なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

癌性リンパ管症?

2023年11月17日 | 癌性リンパ管症

 11月12日に記載した肺癌術後再発の67歳女性のその後。抗菌薬を投与したが、肺陰影は増加していった。

 元々微熱~平熱なので熱型では判断がつかない。酸素化は入院時から酸素3L/分で継続していて、飽和度は横ばいだった。炎症反応は、白血球11100・CRP2.7(11月10日)から白血球11200・CRP5.9と上昇したが、細菌性肺炎としては低値になる。

 入院時から奇異な陰影、すりガラス様~浸潤影で、小葉間隔壁の肥厚もある。器質化肺炎の可能性も考えていた。胸水は伴わないが、癌性胸膜炎なのかもしれない。

 11月14日に病棟でポータブル胸部X線を撮影したが、右肺全体に陰影が広がっていて、胸部CTで確認した。入院時の陰影が進行していた。

 11月16日に呼吸器科外来があり、大学病院から来てもらっているが、そのまま待つ気にはならなかた。11月14日からステロイド(プレドニン30mg/日)を開始した。

 病歴をお話すると、当院に紹介した地域の基幹病院にも行かれている先生なので、多少知っているようだった。入院時のCT画像をみて、最初に器質化肺炎ではともいわれたが、これはむしろ癌性リンパ管症でしょう、と言われた。

 器質化肺炎であればステロイドの効果が期待できるが、癌性リンパ管症では難しい。それでも「ここはステロイドを入れるしかないでしょう」、ということで、プレドニン30mg/日を継続することにした。

 

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