スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

王位戦&瞬間移動と運動

2008-06-19 19:35:59 | 将棋
 王位戦はいくつかの新聞社が連合して主催しています。北海道新聞はそのうちの一紙で,今日の挑戦者決定戦の中継はこの北海道新聞の判断によって行われました。同じく王位戦を主催する西日本新聞もそうなのですが,こうした地方紙のネットへの取組みは,全国紙を上回るものがあると思います。
 振駒で先手は羽生善治名人。相掛りに。序盤のポイントとなったのは第1図
           
 ここで△1四歩と受けずに△5四銀と出たので,先手は▲1五歩と突き越し,△6五銀以下,後手から先攻する将棋に。僕の印象では橋本崇載七段は受け将棋ですので,こうした展開は少しばかり意外でした。将棋は第2図へ。
           
 先手が二歩損した代償に馬を作ったという分かれ。8筋方面を後手が押さえているので後手がよく見えるのですが,先手が一歩を手持ちにしていたのがむしろ大きかったようです。ここから▲6五歩と合わせていきました。観戦はこの後の第3図から。
           
 ぱっと見て善悪は分からなかったのですが,この時点の残り時間が先手の1時間28分に対して後手は20分。この差は大きく,局面うんぬんではなく現実的に先手有利でしょう。それにしてもここからの先手の攻めの流れは素晴らしく,あっという間に後手を投了に追い込んでしまいました。投了の局面,まだ△8七歩成と指すのかと思いましたが,やはり現実的な駒の損得が大きすぎるということでしょう。
 これで羽生善治名人が深浦康市王位への挑戦権を獲得。昨年とは立場を入替えての再戦。昨年は最終局までもつれこみ,その第七局将棋大賞の名局賞に選出されるほどの大熱戦に。今期も同様の熱い戦いに期待。挑戦手合は2日制で、第一局は7月14日と15日です。

 物体がAからBへと瞬間移動するということは,あるそれ以上の隙間のない時間であるPとRとを設定し,たとえばPのときにはAにあった物体が,RのときにはBにあるということを意味します。このとき,PとRの間にはもうそれ以上の隙間がないとしても,AとBとの間には何らかの隙間があることが可能なので,これが瞬間移動とみなされるということになります。しかしこのように考えてみれば,物体はこれと同じ仕方によって,AからBへと運動することも可能であるということになります。
 というのは,PとRの間にはもうそれ以上の隙間がないということは,PとRの間にどこに物体があるのかということについてはもうそれを問うことはできないということになるのですが,第二部自然学①公理一の新しい意味に依拠する限り,運動している間は物体はそれがどこにあるかを問うこともできないということになっているからです。したがって,AとBとの間にはいくら隙間があるとしても,とくに距離に関しては数列の稠密性を導入するならば,この隙間は無限にあることになるのですが,いくらその間に無限に多くの地点があるとしても,それらの地点を物体が次々と位置を変えていった地点なのだと考えれば,この瞬間移動は運動にほかならないということになってしまうからです。
 したがって,単に物体がAからBへと瞬間移動するということだけを形而上学的に考察してみると,どうもこの瞬間移動と運動との間に,厳密な相違を見出すことができないように思われます。そこで今度は,連続的な瞬間移動について考えてみることにします。
コメント (2)
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