なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

間質性肺炎

2018年10月18日 | Weblog

 火曜日の夕方に内科に若い先生(地域医療研修の内科専攻医)から相談された。90歳男性が山間の診療所から紹介されて来ていた。微熱があり陰影が増加している疑いがあるという内容だった。

 今年の8月に間質性肺炎で当院の呼吸器外来(大学病院から週1回)に紹介されていた。その時の胸部CTでは、両側肺に胸膜下を中心に間質性陰影が認められた。室内気で酸素飽和度は正常に保たれており、経過観察となった。ただ血液検査はKL-6とSP-Dしか提出されていなかったので、炎症反応の程度・生化学検査(LDH)・リウマチ膠原病マーカーは不明だった。

 今回も胸部X線だけでは判定しがたいので、胸部CTも行っていて、間質性陰影の悪化はないように見える。左下肺背側に斑状のすりガラス様陰影が新たに出現しているのが相違点だった。白血球数10000・CRP6.5。LDHは正常域。室内気で酸素飽和度は正常域にある。

 若い先生は、まず細菌性肺炎として治療して経過をみることにしたいというので、同意した。セフトリアキソンで軽快すれば簡単だが、どうなるか。間質性肺炎の急性増悪は、呼吸器科医のいない当院では診られないので紹介になる。

 

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座位で捉まえた遊離ガス

2018年10月17日 | Weblog

 昨日は内科当番だった。当直は大学病院からバイトに来ている外科医(女性医師)で、時間外になってすぐに救急要請がきていた。話ぶりからすると交通事故の搬入要請だった。これは外科か整形外科になるので、そのまま帰宅した。ひとりくらいは内科入院の連絡が来るだろうと思っていたが、結局連絡は来なかった。

 今日病院に来て、昨日の当直帯の受診を確認した。87歳男性が意識レベル低下で救急搬入されていた。腹痛は訴えていなかったが、腹部に筋性防御ありと記載していたので、診察所見で腹膜炎を疑ったようだ。

 立位はとれないので、座位で胸部単純X線を撮影していたが、胃泡に接して遊離ガスが写っていた。これさえ捉まえれば、方針は決定される。

 腹部造影CTで腹腔内遊離ガス像を確認して、後は消化管のどこが破れたかになる。S状結腸に接して少量の遊離ガスがあり、その肛門側にS状結腸が疑われた。夜の緊急手術が行われた。

 今日外科医に訊いたところ、S状結腸癌があり、癌そのものではなく、その口側で穿孔を来していたそうだ。

 消化管穿孔が疑われて、立位がとれない時は、左下デクビタス(右だと胃泡と重なるので左)で撮影することになっているが、座位でもちゃんと写るのだった。

 最近は腹痛で痛がっていても、(ショックでなければ)すぐ終わるから頑張って一瞬だけ立位になって、とお願いして立位で撮影している。腹部CTをとればわかるが、単純X線で遊離ガスがあれば即外科に連絡するので、診断治療の流れは速い。

 今回は血圧が低下して(99/77)、意識レベルも低下しているので、立位は不可能だ。それにして夜間緊急手術の外科医は大変だ。年齢を考えると術後管理も順調にいかないかもしれない。

 

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医療安全

2018年10月16日 | Weblog

 昨日は専門医共通講習「医療安全」があり、夕方早退して医療センターに行った。講師は同院の前医療安全管理室長の外科医師(膵炎の外科治療で有名な先生で、久しぶりにお顔を拝見した)。定年退職して、現在は診療報酬支払基金におられる。

 医療安全全般について話をすることになっているそうで、駆け足の講演だったが、Fool proof(フールプルーフ)Fail safe(フェイルセーフ)の話が興味深かった。

 Fool proofは「そもそもミスできない設計」になっていること。配管接続で酸素と空気は穴の形状が違うので、間違えていたら接続できない。またNGチューブ用のシリンジは、点滴ラインに接続できない形状になっている。これは以前は接続できたので、NGチューブから注入する薬剤を点滴ラインから静注するという事故が起きていた。

 Fail safeは「ミスしても安全」になっていること。医療機器を誤った使用法で操作しようとした時に、自動的に機能を停止するようにする。併用禁忌薬をオーダーした時に「アラート」が出る。

 あとは有名なハインリッヒの法則1つの重大事故(の背景)には、29の軽症事故、300のインシデント(ひやり、はっと)がある

 まあ興味をもったところだけしか理解しないというのは、バイアスがかかった受講態度?。

 

