記グラフが示す通りの上昇トレンドを描いてきた「」は、日本にとっての生命線である石油の円建て価格の上昇を抑制することで、この間の(って、正確にはアベノミクス前までの)わが国の経済発展と国民生活の向上を下支えしてくれました。そしてその円に例外なくプラスのリターンをもたらす円預金は、もっとも安全確実な投資先として、これまたわたしたちの拠るところとなってきたわけです。まあたしかに、円預金の名目金利はドル等の外貨預金よりも低い場合が多いでしょう。でも、円がドル等に対して高くなっていくことを含めた実質の利回り(本稿の文脈ではドル価値の増分=石油購買力の増分)は、世界のどの銀行預金よりも高いはずです。本ブログでしばしば登場させている「円>ドル>ユーロ>新興国通貨」はこのこと―――円の実質金利がもっとも高いこと―――を意味しています。

 したがって、日本国民が相変わらず「貯蓄」偏重で、アベノミクス円安の現在、企業等がキャッシュリッチ(海外投資等を手控えて円貨を内部留保として抱えてじっとしていること)になるのは、べつに「投資」に慎重とか臆病とかというわけではなく、それがもっとも合理的だからにほかなりません。逆にいえば、「カブノミクス」(アベノミクスの私的造語:取り柄は「株のみ」)が、いかに合理からほど遠く、パフォーマンスの良くないものか、ということです。その結果は、こちらの記事等を含めてさんざん本ブログに書いているし、目の前のガソリン価格等に如実に表れているわけですが・・・

 そのあたりに関連して先日、IEA(国際エネルギー機関)が、現状の原油価格が危険区域(Red Zone)に入っており、世界経済に打撃を与えつつあると警告し、産油国に増産を呼びかけました(今年10月の時点で原油価格は一時80ドル/バレル半ば[北海ブレント]4年ぶりの高値付近に達しています)。加えてIEAは世界エネルギー見通しを発表し、各国政府が計画中の政策を実行すると想定した場合、原油価格は2017年の52ドル/バレルから25年には88バレル(同)と1.7倍になるとの見方を示しました。ベネズエラやイラクなどの主要産油国で生産関連の設備投資が減少したことなどの影響で、20年代初めにも深刻な石油の供給不足が生じるおそれがあり、そのために価格が急上昇するリスクがあるとのことです・・・

 ・・・上記を文字どおりに捉えれば、石油のほぼ100%を海外からの輸入に頼る日本にとって、たしかにこれは脅威です・・・が、それはあくまでもアベノミクス下では、つまりカブノミクス円安を選択し続けた場合は―――ということが本稿で論じたことからもお分かりいただけるでしょう。すなわち、原油のドル建て価格が上がっても(ドルが原油に対して価値を落としても)、アベノミクス以前のように円がドルに対して強くなっていく本来のトレンドに立ち返れば、将来のこの程度の値上がりなど、日本にとっては「恐るるに足らず」ということです。それに加え・・・おそらくわたしたちはこの先、再生可能エネルギーや蓄電池等の開発・展開等を進めて、いっそうエネルギー効率の高い社会を建設し、石油への依存度をさらに減らしていくでしょうからね・・・

 逆に、このままアベノミクスを続けていけば、どうなるか・・・って、自明ですよね・・・(?)

(続く)

金融・投資(全般) ブログランキングへ


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【円が強くなることは日本の... | トップ | 【アベノミクス、円安誘導&原油投... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

日本」カテゴリの最新記事