将棋大賞＆換金

　2008年度の将棋大賞が3月31日に決定しました。
　最優秀棋士賞は羽生善治名人。名人奪取と共に,永世名人獲得。棋聖挑戦,奪取。王位挑戦。王座防衛。竜王挑戦。王将防衛。棋王戦以外のすべてのタイトル戦に出たわけで,当然の選出。昨年度に続き,2年連続になります。ほかにNHK杯優勝。
　優秀棋士賞は渡辺明竜王。3連敗から4連勝での竜王防衛が高く評価されたもの。ほかに最強戦で優勝。本人も「複雑な気持ち」と表現していて,やや微妙な部分もあるのですが,世間的なインパクトは大きかったのではないかと思います。
　敢闘賞は久保利明棋王。棋王挑戦,奪取。王位防衛,王将挑戦の深浦康市王位がいて,渡辺竜王も含めてこのあたりの振り分けは難しかったと思います。ただ久保棋王は記録部門で最多対局と最多勝なので,こちらの賞も受賞するのが自然ではあると思います。升田幸三賞も併せて受賞。
　新人賞は新人王の佐藤天彦四段でこれは順当。また,引退された中原誠十六世名人に特別賞が贈られました。
　その他の記録部門は,連勝賞が金井恒太四段で勝率第1位が宮田敦史五段。共に今後の活躍が期待される棋士です。
　名局賞は4月から3月という区分になったそうで,竜王戦第七局が選ばれました。これはファン投票があって,そのときは1月から12月の区分で,僕は妙手でも紹介した昨年2月の棋王戦第一局に投票。名局賞に選ばれた将棋にけちをつけるつもりは少しもないですが,少々腑に落ちないものは感じます。
　最優秀女流棋士賞は,女流王将防衛,女流王位挑戦,女流名人位挑戦,奪取の清水市代女流名人でこれは当然。清水名人も2年連続になります。
　優秀女流棋士賞は倉敷藤花挑戦,奪取の里見香奈倉敷藤花で,これも順当だと思います。新人王戦で稲葉陽四段に勝ったのは,その後の棋聖戦での稲葉四段の活躍を考えると凄い1勝でした。

　僕は横浜在住で,友人は品川に住んでいました。換金するために会う日は友人の方が横浜まで出向いてくれることになり,横浜駅で待ち合わせ。もっとも,電車1本という意味では,僕も友人も違いはありません。待ち合わせ場所で会ってすぐに第一勧業銀行に向ったのですが,50万円を受け取るためには,印鑑が必要とのこと。僕も友人も用意してきていませんでしたので,買わなければなりませんでした。どこで買ったのかはいっかな覚えていないのですが,近くに文房具屋でもあったのだろうと思います。予定外の出費ですが宝くじに比べれば安いもの。必要な手続きを終えて,この日のうちに50万円を受け取ることができました。
　それから僕たちは横浜駅西口周辺を少し歩き,とあるビルの2階にある喫茶店に入りました。鈴木喫茶室という名前の喫茶店だったのではないかと思います。客は僕たちだけ。何を飲んだのかまでははっきりと覚えていませんが,この喫茶店はお冷がただの水ではなく,レモン水のようなもので,それは強く印象に残っています。そしてここで50万円をきっちり25万円ずつに分けて,この日はそのまま帰ったのではないかと思います。このとき友人は当選金の使い道について,少なくとも一部はどこかに寄付をしたいと言っていました。僕は友人とはまったく迷わずに山分けすることにしたのですが,寄付をするという発想はほんの少しもありませんでしたので,このことも僕の印象に残っています。もっとも,それをどのように使ったのかなどということは後になってからは聞いていませんから,実際に一部だけでも友人が本当に寄付をしたのかどうかは僕には分かりません。