 昨日の午後に、内科医院から肺炎の74歳男性の入院治療依頼が来ていた。出かけるので、もう一人の内科の先生にお願いすることになった。今日画像を確認すると両側のけっこうな肺炎(誤嚥性か)だった。4年前に脳梗塞で神経内科に入院した既往がある。高血圧症・糖尿病(HbA1c7.1%)もある。

 その時のMRI・MRAを見ると、右内頚動脈・中大脳動脈、右後大脳動脈が閉塞していて、右後大脳動脈領域の脳梗塞をきたしていた。両側肺炎だが、酸素吸入2L/分くらいで酸素飽和度は保たれていた。後大脳動脈領域の脳梗塞を見ることは割と少ない。

 朝病院に来る途中のラジオで、昨日深夜に当地の道路を横断していた50歳代男性が車にはねられて重度の頭部外傷を負ったというニュースが流れていた。昨日はその内科のもうひとりの先生が当直だったので訊いてみた。救急隊から連絡が来たが、意識も悪く頭蓋内出血・損傷が確実にあると判断されたので、脳外科のある地域の基幹病院に連絡するよう伝えたそうだ。

 

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また下痢

2018年10月15日 | Weblog

 10月4日初診で6日に入院した感染性腸炎の45歳女性は、症状軽快して9日に退院した。便培養(スワブの直採)は陰性だった。治まったはずの下痢が退院後にまた続いて、今日内科外来を受診した。食事をすると嘔吐することもあるというが、入院した時のようではない。入院した時のCTでは小腸に腸液貯留があったが、腸管壁肥厚は目立たなかった。画像では小腸型になり、長引かないはずだが。

 

 先週丸善で臨床画像10月号「さまざまな腸疾患の画像診断」に感染性腸炎の画像診断が載っていたので購入した。感染性腸炎でCT(特に造影CT)を行うのは、1.ほかの急性腹症の除外、2.感染性腸炎の合併症の診断、3.感染性腸炎の質的診断(原因菌の推定)。

 1.ほかの急性腹症の除外

 重症虫垂炎や胆嚢炎・消化管穿孔などの二次的炎症波及による腸管壁の肥厚、不完全な腸閉塞や憩室出血による腸管内液体貯留物は感染性腸炎と紛らわしい。

 2.感染性腸炎の合併症の診断。

 合併症は穿孔、腸閉塞、腸重積、出血、中毒性巨大結腸症。

 3.感染性腸炎の質的診断(原因菌の推定)

 1)小腸型(主に近位小腸) 

 ノロウイルスやロタウイルスなどのウイルス感染、黄色ブドウ球菌やコレラなどの生体外毒素産生型の細菌感染。小腸粘膜上皮表層の障害。下痢嘔気・嘔吐が主症状。血便や粘血便は生じない、または軽度。小腸は腸液で軽度拡張して腸管壁肥厚は目立たない

 2)大腸型(主に遠位小腸~大腸)

 カンピロバクター、サルモネラ、腸管出血性大腸菌、クロストリジウム、赤痢アメーバなどの組織侵入型、生体内毒素産生菌型の細菌感染。腸粘膜上皮細胞より深層が障害。血便や粘血便を生じることが多い。腸管壁肥厚が目立つ

 3)穿通型(主に遠位小腸~回盲部)

 エルシニア、腸チフス、パラチフス、結核など。腸粘膜のより深部に侵入してリンパ装置を介して(リンパ節腫脹)全身へ広がる(菌血症)。

 

臨床画像 2018年 10 月号 [雑誌]

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感染症ジョイントセミナー

2018年10月14日 | Weblog

 10月13日~14日と「あべの感染症セミナ&21世紀適々斎塾 感染症ジョイントセミナー」に参加している。

 新幹線新大阪駅から御堂筋線で天王寺駅まで来た。観光する時間的余裕はなく、「これがあべのハルカスか」で終わり。個人的に、学会・セミナーの参加は東京開催だけにしているので、大阪まで行くのは例外中の例外だ。

 21世紀適々斎は年間10回のセミナで40万円。開業医の先生方のためのセミナーなので実践的な内容になっている(ホームページを見る限り)。金額は問題ないが、大阪まで行くのは時間的に難しい。今回のような定期のセミナー以外の特別セミナーが時々あって、空きがあれば参加できる。もし都合がつけば今後も来てみたい。今回の参加費は15000円で安かった。まあ交通費が約5万円かかるが。

