スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

ドバイ国際招待競走&全宇宙の存在

2014-03-31 19:34:49 | 海外競馬
 現地時間の29日にドバイのメイダン競馬場で開催された今年の国際招待競走には,4レースに8頭の日本馬が参戦しました。
 ゴドルフィンマイルGⅡタペタ1600mには一昨年のファルコンステークスと昨年のみやこステークスを勝っているブライトラインが出走。Forjattが出走取消で15頭。戦前のレーティングが突出し,結果もワンツーとなる2頭の先行。ブライトラインは先行集団の外,4番手から3コーナーでは2頭の直後の3番手に進出。4コーナーで外に振られたものの直線でもその位置をキープ。しかし残り100mで一杯となり,2頭に差し込まれて4着とは僅差の5着でした。
 この馬はレースで落ち着いて走れないという弱みがあり,相手関係以前に自身との闘いが必要。強い馬についていき,勝負をしにいっての結果なのですから,結果は5着でもよいレースをしたといえる内容だと思います。
 ドバイデューティフリーGⅠ芝1800mには昨年の天皇賞(秋)を勝ったジャスタウェイ,昨年のダービー卿チャレンジトロフィー,鳴尾記念,函館記念,札幌記念を勝ったトウケイヘイロー,2012年のJRA賞最優秀2歳牡馬のロゴタイプの3頭が出走。トウケイヘイローが逃げ,ロゴタイプは中団の外,ジャスタウェイは後方3番手でのレース。ロゴタイプは3コーナーで外から動き始めましたが馬群に飲み込まれて6着,トウケイヘイローも直線では一杯になり7着。ジャスタウェイは直線で大外を豪快に伸び,残り300m付近で先頭に立つと2着馬に6馬身以上の差をつけ,従来の記録を2秒以上も更新する大レコードで圧勝。
 優勝したジャスタウェイは今年初戦の中山記念から連勝,大レース2勝目。日本馬の海外での勝利は昨年末の香港スプリント以来。ドバイでは2011年のドバイワールドカップ以来。ドバイデューティフリーは2007年以来の2勝目。この馬が強いということは分かっていたつもりでしたが,これほどとは考えていませんでした。完全に実力を見誤っていたようです。この日のレースのうち,最も強い内容だったのではないでしょうか。父のハーツクライは2006年のドバイシーマクラシックの優勝馬で,父子でのドバイGⅠ制覇は珍しい記録と思います。祖母の半弟に1997年のシリウスステークスと1998年の中京記念を勝ったトーヨーレインボー。騎乗した福永祐一騎手は天皇賞以来の大レース制覇。海外GⅠは2005年のアメリカンオークス以来の5勝目。管理している須貝尚介調教師は昨年の阪神ジュベナイルフィリーズ以来の大レース制覇で海外重賞初勝利。
 トウケイヘイローは自分のレースはできたわけですから,力が足りなかったというほかないでしょう。ロゴタイプは成長力にやや乏しいという感じを受けています。
 ドバイシーマクラシックGⅠ芝2400mにはJRA賞で2012年の年度代表馬,2013年の最優秀4歳以上牝馬のジェンティルドンナ,昨年のフローラステークスとローズステークスを勝っているデニムアンドルビーが出走。Ambivalentのゲート入りに手間取り発走時刻がやや遅延。デニムアンドルビーが逃げるという予期せぬ展開。1コーナーでMarsが曲がれず外に逸走し,ジェンティルドンナも含めて数頭に接触する不利。ただ決定的なものではなく,内の7,8番手あたりで追走。3コーナーから少しずつ外に持ち出し,直線ではデニムアンドルビーとAmbivalentの間を突こうとしたものの詰まりました。Ambivalentの外にCirrus des Aiglesが接近,強引に外に切り返すと残り100mで競り合う2頭を捕え,舌を越しながら1馬身半の差をつけて優勝。デニムアンドルビーはAmbivalentに並ばれたところで一杯となり,10着。
 優勝したジェンティルドンナは昨年のジャパンカップ以来の大レース6勝目。日本馬によるドバイシーマクラシック制覇は2006年以来の3度目。結果からみるとここでは力が違っていました。普通は負けパターンの競馬で,レースで頑張ろうとする気力がこの馬は規格外です。父はディープインパクト,全姉に2012年の京都牝馬ステークスと関屋記念を勝ったドナウブルー。Gentildonnaはイタリア語で淑女。騎乗したのはイギリスのライアン・ムーア騎手で昨年の朝日杯フューチュリティステークス以来の日本馬に騎乗しての大レース制覇。管理している石坂正調教師はジャパンカップ以来の大レース制覇で海外重賞初勝利。
 デニムアンドルビーは発走が上手な馬ではありませんが,相対的にいえば日本馬の発走は海外の馬より早いため,前に位置することになったものと思います。いつもは後方で追走する馬なので,先行集団で揉まれるくらいなら逃げてしまった方がましだったとは思いますが,いきなりこの相手でこの形で力を発揮するのは難しかったようです。
 ドバイワールドカップGⅠタペタ2000mには昨年のJRA賞最優秀ダート馬のベルシャザールとNARグランプリ特別表彰馬のホッコータルマエが出走。外の2番手でレースを進めたホッコータルマエは3コーナー手前では一杯になり,最下位。9番手前後のインでレースを進めたベルシャザールは,勝負どころから押し上げていくことができず,11着でした。
 ドバイのこのコースはスピードとパワーの両方が要求されるようです。ホッコータルマエは明らかにスピード能力に欠けていたという印象。ベルシャザールも後方からレースを進めていくので,能力以前の問題として適性がなかったというほかありません。

 移行の程度がゼロであるならば,現実的本性は変化しません。僕が自分の部屋の中でいくら歩き回ったとしても,部屋から出ない限りは部屋の現実的本性は変化しません。この点はよく覚えておいてください。
 僕がその内部にある様ざまな物体と一体化して部屋を構成するということが,形而上学的な組織化の意味です。すると今度は部屋の場合にも同じことが該当します。僕の部屋はほかの部屋と一体化することにより,僕が住んでいる家を構成していると考えられるからです。そしてこの家は,ほかの家々と一体化して,ひとつの町を構成していると考えることができます。このように考えていけば,最後には,その内部にあるすべてのものが一体化することにより,全宇宙が構成されていると考えることができるでしょう。したがってまず,運動と静止が延長の属性の直接無限様態であるならば,無限に多くの物体が存在するということが帰結し,さらにそこから,延長の属性の間接無限様態である全宇宙が存在しなければならないということまでは導くことができたわけです。ただしここではまだ,その全宇宙が,不変の形相を有しているということまでは帰結させていません。いい換えれば,論証する必要があることのうち,半分だけが帰結しているということになります。
 諸物体から間接無限様態である全宇宙の存在を帰結させるのは,帰納的方法です。しかしだからといってこのように考えていくことが無効であるというわけではありません。というのもこの考え方は,岩波文庫版で115ページから始まっている第二部自然学②補助定理七備考のうちでスピノザ自身が主張していることと同一であるからです。そしてその備考においてスピノザは,このようにして帰結する全宇宙が,不変の形相を有しているということまでいっています。ただし,そこでスピノザがいっていることを正面から受け止めるならば,間接無限様態というのは,無限に多くの個物res singularisの集積という意味でのひとつのres singularisである,つまり全宇宙とは,無限に多くの物体の集積という意味でのひとつの物体であると解さなければなりません。

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