スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

アルペンローズ&現実的本性と意識

2024-05-18 19:22:56 | 血統
 天皇賞(春)を勝ったテーオーロイヤルの輸入基礎繁殖牝馬は祖母のアルペンローズです。母がバラダの半妹に当たる同一牝系でファミリーナンバーA4
                                        
 海外で2戦して未勝利だったのですが,繁殖牝馬として輸入されました。アルペンローズの生年はノーリーズンと同じですから,たぶんノーリーズンの活躍が輸入の契機になったものと思われます。
 日本では11頭の産駒を産みました。重賞の勝ち馬は出ていませんが,重賞2着馬は出ています。
 この11頭のうちの6頭が牝馬。そのうちの5頭は繁殖牝馬となってすでに子孫を残していますので,牝系は広がっているところ。現時点で最も成功したのが2008年にマンハッタンカフェとの間に産まれた牝馬。この馬が2017年に産んだのが,2021年のみやこステークス,2022年のマーチステークスと帝王賞,2023年のかしわ記念帝王賞と大レースを3勝している現役のメイショウハリオ。テーオーロイヤルはメイショウハリオのひとつ下の半弟となります。
 それ以外に重賞の勝ち馬は出ていませんし,南関東重賞の勝ち馬も出ていません。北海道で昨年の栄冠賞を勝ち,今年のネクストスター北日本も勝っている現役のストリームは,2011年にアルペンローズとディープスカイの間に産まれた牝馬の産駒です。牝系は広がっている途上ですから,まだ活躍馬が出てくる可能性もあるでしょう。

 第三部定理九は,僕たちの精神mensは自己の有esseに固執しているということだけをいっているのではなく,同時にそれを意識しているといっています。なぜそのようにいえるのかといえば,僕たちの精神が自己の有に固執していれば,僕たちの精神はそれを意識しているということをスピノザは前提しているからだと思います。ですから,単に自己の有に固執するperseverareことが精神の現実的本性actualis essentiaであるとすれば,それが現実的本性であるということを僕たちは認識するcognoscereのです。よってこの場合は,少なくとも僕たちの精神の現実的本性は,明確に意識conscientiaと関連付けられているといえるでしょう。もっとも國分は,スピノザは人間の本性natura humanaを説明するにあたって,意識という概念notioを必要としたのだという主旨のことをいっていて,このことは僕には肯定し難いものを含んでいます。別に意識という概念を必要としていたわけでなく,意識されようと意識されまいとそれが人間の現実的本性であるということはスピノザは認めていて,いい換えれば欲望cupiditasであろうと衝動appetitusであろうとそれが人間の現実的本性であるということをスピノザは認めていて,それがある場合には衝動といわれ,ある場合には意識を伴ったものとしての欲望といわれるというようにスピノザはいっていると僕は解するからです。國分のいい方に倣えば,現実的に存在する人間を突き動かす力potentia,これが衝動ですが,それは人間の現実的本性なのであって,しかしそのことを僕たちは意識するので,意識された衝動である欲望は,衝動が人間の現実的本性であるといわれるのと同じ意味で人間の現実的本性といわれているのであり,僕たちを突き動かす力のほかに僕たちの意識を,僕たちの本性を規定するために必要としていたわけではないと僕は考えます。
 國分は自身の説をさらに敷衍して,人間の本性は欲望であり,欲望が意識を伴った衝動であるのなら,欲望から衝動を差し引いた残余の部分が意識なのであって,人間の特徴は,自らを突き動かす力を意識している点にあるといっています。ここでなぜ人間の本性といわずに人間の特徴といっているのかは僕には分かりません。僕はこの主張については部分的に同意するといっておきます。

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