なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

間質性肺炎+心不全

2019年01月21日 | Weblog

 昨日の日曜日は循環器科の若い先生が日直で、2名の心不全患者さんが入院になっていた。

 そのうち一人78歳女性は、昨年12月に内科に入院していた。内科の若い先生(内科専攻医)が担当して、入院した時に相談された。もともと間質性肺炎があり、その時は間質性肺炎の増悪ではなく、細菌性肺炎の併発だと思うが、それでいいかという相談だった。画像をみるとそれでいいと思われて、実際に抗菌薬投与で改善して退院になった。

 両側肺野に中枢側有意な陰影が広がっていて、まあ今回は炎症反応の上昇はなく、BNPが上昇(ふだんの100前後が571に)しているということも参考にして、心不全の悪化と判断された。画像だけで判断するのは難しく、前の画像との比較や血液検査の結果と合わせての判断になる。

 炎症反応(白血球数・CRP)とBNPは必ず見るとして、KL-6やSP-Dは外注検査ですぐには結果がわからないのでLDHをみる。胸部X線だけではわからないので胸部CTも必ず見る。それでも間質性肺炎の増悪?、細菌性肺炎の併発?、心不全の併発?と悩むことになる。

 入院後は利尿薬投与(ラシックス静注)で充分な排尿があり、症状軽減していた。入院後の上昇するかとも思ったCRP上昇は再検でもなく、感染症ではないようだ。

 もう一人は80歳代後半の女性の心不全で、血圧が低下して腎不全もある。どこまで治療するかという家族との相談では、徹底的に治療する方針(気管挿管人工呼吸+心臓マッサージも)となっていた。なかなか大変だ。

 

 県のインフルエンザ警報が出て、職員のインフルエンザ罹患もちらほら見かける。大抵は子供から看護師である母親にうつったというケースで、院内感染ではない。

 

 

 

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わからない胸痛

2019年01月20日 | Weblog

 糖尿病で通院している83歳女性が、左側胸部痛を繰り返した。原因がよくわからない。

 昨年9月に左側胸部痛で受診した。秒単位の電撃痛を繰り返していた。胸部X線・心電図は異常がなく、性状からは神経痛と判断された。鎮痛薬のみ処方して帯状疱疹の発疹が出現するのを待つことにしたが、2日後に再受診した時にも発疹はなかった。無疱疹性帯状疱疹として、バラシクロビル3000mg/日を処方して経過をみて、約1週間後には疼痛が消失した(アセトアミノフェンとNSAIDも併用していた)。

 昨年12月末に左側胸部痛でまた受診した。やはり電撃痛を断続的に繰り返して、9月の時とまったく同じ性状だった。帯状疱疹はない。胸部X線・心電図に、胸部CTも行ったが異常は認めない。今後は最初からバラシクロビルを処方したが、疼痛は続いて、年末年始の休み中で入院を希望したので入院とした。外来で処方したアセトアミノフェンとNSAIDは継続として、それでも疼痛が続く時はトラマールなどを追加するつもりだったが、結局10日間で疼痛は軽快した。

 無疱疹性帯状疱疹という判断もあやしくなったが、何だかわからない。糖尿病の治療はDPP4阻害薬と持効型インスリンのBOTで、HbA1cが7.3%(7%台前半で推移)だった。まあまあの血糖コントロールと思う。以前はインスリン強化療法だったが、年齢的にも簡易的な治療にしていた。

 宮田先生の「一発診断」の本には、胸痛の鑑別診断として、糖尿病性体幹性神経根障害という病名があった。異常感覚も伴うようで、合っているような気もするが、一定期間で治まっているのは違うのではないか。今後の経過をみるしかない。

 

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ゾフルーザはXO

2019年01月19日 | Weblog

 昨日は医師会の講演会に行ってきた。新規抗インフルエンザ薬の話で、講師は東北医科薬科大学の関雅文先生。ゾフルーザ・ラピアクタを販売している塩野義製薬の共催だった。専門の先生にゾフルーザの話を聴きたいということで、開業医の先生方が多数出席していた。

 今年はインフルエンザA型のN1H1pdm09(新型インフルエンザ)が72.6%、H3N2が24.5%と、単純な流行状況になっている。H1は若い人が罹って高熱になる、H3は高齢者が罹ってあまり高熱にならないという特徴がある。昨年(2017~2018)はA型B型同時流行パターンで、むしろB型の方が少し早く出た。

