スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

ニーチェの感性&自然学①補助定理三の意味

2006-04-21 22:55:59 | 哲学
 スピノザは蜘蛛が好きだったという話を前にしましたが,ニーチェは『アンチクリスト』の中で,スピノザと蜘蛛を絡めた記述をしています。面白いので抜粋してみましょう。「諸君はじつに久しい間神の周りに蜘蛛の網を張りめぐらしてきたわけだが,諸君の動きによって神は催眠術を掛けられ,自ら蜘蛛となり,自ら形而上学者となり果てた。さてこそ今や神さまは,御自身の体内から再び世界を紡ぎだした。-「スピノザの相の下に」。ニーチェはスピノザを読んでいましたし,ニーチェの哲学に対してスピノザの影響があったということも否定できないでしょう。あるいはニーチェはスピノザが蜘蛛が好きであったということを知っていたのかもしれませんが,ここでスピノザがいう神を(とくにこれはエチカを意識していると思われます)蜘蛛に比喩したニーチェの感性は,鋭いものがあると思います。
 競輪は明日から高知記念。決勝は25日です。

 自然学①補助定理三は,物理学でいう慣性の法則のようなものと理解してよいでしょう。つまり,静止している物体は何らかの作用を受けるまでは静止し続け,ある運動をしている物体は何らかの作用を受けない限りはその運動をし続けるというのは、物体が運動を開始するために,あるいは物体がなしている運動が変化するために,それ自身とは別の原因を要するというのと同じ意味だからです。だからこの補助定理の内容は,エチカにあっては証明されるものではありますが,この観点からみて,そこに疑う余地のないものでもあるのです。
コメント (3)
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