スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

順位戦展望&アインシュタイン

2008-06-23 19:35:39 | 将棋トピック
 16日と17日に指された名人戦第六局で羽生善治新名人が誕生。これで今期の順位戦参加メンバーが決まりました。すでに開幕していますが,ここで今期の展望をしておきます。
 まずA級。ここはだれが挑戦者になってもまた降級してもおかしくありません。ということで期待というか希望込みで佐藤康光二冠を挙げます。羽生名人と佐藤二冠は土曜の棋聖戦までで135局。しかし名人戦では対決がありません。このふたりの勝負を名人戦という舞台で見たいという意味での個人的希望。佐藤二冠は17日に初戦を戦い,最後は見事な即詰みに仕留めて好発進しています。
 B級1組渡辺明竜王と久保利明八段のふたりが有力と思います。ここは全12局という長丁場ではありますが,久保八段が連勝発進となったのは大きそうです。
 B級2組。僕が有力と思うのは3人で,橋本崇載七段,阿久津主税六段,松尾歩七段。このうち橋本七段と阿久津六段が初戦であたり,これは橋本七段が勝ちました。3回戦では松尾七段と阿久津六段が対戦します。
 C級1組で僕が最も注目するのは休場明けの宮田敦史五段。順位戦は長期にわたる戦いの上,持ち時間も長く,体力面には不安がありますが,力はこのメンバーでは上と思います。ただ順位最下位で初戦の負けは痛い。もうひとりは飯島栄治五段を上げておきますが,このクラスは大混戦になりそうな予感がします。
 C級2組は人数も多く,昇級の3人をぴったりと当てるのは至難の業でしょう。僕が注目するのは豊島将之四段,糸谷哲郎五段,佐藤天彦四段の3人です。このうち,豊島四段と佐藤四段は白星スタートでしたが、糸谷五段は負けてしまいました。
 これも展望があれば書き込んでおいて下さい。終了後の3月に回顧しますので,そこで取り上げます。

 明日は富山記念の決勝です。並びは松田-石毛で東日本,村上-志智の近畿中部,松崎-有賀の北陸,三宅-井上-西村の中国四国。これは石毛選手が狙い目かも。

 電子あるいは光の運動と位置に関する結論に敢然と反旗を翻した物理学者がいました。それがアインシュタインです。このあたりのことは,今回のテーマそのものとは直接的に関係するわけではないのですが,スピノザの哲学全体との関係で興味深いエピソードですので,ここで紹介しておくことにします。
 アインシュタインがこの量子力学の結論に不満を感じたのは,電子の位置が確率でしか表すことができないとされたからでした。アインシュタインは,何らかの公式を用いることによって,これをきちんと示すことができる筈だと考えたのです。
 アインシュタインがこのように考えた背景には,自然というのはある必然性,ないしは法則によって貫かれているものであるから,そうした法則というものを発見することができれば,どんな事柄も正しく示すことができるというアインシュタイン自身の信念がありました。この信念は,物理学的のもの,あるいはもっと広く科学的なものというより,哲学的なものであるといえるかと思います。
 実はアインシュタインは,同じユダヤ人ということもあったと思いますが,スピノザ哲学の信奉者でした。あるいはスピノザ主義者であったといっていいかもしれません。アインシュタインの信念の背景には,たとえば『エチカ』でいうなら,第一部定理二九の,自然のうちには偶然なものはなく,すべてが神の必然性によって決定されているという考え方があったといえるでしょう。このことからアインシュタインは,電子の位置にも確率のような偶然性が入り込む余地はないと考えたわけです。
コメント (3)
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