スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

ふるさとダービー&真理の追求

2007-04-22 22:28:08 | 競輪
 最終4日目にして雨となってしまったふるさとダービー観音寺の決勝
 小倉選手が飛び出して誘導を追いましたが,外から新田選手が上昇していくとこれを入れて新田選手が前受け。渡部選手が3番手に入り,岐阜勢を挟んで後方の8番手から山崎選手で周回。残り3周のバックから山崎選手がおもむろに上昇していき,岐阜勢はこれを追走。残り2周のホームでは渡部選手を牽制するように3番手の外でふたをする形に。ここで新田選手が誘導を追うのをやめ,ペースを落とすと,山崎選手が自然な形で抑えて先行態勢に。岐阜勢はこれを追って,内の新田選手と外の渡部選手で5番手を取り合う形。そのまま残り1周のホームを迎えていよいよ山崎選手が発進。バックから3番手に入った加藤選手が自力で捲って出ましたがあまりスピードが上がらず,飯嶋選手のブロックで外へ浮きました。このとき外から捲ってきた渡部選手もスピードを殺されてしまい,前での争いに。山崎選手に有利な展開と思われましたが,加藤選手を追わずに飯嶋選手の後ろに切り替えた山田選手が直線の入口から踏み込むと,山崎選手を捕えて優勝しました。2着に山崎選手で,バックでは最後方になってしまった加倉選手がよく追い込んで3着になっています。
 優勝した岐阜の山田裕仁[ゆうじ]選手は2002年と2003年の競輪グランプリを連覇するなど,競輪界を代表する選手のひとり。しかしそれ以来は不振にあえいでいて,ここもそれ以来のビッグ優勝。まだまだ第一戦で活躍し続けてほしい選手です。
 山崎選手はいい展開となっただけに残念な結果ですが,観音寺はどうも逃げ切るのが難しいコースのようで,仕方ないかもしれません。今日も大ギアをかけていましたが,このギアで抑えて先行ができたのはひとつ収穫だったとはいえるでしょう。

 僕が思うに,法律とか道徳とかいったものは,それを積極的に評価するならば,共同体や社会の人間関係を円滑に遂行していくための手段,あるいはそのための役に立つようなものです。ですから,法律や道徳が善悪そのものであるとは考えないですし,また,それが正義であるとも考えていません。そしてさらに,僕は法律や道徳といったもののうちにある真理が含まれているとも考えていないのです。逆にいえば,それが人間関係の円滑な遂行に役立つのであれば,その中に善悪や正義,そして真理といったものさえ含まれてなく,むしろ虚偽あるいは誤謬であっても構わないのだろうと思います。
 一方,僕の興味や関心というのがどこにあるのかといえば,たとえば今回の責任論についていうなら,責任という概念が実在的であるなら,または実在的であり得るなら,それはどういったものであるかという点です。第一部公理六により,観念としては実在的であるのは真の観念ですから,結局これは,真理とは何かに関心があるということになります。実際,僕がスピノザの哲学に求めていること,スピノザの哲学から導こうとしていることは,真理とは何かということであり,何が役に立つのかということではありません。なので,そこから抽出されるある結論が法律や道徳と齟齬を来していたとしても,実はそれは問題だとは考えていないのです。
 エチカから導かれる責任という概念の難点は,実際のところ,それが法律や道徳に反する部分があるということにすぎません。常識的に考えればこれは難点なのでしょうが,僕はそういった理由から,あえてそれを解消する必要はないと考えています。こうした種類の難点を抱えているということと,それが誤っているということ(真理ではないということ)とは明らかに別のことだと思うからです。

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