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【株・債券価格の低下が米住宅バブル崩壊を誘発】株と債券「双子のバブル」がヤバい理由④

2018-02-21 00:00:47 | アメリカ

前回からの続き)

S&P/ケース・シラー住宅価格指数は、アメリカの住宅価格がここ数年、同国の経済成長率(名目GDPは2016年で前年比プラス2.8%)を大きく上回る率で上がり続けていることを示しています。同指数のうち20都市圏住宅価格(20001月を100)によると、直近(201711月)の値は204.21で前年同月比6.41%もの伸びとなっています。そのうえこの上昇率も高まる傾向にあり、長いこと5%台だったものが同年9月から3か月連続で6%台に乗ってきました・・・

 この指数、最後に底を打ったのは20123月で、そのときの値は134.07です。以降6年近くにわたり、米住宅価格は基本的に一貫して上昇し、その通算率は50%あまりとなりました。いっぽうの米GDP増加率はこの間のトータルで20%ほどですから、いかに同国の住宅価格が実体経済とかけ離れて値上がりしてしまったかが分かるというものです。どう控え目に言ってもこれ「住宅バブル」としか表現のしようがないでしょう。ということでアメリカ国民はつい10年ほど前(2000年代後半のサブプライムローン・バブル破綻~リーマン・ショック)の苦い教訓をすっかり忘れてしまったかのようです・・・

 さて、足元の米住宅バブル、永遠に続くはずはなく「前回」と同様、やがてピークを打って縮小に転じるほかないと思われます。並行して膨らんできた、超低金利&金融資産高をもたらしてきた頼みの「双子のバブル」が明らかに崩壊過程に入ったからです。この両者、ある程度のタイムラグをおいて同じ下落方向をたどると思われますが、住宅ローン金利のベースとなる長期金利が急上昇し始めたのが先月ですから、おそらくこの春から後、遅くとも夏あたりまでには住宅価格も頭打ちから下降に転じるのではないでしょうか・・・(?)

 そうなると当然、当該ローン層の支払い環境は悪化します。ローン金利は上昇、手持ち金融資産額は目減りとなるうえ、肝心の自身保有の住宅価格も下がってしまうためです。なかにはこれを手放して得たおカネでも残債を完済することのできない人々も出てくるでしょう。そんな彼ら彼女らの多くは多額の借金を抱えたまま住処を失うことになりそうです・・・

 このへんに関連してコワいのはホームエクイティローン(HEL)の行方です。HELとは住宅の正味価値(=市場価格-ローン残高)を担保にしたローンのこと。多くの米国民はこの枠組みで借金し、車を買ったり株式投資をしたりしてきました。これ、住宅価格が上がり続ければ含み益が増えるので、いざとなれば自宅を売ればローンの返済が可能でしたが、逆に下がってしまったら・・・悲惨です。ただでさえ住宅購入の際に組んだローンが残っているうえ、市場価格がHEL残額を下回れば、その額だけ借金が増えてしまうためです・・・

 以上のようなヤバい局面にアメリカは向かうしかないでしょう、双子のバブル、そして住宅バブルが崩れていけば。それは真におそろしい資産デフレ(株・債券・住宅等の価格のどれもが下げ止まらないこと)と金融システムにおける不良債権の急増をもたらし、重大な金融危機をまたも引き起こすに違いありません・・・(?)

(続く)

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