スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

ドームスーパーナイトレース&躊躇

2021-10-18 19:08:07 | 競輪
 前橋競輪場で行われた昨晩のドームスーパーナイトレースの決勝。並びは宿口‐阿部‐武藤の埼玉,山田‐久米‐友定の西日本で斉藤と伊藤と田中は単騎。
 武藤と友定がスタートを取りにいき,枠が内だった武藤が誘導の後ろを確保。宿口の前受けとなり,4番手に斉藤。5番手に田中。6番手に山田。最後尾に伊藤で周回。残り3周のバックの入口から山田が上昇。バックの出口で友定までの3人が宿口を叩きました、4番手に宿口,7番手に斉藤,8番手に田中,最後尾に伊藤の一列棒状になって残り2周のホームを通過。バックに入ると伊藤が発進。山田を叩いて打鐘からかまし先行に。山田は車間が開き,第二先行のような形に。宿口はホームから発進。山田はバックで伊藤との差を詰めにいき,その勢いで伊藤を捲って先頭に。襲い掛かった宿口はホームの入口手前で久米の牽制を受けましたが,それを乗り越え,直線で山田を差して優勝。第二先行から粘った山田が半車身差で2着。宿口マークの阿部が4分の3車輪差で3着。
 優勝した埼玉の宿口陽一選手は6月の高松宮記念杯以来の優勝。そのときがグレードレースでは初優勝でしたから,GⅢはこれが初優勝。この開催は寛仁親王牌には出走しないメンバーでの実施。それであれば今年のGⅠを勝っている宿口が近況と実績から断然の存在で,開催自体のエース格でした。ここはその力をみせつけての勝利。単騎の3人のうち,伊藤は捨て身のレースとはいえ見せ場を作りはしましたが,斉藤と田中は宿口ラインを追うような競走になり,その点も宿口には味方したように思います。

 フェニックスと同様に,アベマズもまだテンパイに至っていたわけではありません。ですがそのことはほかのチームのプレイヤーが確実に認識するcognoscereことができるわけではありません。このひとつ前の巡目になる11巡目で,フェニックスは2筒を捨てるときにやや躊躇している様子が見受けられますが,これは近藤の精神mensの内で,それを捨てることでアベマズに対して失点する可能性があるという認識cognitioがあったからです。それでもフェニックスは最初にいっておいたように,4チームの中では最も得点の獲得を目指しやすい立場にあって,この牌自体は自身の得点の獲得のためには不要ですから,躊躇はしても捨てています。これは当然の選択であって,それはほかのチームのプレイヤーからみてもそうみえるでしょう。つまり,仮に近藤というプレイヤーが,副露に対してケアをするプレイヤーであると認識されていたとしても,この局面ではアベマズに対して失点があり得る牌を捨てたとしても,それはおかしいとは認識されないのです。
                                      
 これに対してパイレーツは,4チームの中では最も失点の防止に重きを置いて打つ筈のチームです。また,アベマズに対する失点は,仮にそれが順位を落とすものではないとしても,かなり悪い部類の結果です。それなのに4索という,アベマズに対する失点があり得る牌を捨てたことは,おかしいと感じられるのです。つまり近藤は著書の中では,瑞原明奈というプレイヤーについての第二種の認識cognitio secundi generisの蓄積が,おかしいという第三種の認識cognitio tertii generisの契機になったというように説明していますが,実際にはこうした状況を含めての認識であった筈です。いい換えれば,瑞原がどのような打ち回しをするプレイヤーであるのかということについては確実な認識がなかったとしても,これはおかしいと認識することができるプレイだったのです。したがってこのおかしいという認識は,それが第二種の認識であったか第三種の認識であったかということは別として,ほかのふたりのプレイヤー,すなわちアベマズの日向藍子にもサクラナイツの内川幸太郎にも共有されていたと考えなければなりません。
 ここからはこのおかしさの内容を具体的に考えます。

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