スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

新日本のブロディ&内在の意味

2014-04-06 18:57:01 | NOAH
 1985年3月21日,僕は後楽園ホールにいました。新日本プロレスの興行を観戦するためでした。そしてこの日そこに,スーツ姿の超獣が登場しました。直前まで全日本で試合をしていたのですが,この日から,新日本で仕事をするようになったのです。といってもこの日は顔見せで,試合をしたわけではありません。
                         
 新日本のブッチャーは輝くことができず,移籍は失敗でした。それはパートナーの問題もありましたが,黒い呪術師というキャラクターが新日本のカラーにそぐわなかったからです。そして意味合いは異なりますが,ブロディの新日本移籍も失敗でした。ブッチャー以上の失敗であったと僕には思えます。新日本のブロディは,一言でいえばトラブルメーカーでした。試合をキャンセルすることもしばしばで,最後もスーパーフライとのチームで参加していたタッグリーグの最終戦をボイコットし,新日本と訣別することになりました。
 ブロディのエゴイズムというのは,単にリングの上だけで発揮されていたわけではなく,リング外で,プロモーターやブッカーを相手にしていた場合にも発現していたのです。具体的にどのような内容の諍いが新日本との間に発生していたのかは分かりませんが,少なくともブロディにとって,妥協できないような要求があったのは確かなのでしょう。
 ブロディがこういう意味でもエゴイストであったということは,多くの日本のプロレスファンは,これを契機に知ることになりました。僕もそうです。というのもそれ以前,全日本に参戦していたブロディは,リング上ではわがままなプロレスを展開しても,契約を一方的にキャンセルするようなことは1度としてなかったからです。
 ブロディは1987年の11月に全日本プロレスに復帰しました。リング外でのエゴイズムは続いていた筈ですが,そのゆえの契約破棄はなく,悲惨な最期を遂げるまで,これといった問題を起こさずに仕事を続けました。これは偏にプロモーターとしての馬場の有能さの証といえます。馬場のプロモーターとしての手腕は,ブロディを相手にしたときに最も発揮されたのだと僕は思っています。

 絶対に無限と自己の類において無限との間にある相違は,神とその本性を構成する無限に多くの属性との間にある相違と同一です。Aという属性とBという属性は,実在的には区別することができますが,数的に,あるいは様態的に区別することは不可能です。これを根拠として,無限に多くの唯一の属性があり,それら無限に多くの属性によってその本性を構成される唯一の実体である神が存在するということになっているからです。するとこの関係は,Aという属性の無限様態と,Bという属性の無限様態の間にも適用することが可能であるということになります。つまりAという属性の無限様態が無限であるということと,Bという属性の無限様態が無限であるということとの間には,たとえこれら相互の無限様態が限定し合うと考えることができるにしても,無限であるということの内実は同一であり,一義的です。つまりここでもスピノザは,数的に区別が可能な複数の無限を呈示していないと理解しなければなりません。
 残るのは,Aの属性が無限であるということと,Aの属性の無限様態が無限であるということの内実に,相違があるのかどうかという点になります。Aの属性はそれ自身のうちにあり,Aの属性の無限様態はAの属性のうちにあります。Aの属性がそれ自身のうちにあるということが,Aの属性はそれ自身に内在しているという意味であるのなら,Aの属性の無限様態もそれと同じようにAの属性に内在しているのですから,同一の意味であるでしょう。しかしそれ自身のうちにあるということと,それ自身に内在しているということが,必ず同じ意味でなければならないということにはなりません。
 スピノザは,このようなタイプの問いには無関心であったと僕には思えます。無限であるということが,どのような意味においても一義的でなければならないという認識がスピノザにあったことは確実だと僕は思いますが,それは別の仕方で証明され得る,あるいは知性によって十全に認識し得るというように考えていたのだと僕には思えるのです。第一部定理二一と第一部定理二二で,ふたつの事柄が同時に示されているのは,無限であるということが一義的であるということを確実にするようなテーゼそこにあるからだといえるのではないでしょうか。

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