 

 

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洞不全症候群(徐脈頻脈症候群)

2018年10月13日 | Weblog

 10月3日に記載した92歳女性のその後。

 9月末の金曜日夜間に肺炎(尿中肺炎球菌抗原陽性)で入院して、抗菌薬(セフトリアキソン)投与で軽快した。その後、酸素飽和度が改善しないこと、胸部X線・CTで胸水(葉間胸水も)貯留で、心不全の悪化を認めた。 入院時は洞調律だったが、心不全の悪化時は頻脈傾向の心房細動になっていた。通院しているクリニックから抗凝固薬が処方されていることから発作性心房細動と判断された(問い合わせの返事で確認)。

 ループ利尿薬(ラシックス40mgとβブロッカー(カルベジロール1.25mg)を追加して、胸水は軽減した。入院時のBNP532が36に減少した。入院時のBNPが高値なので、肺炎を契機に入院時から心不全も悪化していたのだろう。

 肺炎も心不全も軽快して、あとは施設入所待ち(ひとり暮らし)と思っていた。夜間に心拍数が20~30台に下がったいると報告があった。ベット上安静なので自覚症状はなかった。翌日からβブロッカーは中止した。正常域から頻脈気味の心房細動になったり、洞徐脈になったりしていたが、心電図モニターで夜間に洞停止(か洞房ブロック)のpauseが入るようになった。

 昨日の金曜日に、洞不全徐(脈頻脈症候群)として心臓ペースメーカー適応を循環器科にコンサルトしたところ、やりましょうということになった(大学の心臓血管外科から来てもらうそうだ)。当院の循環器科は平日時間内対応のみなので、ぎりぎりのタイミングだった。

 心不全と徐脈頻脈と2回油断したことになる。入院時にループ利尿薬を入れなかったことと、心房細動に少量とはいえβブロッカーを入れたのが悪かった。 心房細動は、常に徐脈頻脈症候群の可能性があるのだった。

 「認知症はないと言ってしまったが、そうでもないかな」と看護師長さんに言うと、「年齢相当です」。92歳の年齢相当ってどのくらいだろうか。

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肺性心・右心不全

2018年10月12日 | Weblog

 9月末に94歳男性が両側下腿浮腫で内科新患を受診した。超高齢だが、ADLは自立していた。内科の若い先生(専攻医)が診察して相談された。

 発熱はなく、炎症反応は陰性だった。低蛋白血症・蛋白尿があり、そちらは腎臓内科(大学から週1回)で相談することにしていた。

 問題は胸水が右にだけあるということだった。心エコー検査では、三尖弁閉鎖不全Ⅱ~Ⅲ°があり、TRPG50mmHgと上昇しているが、EF64%と良好だった。気付かなかったらしいが、胸部CTをみると気腫性変化がある。長年の喫煙歴があり、現役の喫煙者だった。

 多少左右差があっても、両側にあると心不全といいやすいが、このように一側だけだと局所の問題かどうかが気にはなる。年齢もあるし、COPD・肺性心。右心不全として利尿薬で経過をみてはと勧めたが、やはり一側なのを気にしていた。

 呼吸器外来(こちらも大学から毎週来ている)で相談すると、胸腔穿刺をすることになった。ちょうど救急室にいた時に、呼吸器科の先生が穿刺をするところだった。胸水は淡黄色できれいだった。呼吸器科の先生に、「右心不全で一側にだけ胸水貯留することはどうなんでしょうか」と訊くと、「ありますね」とあっさり言われた。胸水細胞診は陰性で、抗酸菌塗抹陰性で胸水ADAの上昇はなかった。

 肺性心はあまりまとまった文献をみたことがないが、何かいいものがないだろうか(専門的過ぎるものではなく)。

 

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尿中電解質

2018年10月11日 | Weblog

 10月6日に記載した感染性腸炎・脱水症・急性腎前性腎不全の45歳女性は、入院後の点滴ですぐに症状は改善した。腎機能の改善も早かった。

 血清クレアチニンは初診の10月4日が1.05mg/dlで、入院した10月6日が5.10mg/dl、翌10月7日4.32mg/dl(3連休なので悪化してないのを確認)、10月9日0.92mg/dlと軽快していった。

 経過からは脱水症による急性腎前性腎不全としたが、腎実質性も否定はできない。もっと腎機能・電解質検査で鑑別を図る必要があるのだろう。

 

 須藤博先生の講演(若手医師セミナー、CareNeTV)を繰り返して聴いているが、なかなか理解が及ばない。とりあえず、尿中電解質の検査はわかりやすいので今後は検査してみよう。

CareNeTV
Dr.須藤のやり直し酸塩基平衡
第10回尿中電解質の使い方

General rule

 "If you don't know
 what's going on,
 always save the urine."
 もし、何がおこっているのかよくわからなかったら・・・とにかく尿をとっておけ!