 沖縄など暖かい地域では夏でもインフルエンザに罹ると言われていたが、東北でも冬に限らず、春夏秋もインフルエンザが発症している。お盆の時期に学級閉鎖になったこともあるそうだ。気道分泌物(ムチンなど)付きなら湿度に関係なく、新鮮なウイルスでも1時間放置ウイルス(agedという)でも感染性がある。

 年少者では脳症が、高齢者では肺炎が危険だが、圧倒的に後者の問題が大きい。インフルエンザ関連肺炎は、原発性(ウイルス性)よりもウイルス性+細菌性の混合型、さらには二次性細菌感染型の頻度が高い。日本呼吸器学会ではインフルエンザ・インターネット・サーベイを行っていて、重症インフルエンザは70~80歳代が多い(前後の60歳代、90歳代も多いが)。重症になるほど治療は難しいので、ワクチンによる予防や早期診断・早期治療が重要だ。

 抗インフルエンザ薬の使用指針(2014年改訂)では、入院の重症と肺炎合併ではオセルタミビル(タミフル)とペラミビル(ラピアクタ)を使用、入院の肺炎合併なしと外来ではオセルタミビル・ラニナビル(イナビル)・ザナミビル(リレンザ)・ペラミビルの4剤を使用となっている。

 小児科医はB型に効果がある、ザナミビル(リレンザ)を使用しているそうだ。60歳以上では30%でペラミビル(ラピアクタ)が使用されていて、以前インフルエンザで入院した既往があったり、体力がなさそうな高齢者ではペラミビルをお使い下さいということだった。

 重症インフルエンザにおけるNA(ノイラミニダーゼ)阻害薬の早期導入効果の点では、48時間以内の使用が望ましい。NA阻害薬の併用は単剤使用と変わらない。(重症ではラピアクタ+ゾフルーザ併用はあるという)

 さて(満を持して)パロキサビル マルボキシル(ゾフルーザ)の話になる。インフルエンザウイルスは宿主(人)のmRNAを切断して、そこにウイルスmRNAをくっ付けて増殖していく。ゾフルーザはウイルス特有のキャップ依存性エンドヌクレアーゼを選択的に阻害して(宿主のmRNAの)切断を阻止する。要するに、人のmRNAがウイルスmRNAに乗っ取られないようにしてウイルスの増殖を抑制する。

 ゾフルーザのインフルエンザウイルスに対する増殖抑制作用は、他のNA阻害薬と比べて、1桁から2桁上まわっている。タミフルはB型に弱いが、ゾフルーザはB型にも強い。ゾフルーザはタミフルに対して、インフルエンザ罹病期間は非劣性、つまり同等という結果が出ている。しかしこれは咳・痰など7項目の症状で判断したためで(気管支炎の症状は残る)、重要な症状である発熱に限れば有意差が出ている。ウイルス力価陽性患者の割合ではタミフルを上回っていて、感染力を低下させる(周囲に感染が広がらない)。ウイルス排出停止までの時間が短くなれば、発症後5日間は休むという規定も変わるかもしれないという。ゾフルーザの副作用は下痢くらいであまり問題にならないそうだ。変異の問題についてはちょこっとだけ話が出た。

 ゾフルーザXOFLUZAは、インフルエンザにXO(熟成7年以上のウイスキーに付いているあのXO Extra Old)を付けたネーミング。関先生は実際に重症患者を自分で診療しているので、評論家的な感染症科医のように症例を選んで使用しましょう的な話はしない先生だ。

 

 昨年末に塩野義製薬が当院で医局説明会を開いて、ゾフルーザの宣伝をしていた。通常新薬は1年間状況をみてからということが多いが、複数の先生方から使ってみたいという声があった。薬事委員長をしている先生からも、自分が出すのもはばかられるので、申請を出してほしいと言われて、とりあえず臨時薬として入れることになった。

 今年になってインフルエンザが流行りだしたが、日直当直の先生方がゾフルーザをどんどん処方していた。特に大学病院からバイトに来ている先生方の処方が多い。開業医の先生方も処方していて、テレビでも取り上げられているので患者さんからも言われるそうだ。

  塩野義製薬の話では出荷制限になりそうなくらい生産が追い付かず、24時間体制で操業しているという。今シーズン使用されて、評価が定まるのだろう。

 

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急に苦しくなる人

2019年01月18日 | Weblog

 内科外来に78歳代の男性が高血圧症・高尿酸血症で通院していた。アルコール性肝障害とCOPDもあり、節酒・禁煙を勧めたが、「こればっかりはやめられません」と言い続けていた。

