EL34PPmonoの出力管にそれぞれカソードパスコン(Ck)を取り付けた。
このコンデンサの音質への影響は大きい。これが付くとどうも音が人工的になった感じがして嫌だった。
しかし先日の時定数~NFBの事を本で読んで新しいことが分かった。
Ckを付けないと電流帰還が掛かり歪が減る代わり出力が減る。
Ckが有ると電流帰還:多分コンデンサで交流を遮断 が掛からないので出力が上がる。
のだが、ここからだ。
Ckが無くて良いのは出力管が無歪の時なのだがそんなことは無く、若干偶数歪が発生、これがカソード抵抗(Rk)に流れ、この両端に電圧が発生する。そのためグリッド抵抗(Rg)に歪が流れ循環してしまう。とかなんとか。
ここで出力が上がる、と、歪が減る、という表現だが、パワーアンプは出力を測定するのに歪み5%を条件として出力を測るので、結局は同じことを言ってるのだが、なんか釈然としない。
Ckが無い時は歪が多いので(5%基準では)出力が取りづらい。それにNFB有りのため出力下がる。
Ckが有る時は歪が少ないので出力が取れる。それにNFB無しのため出力上がる。
どちらが良いのか?
そりゃあ歪が少なく出力が取れる方が良い。と言う訳でCkは有りとなる。出力がCk有りと無しでは同じ歪率ではありの方が出力が取れるのだから。
一般的な解釈だと思う。第一私はCkの無いアンプを見たことは無い。
の、だ・け・れ・ど・も、Ckは無い方が音が良い。
現に今も鳴らし始めているのだが、やっぱり電解の音がする。Ck無かった方が、自然では無い、純でもないが、無添加でフィルターを通さない音。この言葉が合うように思う。あの方が良かった。
まあ、往々に私の一般とは違う解釈は間違っていたので、今回はこれで行こうと思う。
例えば規格を超えた方が音が良い、ということ。
真空管をキリキリマイさせた方が音が良いのでは?と思ってたが、音質の変化は分からなかった。真空管は三か月しか持たなかった。そういや前の真空管は大分使ったとはいえ2~3日でだめになった。とどめを刺してしまった。音質は他の段の動作等の方がよっぽど影響ある。
まずは、この動作をしっかり押さえる。
パーツ交換はそれからだ。
そういう事なんだ。
・・・ずいぶんかかったな。
だんだん音が馴染んできた。
Ck無しの音が懐かしい。やはり今の音は一回りか二回り、音場の狭い音だ。
しかし、これで音を詰めていく。
ついでに言うと、最近はあの八王子で聴いた音、あれを追いかけるのは考えなくなった。
諦めた?いやそうじゃない。
あの音はあの音、私の音は私の音。
というのは一時期無機質で線の細い音と思ってた。それが電源タップをオヤイデのOCB-1EXにしたころから音に肉がついてた。あんな音を求めなくても良いじゃないか。DS-3000の音を目指そうではないか。
そう思えてきた。
とにかく個性不要、余計なものを取り除く。
これで音楽が聴ければ最高じゃないか?そんな風に思えてきた。
いつもそこにはビクターのSX-900spilitが脳裏に出てきてしまう。これを買っちゃえば話は早いんだが。でもそれ買うならオンキョーのScepter5001だな。あれは多分ブックシェル型というか、箱に三つユニットが入ったものでは最高だと思う。もしくは2S-3003。
あいつ(SX-900spilit)はユニットが一個少ないにもかかわらずDS-3000の1.5倍の値段だ。にもかかわらず対抗意識を燃やしてしまう。あいつを超えたかな?まだかな?
そんな事を考えながら聴いている。
超えた音はどんなだか、そんなものは分からない。あの純粋な音楽を奏でる音は超えられないかもしれない。超えるとすれば音場、レンジ感、音の量感、そのようなものかな?なんて思う。
まあ、でも良いところまで来た。
あとは実在感というよりリアルな音か。まあ、Ck無しの音を目指してからだと思うが。