スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

バランシーン&第二部定理一六系二証明

2009-02-21 20:20:36 | 海外競馬
 昨年の秋華賞を勝ったブラックエンブレムは,先月,ドバイに旅立っていました。現地時間2月5日のレースに出走の予定でしたがこれは一頓挫あって回避。日本時間で21日未明のバランシーンGⅢ(動画)に出走しました。
 レースはインの3・4番手を追走。そのまま直線に入りましたが,途中からずるずると後退。ゴールはしたものの大きく離されての最下位。管理する小島茂之調教師によると,レース中に鼻血を出してしまったようです。
 馬は人間と違って,鼻でしか呼吸をすることができない生き物なので,鼻血は生死にも直結します。ところが中には鼻血を出しやすい馬というのがいまして,ブラックエンブレムもそうした1頭。秋華賞の後,日本でレースを使わなかったのも,調教中に鼻血を出したことがひとつの原因でしたし,ドバイ到着後の一頓挫というのも実は調教中の鼻血でした。先述したようにこれは競走能力だけでなく,生命に関わる問題なので,外傷以外の原因で鼻血を出した馬には試験が課せられ,それはクリアできたのですが,大事なレースで発症することになってしましました。
 なお,昨年の兵庫ジュニアグランプリを2着になったアースリヴィングも同時にドバイ入りし,こちらは現地時間6日の準重賞,UAE1000ギニーに出走,2着しています。

 第二部定理一六系二は次のように証明されます。
 まず第一に,ある物体と別の物体とが関係することによって双方の物体ないしは片方の物体にある運動あるいは静止が生じるとするならば,岩波文庫版の『エチカ』上巻113ページ冒頭の第二部自然学②公理一により,この運動ないし静止の様式は,これに関係している双方の物体の本性を含むことになります。ところで,人間の身体というのはいうまでもなく物体であるわけですから,この公理に適合しなければなりません。よって,人間の身体がある外部の物体に刺激されることによって何らかの運動ないしは静止に決定されるとするならば,この様式というのはこの人間の身体と,この身体を刺激すると仮定されている外部の物体の,両方の本性を含んでいなければなりません。いい換えれば,こうして生じる人間の身体の運動の原因は,この人間の身体と,これを刺激する外部の物体の両者であるということになります。
 第二に,第一部公理四によれば,結果の観念は原因の観念を含んでいなければなりません。よって,このような結果として生じるような人間の身体の運動の観念には,この運動の原因としての外部の物体の本性の観念とこの人間の身体の本性の観念の両方が含まれることになります。よって,人間がある外部の物体によって自分の身体が刺激されて運動するときの観念には,外部の物体の本性と同時に自分の身体の本性とが含まれるということになり,人間は,自分の身体の状態に応じて,外部の物体を認識するということになります。いい換えればこの観念は,自分の身体を刺激する外部の物体の本性よりも,自分自身の身体のそのときそのときの状態を多く示すということになるでしょう。
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