スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

大山名人杯倉敷藤花戦&失点の回避

2021-11-22 19:17:38 | 将棋
 20日に倉敷市芸文館で指された第29期倉敷藤花戦三番勝負第二局。
 里見香奈倉敷藤花の先手で5筋位取り中飛車。後手の加藤桃子清麗は左美濃に組みました。この将棋は先手に大錯覚がありました。
                                        
 ここで☗5七角と逃げましたが,これが大錯覚の悪手。☖8六歩☗6五桂☖同桂☗同銀☖同銀☗同飛と指しましたが☖5六銀で飛車角両取りが掛かり,実質的に将棋が終ってしまいました。
                                        
 第1図で☗3九角と逃げるのでは自身が持てないという先手の感想が残っていて,だから☗5七角と逃げたのですが,あっさりと清算する順が読み抜けてしまったようです。
 加藤清麗が勝って1勝1敗。第三局は21日に指されました。

 雀力について書いたのは,この場面の解釈に影響するかもしれないからです。この場面はこういった得点状況になっていますが,だからといって日向や近藤は強く,瑞原や内川が弱いわけではないのです。このゲームはたまたまこの得点状況になっているだけで,この場面の得点状況が各々のプレイヤーの実力を正確に反映しているというわけではありません。その点は間違えないようにしてください。
 パイレーツがテンパイを果たした直後にフェニックスが引いてきたのが1索でした。これがこの局の全体のハイライトシーンといえます。すでに説明しておいたようにこの1索はパイレーツが得点を獲得することができる牌で,もしフェニックスがそれを捨てるとパイレーツに対して12000点の失点になりますから,パイレーツが2位,フェニックスが3位で試合が終了するところでした。しかしフェニックスはこの1索を手の内にとどめ,9萬を捨てて失点を回避しました。
 近藤はこのときに1索を手の内にとどめた理由について,1索がパイレーツに対して危険と判断したからだといっています。1索を捨てると必ずパイレーツに対して失点するとまでは認識するcognoscereことができなかったそうですが,パイレーツに対して12000点あるいはそれ以上の失点になるという場合は,1索はとくに危険であるという認識cognitioであったそうです。つまり近藤は著書の中では,1索が危険である理由については,パイレーツの役との関係で説明しています。そこで僕は,近藤が著書の中で触れていない観点から,1索がパイレーツに対して危険である理由を示すことにします。近藤はそれを著書で触れてはいませんが,おそらくそういった認識もあったと思われるからです。
 フェニックスが1索を引いてきた局面で,1索はフェニックス自身がすでに捨てている1枚と,引いてきたばかりの1枚があることをフェニックスのプレイヤーである近藤は理解します。何度もいうように麻雀の牌は同じ牌が4枚なので,残りの2枚は,まだ引かれていない山の中にあるか,他のプレイヤーの手の中にあるかのどちらかです。もちろん2枚ですから手の中と山に1枚ずつというケースもあります。

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