 息切れの訴えはなかったが、そのうち両側下腿の浮腫が出現した。検査の結果はCOPDによる右心不全だった。利尿薬少量で浮腫は軽減していたが、今度は洞性徐脈が続いた。

 循環器科に相談して、入院精査になった。プロタノール(イソプロテレノール)の点滴静注で経過をみて、プレタールの副作用(心悸亢進)を逆用した内服に変更された。心臓ペースメーカー植え込み術は見合わせとなり、その処方で経過観察となった。

 

 循環器科通院になっていたが、そのうち発作的な呼吸困難感を訴える様になって、呼吸器科外来(大学病院からのバイト)に紹介された。COPDがあり、発作的な呼吸困難感ということで、喘息に準じてICS/LABAのレルベア吸入が開始された。

 それでも発作的な呼吸困難は続き、救急外来を何度か受診した。受診時には症状が軽減しているが、酸素飽和度が低下しているわけでもなく、喘鳴が聴取されるわけでもない。

 その後夜間の救急外来を受診した時に、当直医から連絡が来た。「特に悪いようでもないが、またすぐ受診するようになるのでぜひ入院させてほしいと言っています」、ということだった。入院してもらうことにした。

 症状は発作的に起こり、何でもない時もなりそうな不安感はある。パニック発作のようでもあるが、失礼ながらそういうキャラクターには見えない。

 器質的疾患を疑って、苦しいのは喉のあたりというので、耳鼻咽喉科外来で診てもらった。喉頭にごく軽度の発赤があるが、有意かどうかという。逆流性食道炎を疑って上部内視鏡検査を行うと、食道炎の所見はあった。訊けば胸やけを感じることもあるという。タケキャブを処方してみたが、あまり効いたようでもない(処方は継続)。

 うつ状態・パニック障害を疑って、SNRI(サインバルタ)を処方して経過をみているところだ。ご本人は入院していると安心感があるので、もう少し入院させてほしいという。案外デリケート?。入院していると酒もタバコもダメだが、それは気にならないらしい。

 

 

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COPD急性増悪

2019年01月17日 | Weblog

 昨日は内科の若い先生(内科専攻医)が内科新患を担当していた。内科クリニックからCOPD急性増悪の70歳男性が紹介されてきた。アドエア吸入が処方されていたが、一昨日に喘鳴がひどくなって受診していた。デカドロン点滴静注(mg数は記載なし)を行ったが、改善しないと記載されていた。

 当院受診時は、酸素5L/分で酸素分圧と二酸化炭素分圧がどちらも50mmHg台だった。デカドロン注(正確にはそのジェネリック)を行って、若干喘鳴が軽減して、酸素飽和度が酸素2~3L/分で90%台まで改善していた。

 1日40本を50年の喫煙者で、「タバコはやめた」と言っていたが、「いつからですか」と訊くと「つい最近」と答えた。これまでも喘鳴があったので、ACO(asthma and COPD overlap)だった。胸部X線・CTで気腫騎性変化があり、一部に淡い斑状影があり、CRPも軽度だが上昇していた、感染症併発による増悪と判断された。

 入院して、デカドロン注・ネブライザー・抗菌薬(セフトリアキソン)で経過をみることになった。数日ステロイド点滴静注を行って、漸減中止できれば(2日おきくらいに8mg~4mg~2mgなど)、あとは吸入ステロイド(ICS/LABA)のみとするが、こじれるとプレドニン内服に切り替えてゆっくり漸減中止にしている。

 アドエアは同メーカーのレルベアに変更してもいいかもしれない。紹介してきた内科クリニックでも最近はレルベアを使用していて、アドエアが処方されているのはずっと以前からの処方のままになっていたと推定される。

 禁煙しても肺機能は改善しないが、急性増悪は起こりにくくなるはずだが、できるかどうか。

 

 今日は、一昨日に基幹病院から転院してきた間質性肺炎の86歳女性の家族に来てもらった。入所していた施設をどうしましょうかと訊かれたが、施設で過ごせる見込みがないので、いったん退所してもらうことにした。

 当院で1か月くらい経過をみて、安定していれば療養型病床のある病院と交渉する方針とした。当院入院中に原疾患の悪化・心不全の悪化・細菌性肺炎の併発で終わってしまうかもしれない、ともお話した。病状悪化時はDNRとした。

 来たのは息子のお嫁さんで、夫は先生にお任せしますと言っていましたという。認知症の徘徊で困っていて、1年前にやっと施設に入所したという経緯だった。幸いにというか、自宅が地元の療養型病床を持つ町立病院のすぐ近くで、転院依頼はその病院にすることにした。

 