尿中電解質の使い方
 Na、K、Cl、Crを測定する

 尿Na 
   volumeの指標 
   腎前性VS腎実質性
 尿(Na+K)tonicity
  浸透圧の指標(水の出納) 
  低Na血症の鑑別
 尿K 
  低K血症の鑑別診断
  腎性K喪失の有無
 尿Cl 
  代謝性アルカローシスの鑑別診断
  生理食塩液の感受性VS抵抗性
 尿Anion gap(Na+K)-Cl
  NH4+の排泄 尿酸性化障害
  尿細管性アシドーシス、下痢の鑑別
 FENa
  腎前性vs腎実質性

尿中Cr
 尿検査における”モノサシ”
 ・体内での産生量=排泄量
 ・筋肉量によってきまる
  男性 20-25mg/Kg/day
  女性 15-20mg/kg/day
  簡単に20mg/kg/dayと覚える

 ・畜尿が正確かどうかの判定
 ・g・Crの排泄量でその物質の腎でのハンドリングをみる

尿pH
 ・正常範囲4.0~7.0
 ・著明なアシドーシスがあるのにpH>6.0
   尿の酸性化障害=RTA、CKD
 ・pH8.0 高い時
   尿路感染(リン酸アンモニウムMg)の可能性(urea splitting bacteria;proteus etc.)
 ・代謝性アルカローシスの回復期
   酸性尿→pH>6.0になると過剰のHCO3-が排泄されはじめた証拠

尿中Na、FENa
 容量調節系の指標
 ・腎血流量の指標
 ・摂取量と排泄(尿細管での再吸収)
 ・尿中Na低値
  ・腎前性腎不全(乏尿)
  ・腎血流量低下:心不全、肝硬変、ネフローゼ症候群
  ・閉塞性腎症の急性期
  (<24時間)
  ・急性糸球体腎炎

尿中Cl-
 代謝性アルカローシスの鑑別診断
 
 尿Cl-<20mEq/L
  ・生理食塩液反応性(Cl-反応性)代謝性アルカローシス
 ・体液欠乏を示唆
 

 尿Cl->20mEq/L
 ・生理食塩液抵抗性(Cl-抵抗性)代謝性アルカローシス
 ・鉱質コルチコイド過剰
   

尿中K+
 低K血症の鑑別診断(これはすぐに使える
 尿K+<20mEq/L
 ・腎外性喪失を示唆
  ・下痢・下剤
  ・嘔吐・胃管吸引
 尿K+>20mEq/L

 ・腎性喪失を示唆

  ・利尿薬

  ・多尿・K喪失性腎症

尿Anion Gap(UAG)
 UAG=(Na+K)-Cl
  AG正常代謝性アシドーシスの鑑別診断
 NH4+の排泄をみている 

 尿Anion Gap負の値
 ・HN4+が排泄されている状態
 ・下痢・下剤濫用

 尿Anion Gap正の値
 ・NH4+排泄に障害がある状態
 ・尿の酸性化の障害
  ・RTA尿細管性アシドーシス
  ・CKD

尿中(Na+K)の意味
 ・"尿のtonicity"
 ・浸透圧調整系の指標
 ・血清Na濃度がどのように変化するかを予測
  ・血清Na=尿(Na+K)なら 血清Naは不変
  ・血清Na>尿(Na+K)なら 血清Naは上昇
  ・血清Na<尿(Na+K)なら 血清Naは低下
  

 

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MPA+OMAAV

2018年10月10日 | Weblog

 87歳男性を、退職した内科の若い先生から引き継いで外来で診ている。病名は高血圧症・発作性心房細動・慢性心不全など。血圧を気にしすぎて、自分で降圧薬を調整してしまって、かえって不安性になっていた。また両足の甲の浮腫が出没することも気にし過ぎるくらい気にしていた。