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高齢者の間質性肺炎

2019年01月16日 | Weblog

 昨日は地域の基幹病院呼吸器内科から間質性肺炎の89歳女性が転院してきた。酸素2L/分で入院継続が必要だった。

 老人保健施設に入所していたが、昨年12月に呼吸困難となり、救急搬入されていた。両側肺野に間質性陰影を認めて、心不全ではなく、間質性肺炎と診断された。ステロイドパルス療法で陰影が軽減したという。パルス療法が効くという保証はないので、効かない時は助からないという話をしていたはずだが、幸いに効いたようだ。

 現在はプレドニン20mg/日が投与されていた。今日胸部X線・CTを確認したが、間質性陰影は軽減していたが、胸水貯留があり、心不全としては利尿薬の増量を要する。

 おそらくもともとあった糖尿病が、ステロイド投与で悪化していた。前医ではヒューマリンRのスケールを使用していて、本格的な治療にはなっていなかった。アクトスの処方があり、施設で処方されていたのを継続していたのだろう。利尿薬(フロセミド)の処方と矛盾するのでこれは中止にした。

 しばらく当院で経過をみるが、プレドニンはそのままの量で継続しても、再度増悪する可能性があり、その時はパルス療法をしても効かないかもしれない。安定していれば、療養型病床のある病院へ転院できるかもしれないが、もう施設に帰すのは無理だろう。

 

 かなり前にやはり施設に入所していた90歳代の女性が間質性肺炎で当院に搬入された。他院紹介は希望されず、当院でステロイドパルス療法を行って一時的に症状軽快した。2回目の増悪時もパルス療法で軽減して、結局3回目の増悪の時に亡くなっていた。

 ステロイドパルス療法は、効くも八卦効かぬも八卦の印象があるが、専門的にはどうなのだろうか。

 

 

 

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骨挫傷

2019年01月15日 | Weblog

 56歳男性が左股関節痛で内科外来を受診した。左股関節部の疼痛がひどく、家族の話では自宅で寝たきり状態になってしまったという。今日は同居している母親とケアマネが付いてきて、車いすで診察室に入ってきた。

 この方はもともと精神遅滞があり、さらに右中大脳動脈領域の広範な脳梗塞で、左半身不全麻痺(上肢はほぼ完全麻痺)がある。頭部CTで見るとビックリするくらいの後遺症だが、何とか自力歩行できていた。

 昨年12月21日に転倒して、左臀部から大腿部を打撲した。救急外来担当の外科医がX線検査をして、骨折はなかった。相談された整形外科医がCTで確認したが、やはり骨折はなかった。打撲として鎮痛薬が処方されて帰宅した。

 診察したところでは(下肢を持ち上げて動かした程度だが)骨折しているようでもない。元々のADL低下が打撲によって悪化したのかとも思った。頑張って動こうとするような意欲は感じられない方だから。

 ヒビ程度の軽度骨折があるのかもしれないと思い直して、MRIで確認することにした。MRIでは左大腿骨頭にT2WIで高信号が描出された。これは骨折ではなくて、何だろうか。

 整形外科医に診てもらうと、「骨挫傷」ということだった。画像が決め手となって(打撲程度では入院にしていないから)、整形外科入院でリハビリを行うことになった。手術の適応はないと言っていたが、骨頭壊死にまでなれば考慮するかもしれない。

 骨折がなくても長引く骨の痛みがある時は骨挫傷の可能性があるということらしい。

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血球減少

2019年01月13日 | Weblog

 昨日の当直帯に入ってすぐに内科医院から32歳男性が紹介されてきた。

 1月9日から高熱があり、11日に内科医院を受診した。インフルエンザ迅速試験は陰性だったが、流行していることから臨床的にインフルエンザと診断して、抗インフルエンザ薬のゾフルーザを処方した。合わせて、メイアクト・カロナールも処方していた。

 患者さんが自宅で内服して、その2時間後に全身(主に体幹)の発疹(紅斑)に気づいた。翌12日に受診して、薬疹疑いとされて、カロナールだけ内服するように指示された。その時に血液検査を行っている。13日(日)に血液検査の結果がきて、肝機能障害を認めたため、たぶん患者さんを呼び出したのだろう、当院に紹介となった。

 当直の外科の先生から連絡を受けて診に行った。咽頭痛はほとんどなく、咽頭は軽度発赤のみで白苔はなかった。リンパ節腫脹は明らかなものはなかった。CTで確認すると、肝脾腫があるが、肝臓内・胆道系に異常はなかった。肝細胞型+胆汁うっ滞型の肝機能障害だった。白血球2500・血小板6.3万と減少していた。

 肺炎や尿路感染症はなく、細菌感染巣は指摘しがたい。血液培養2セットは提出したが、発熱は何らかのウイルス感染と思われた。肝機能障害・発疹は薬剤性肝障害・薬疹の可能性もあるが、全体がウイルス感染と考えれば伝染性単核球症様となる。連休明けにEBV・CMV(・HIV?)の抗体検査を提出することにした。

 入院の指示を出した後に、血球減少が気になって、血清フェリチンを提出すると5640と著明に上昇していた。単なるウイルス感染ではなく、血球貪食症候群をきたしているのでは?。骨髄検査が必要だ。

 今日も高熱は続いている。発熱以外のバイタルは安定しているのと、今日は休日で紹介も難しい。明日血液内科のある病院に連絡することにした。

 

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インフルエンザ流行ってます

2019年01月13日 | Weblog

 今日は日直で病院に出ている。市内の休日当番医が小児科クリニックなので、小児の受診は少なかった(それでも病院に連れて来られる小児はいるが)。

 感冒症状・高熱での受診が多く、インフルエンザA型だった。職場や学校の教室にインフルエンザの人がいたといって受診してきた患者さんには、外来看護師さんがあらかじめインフルエンザ迅速検査をしてしまうという、良い子は真似しないでくださいの診療になっていた(指示はしていないので慣習的な対応)。県内にインフルエンザ注意報が出ている。

 

 夜間休日は対応していない町立病院のある町の施設から、92歳女性が救急搬入されてきた。施設の看護師さんが、朝に意識レベルが低下して、酸素飽和度も低下しているのに気付いた。酸素吸入を開始したが(設備があるらしい)飽和度が上がらず、救急要請した。地域の基幹病院に12月31日から1月11日まで入院していたが、今日は受け入れ困難で、当院に搬入依頼が来た。誤嚥性肺炎と思われたので、当院向きの患者さんだと思って引き受けた。

 搬入されてみると、四肢に浮腫があり、末梢にチアノーゼがあった。飽和度だと低いが、酸素分圧でみるとそれほどではなかった。血圧も保たれていた。検査すると、明らかな肺炎はなかった。尿混濁があり、感染があるとすれば尿路感染が疑われた。肝内胆管に空気があり、腹腔内・胆道系の感染も疑われたが、肝機能検査は正常域だった。培養検査を出して、抗菌薬を投与して経過をみることにした。

 「年末から入院していましたが、どんな診断名でしたか」と家族(娘)に訊くと、「全体的に悪い」と言われましたという。確かに今回も全体的に悪いとしか言いようがない。血清乳酸が高値だった。超高齢であり、できるだけの治療はするが、病状が悪化した際にはと、病状悪化時DNRのお話をして入院にした。

 救急室から病棟に上がる前に四肢のチアノーゼが広がってきていた。病棟に上がってしばらくすると、心拍数が低下してきましたと連絡が来た。病室に行ってみると。すでに自発呼吸は停止している。脈拍も触知しない。心電図上は波形が出ていたが、PEA相当だった。娘さんに説明して、その後30分経過をみて、完全に心停止になったところで死亡確認になった。

 

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骨盤骨折

2019年01月12日 | Weblog

 昨日の午後に関節リウマチで内科外来に通院している86歳男性が、転倒後の右臀部痛で救急搬入された。関節リウマチで当方の外来に通院しているのは現在この方だけで、貴重な症例ということになる。

 5年前に、リウマチ膠原病科のある病院からの紹介で当院内科を受診した。高齢になってきて、病状も安定しているので近くの病院へ紹介したいということだった。

 メトトレキサート4mgを週に1回内服している(翌日に葉酸フォリアミンを内服)。他にNSAID(セレコックス)とプレドニン2mg/日も処方されていた(プレドニンはその後中止)。

 それまで関節リウマチの患者さんがあまり来ていなかったこともあるが、メトトレキサートを処方したことはなかった。初診で関節リウマチの患者さんがいても、リウマチ専門医のいる病院に通院できれば紹介していた。その後、整形外科で週1回半日のリウマチ外来が始まって、今のところ継続している。

 救急当番は外科医で、CTで右骨盤骨折(恥骨前後枝)と判明した。臀部痛で動けないため整形外科に入院となった。骨盤骨折といえば出血による貧血だが、ふだんのHb13.0~13,7g/dlが12.2g/dlになっていた。時間経過とともにもっと下がると予想される。それにしてもCTの3次元表示はきれいだ。

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