 いつも奥さんが付いてきていて、夫が神経質というか心気症的で頻回に受診するのを申し訳なく思っていたようだ。その奥さんは今年の5月に、通院している内科クリニックからネフローゼ症候群の疑いとして紹介されて来た。腎臓内科への紹介だったが、受診前にめまい・食欲不振で内科に入院した(担当は他の先生)。

 血清総蛋白5.9g/dl・血清アルブミン2.6g/dlと低蛋白血症があり、尿蛋白(1.59g/g・Cr)・尿潜血陽性だった。白血球数8000(ふだん4000なので倍増)・CRP5.6と炎症反応も陽性だった。腎臓内科外来(大学病院から週1回来ている)で診てもらって、MPO-ANCAが陽性だった(194U/ml)。顕微鏡的多発血管炎(MPA)として、大学病院よりは受け入れの早い腎臓センターのある専門病院に紹介となった。

 そこまでの経過は知っていたが、その後忘れていた。今日その夫が外来受診日で(妻が入院してからはずっと一人で来ていた)、妻の話が出た。食欲があリ過ぎて困るという。

 奥さんの、門病院からの診療情報提供書を確認させてもらった。当院に入院していた時から難聴を訴えていたが、ANCA関連血管炎性中耳炎(otitis media with ANCA-associated vasculitis:OMAAV)と診断されて、治療により症状が改善したそうだ。

 顕微鏡的多発血管炎(MPA)はステロイドパルス療法(メチルプレドニゾロン500mg/日)を行って、その後プレドニン内服になった。プレドニン30mg/日では尿所見の改善があまりなく、エンドキサンパルス療法も行っていた。その後は検査値も改善して、現在はプレドニン15mg/日になっている。

 確かに食欲は出そうだ。それにしも奥さんが入院してからは、この患者さん(夫)はひとりで通院していて、診察室では以前のこだわりの強い訴えは影を潜めている。家庭内での仕事も増えたようだし、精神的に自立せざるを得なかったのだろうか。

 

 

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血便

2018年10月09日 | Weblog

 先週の土曜日に76歳男性が血便で救急外来を受診した。正確には認知症があって一人では受診できないので、奥さんが連れてきた。血便自体も、奥さんがスボンに付いているのに気づいた。腹痛がないので、特に本人は気にしていなかった。

 腹部CTで上行結腸に多発性に結腸憩室があり、S状結腸にも少数あった。腹痛もないことから虚血性腸炎ではなく、憩室出血の可能性が高い。

 バイタルにはまったく問題なく、Hb12g/dlだった。2コマある糖尿病外来(いずれも外部のバイト)のうち、この患者さんの通院している外来では、血糖・脂質・尿しか検査しないので、血算が(肝機能も腎機能もだが)普段はどのくらいなのかわからない。多分Hb14g/dlくらいだろうから下がってはいる。

 入院して過ごせそうかと奥さんに訊くと、一人ではいられないということだった。正しくは入院して絶食・点滴で経過をみて、週明けに大腸検査を考慮とは思ったが、奥さんはすぐに怒り出すといっていたので、入院すると揉めそうな気がした(体格が良すぎるくらい良い)。

 半日点滴して経過をみていたが、血便は出なかった。患者さんは空腹を訴えたので、売店で買ってきて少し食べてもらった。結局外来で経過をみることにした。

 今日外来に来たが、排便回数が1回くらいになり、黒色調の便がまだ少し出るが、初診時の赤黒便ではなかった。Hb11g/dlとちょっと下がっている。もう少し外来でみることにして、3日後に再受診で大腸検査を考慮することにした。褒められた診療ではない。

  

 昨日の祝日に病棟の看護師さんが、左下腹部痛と血便で救急外来を受診していた。日直だった内科の若い先生(今日はホスト病院に戻っている)が入院にして、絶食水分のみで点滴をしていた。今日は血便は治まっていて、腹痛もないそうだ。昨日は白血球増加があったが貧血はなかった。明日血液検査を再検することにした。

 この看護師さんは40歳で、発症形式からは虚血性腸炎だが、この年齢ならありうるのだろう。これまでに直接担当した虚血性腸炎の患者さんで一番若いのは42歳だった。大腸癌の可能性もあるので、症状が治まったら大腸検査は必須になる。

 

 

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