なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

結局入院した喘息患者さん

2013年02月28日 | Weblog

 一昨日喘息発作で救急外来を受診した70歳台女性は、症状が軽快して帰宅した。昨日は調子が良く、清掃の仕事をしたらしい。今日の早朝にまた喘鳴がひどくなって救急外来を再受診していた。1~2週間の入院治療が必要とお話したが、仕事を休みたくないらしく、入院をしぶった。家族にも勧められてしぶしぶやっと入院を承知した。ステロイド(デカドロン)を短期大量投与して漸減することにした。

 80歳台後半の認知症のある男性が4日前からの発熱で内科開業医から紹介されて、救急搬入された。インフルエンザの迅速検査を2回行ったが、いずれも陰性だったという。老妻とふたり暮らしで、もっと家族がいれば自宅の車で受診できるくらいだが、やむなく救急車で搬送となった。よくしゃべって重症感はない。発熱以外の症状はないというが、本人がよくわかっていない可能性がある。検査でも炎症反応は上昇しているが、特定の疾患に結びつく異常はない。尿培養・血液培養を提出して、前立腺炎を疑って、クラビット内服を開始した。

 81歳男性が長男の嫁に連れられて内科外来を受診した。一人暮らしをしていたが、長男夫婦が引き取って当地にきたばかりだという。高血圧症・糖尿病・慢性閉塞性肺疾患・慢性腎不全があり、2年前に肺癌を指摘されたが、高齢のため経過観察になったそうだ。胸部X線・CTを見ると、確かに右肺胸膜直下に肺癌があるが、2年経過している割には多くなっていないようだ。ただし、CEAが70と上昇していて、原発巣はそれほどではないが、転移が進行しているのかもしれない。慢性腎不全があり、造影CTがとれないが、肝臓や副腎には転移がないようだった。紹介状を持ってきていないので、とりあえずはほぼ同じ処方を出して当院で経過をみることにした。

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若いCOPD

2013年02月27日 | Weblog

 50歳の女性が1年前から当院の呼吸器科外来(大学病院から週1回の応援)に通院していた。どうも禁煙していないらしい。スピリーバとアドエアの吸入、テオドール内服が処方されている。一昨日呼吸苦で内科新患を受診した(大学からの応援医師担当医)。酸素飽和度が80%台で入院を勧められたが拒否したそうだ。外来でステロイドの点滴と抗菌薬の点滴をして酸素飽和度が90~92%になった。3日分の追加処方を出して、木曜日の呼吸器科外来を受診することにして、もし呼吸があればすぐに来院するよう伝えたそうだ。病棟にいた時に、担当の先生から電話が来て、悪化時の入院治療を依頼された。昨日、今日と受診していない。楽観的にみれば、良くなったのだろうということになるが、悪化しても入院を勧められるのを嫌って来ない可能性もある。

 診たことがない患者さんなので呼吸器科外来のカルテを見た。胸部CTで両側肺に気腫性変化が広がっていた。スパイロでは、1秒率が30%で重症だった。いずれは在宅酸素療法になると予想される。保険に入ってないので薬だけほしいという記載もあった。夜間に心肺停止になって救急搬入される可能性があるかもしれない。

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気管支喘息発作で救急要請

2013年02月26日 | Weblog

 70歳台女性が早朝から呼吸困難となり、救急要請した。搬入されたのは午前8時で、昨日の当直だった大学からの応援医師が診察した。搬入時には呼吸困難はすでに軽減していて、酸素飽和度も98%(室内気)だった。引き継いで診察すると喘鳴が聴取された。喘息発作のようだ。

 10年以上前から時々、特に夜間から早朝にかけて咳と喘鳴があったそうだ。以前住んでいたところの病院で吸入薬をもらって使用していた。しばらく使用してなかったので、今朝は捜しても見つからなかったという。数日前から感冒症状(咽頭痛・咳)があり、発熱は気づかなかったそうだ(搬入時は発熱なし)。ネブライザーとネオフィリン・デカドロンの点滴で喘鳴は軽快したので、外来治療で経過をみることにした。胸部X線で肺炎はなく、明らかな気腫性変化もなかった。血液検査で好酸球増加は認めず、炎症反応の上昇もなかった。10年前まで喫煙していたが、その後は禁煙している。咳や喘鳴で受診した際に、医師から禁煙を指示されてやめたものと思われる。心音・心電図は正常で、BNPは正常域だった。心臓喘息ではない。

 いつものようにプレドニン30mg/日を明日から3日間内服として、吸入ステロイド(シムビコート)とテオドール内服を開始した。3日後に再受診の予約をした。もし今晩から明日の早朝にかけて喘鳴・呼吸苦がひどければ、明日また来てくださいと伝えた。

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珍しく楽な当直だった

2013年02月25日 | Weblog

 昨日の日曜日は当直だった。日直は小児科医で、内科当番にあたっていたので午後早目に着いた。さっそく胸痛(急性心筋梗塞)の患者さんを専門病院に搬送した、病棟は肺癌末期の患者さんの右下腿がチアノーゼを呈していた。動脈が右膝直下で閉塞したようだ。動脈閉塞の前から意識障害が低下してバイタルも悪化していて、すでに処置のできる状態ではなかった。

 当直に入って、1歳の男児が発熱40℃で5分間のけいれんがあり、救急搬送依頼があった。けいれんは治まっていて、母親の顔をちゃんと見て泣いているという。搬入後にインフルエンザ迅速試験をしたが、陰性だった(発熱は昨日からなので出るかと思ったが)。胸部X線で肺炎はなかった。小児科医に連絡して、点滴と検査の指示をもらった。まだ病院の近くで食事をしていたそうで、しばらくすると戻ってきた。

 その後は嘔吐下痢の小児が2名と30歳男性が感冒症状で来たが、いずれも処方のみで帰宅できる軽症だった。雪で道路事情が悪いせいか、深夜帯はだれも受診せず、救急車の搬入要請もなかった。というわけで、最近ではかなり珍しい楽な当直となった。

 また映画化されるという「ススキノ探偵シリーズ」の最新作と、岩田健太郎先生の新しいDVDが出たのでまた読むことにした「抗菌薬の考え方、使い方」を読んで、ゆっくり過ごしていた。

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急性心筋梗塞の疑い

2013年02月24日 | Weblog

 今日日曜日は小児科医が日直をしていた。糖尿病・高血圧症・糖尿病腎症で当院の腎臓内科に通院している53歳女性が午前11時から左前胸部痛で午後0時半に受診した。血液検査では異常がなかった。今日私は当直で内科の当番だったので、午後早目に病院に向かっていた。あと5分で病院に着くというところで電話が来た。症状が軽減したので帰そうと思っていると言われたので、すぐに着くそのままにして下さいと伝えた。

 病院に着いて、さっそく心電図を見るとⅢ誘導でSTが軽度に上昇していた。ⅡはST上昇なしで、avFはわずかにST上昇のように見える。患者さんに聞くと胸痛は受診時の半分だという。心電図を再検すると、Ⅲ誘導のST上昇の程度が低下していた。冠動脈が詰まりかけて少しよくなったのだろうか。基礎疾患はいかにも急性心筋梗塞になりやすい。すぐにPCIのできる病院に送ることにした。当院は土日には循環器科医師が1名だけになるので、緊急心カテはできない。PCIで有名な病院に連絡して、救急車で搬送することにした。

(その後の経過 急性心筋梗塞で右冠動脈近位部狭窄があり、PCIを施行したと搬送先の病院からFAXが届いた。この病院は医療連携に熱心で、いつも完璧な報告が時系列で届く。)

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胸痛といえば確かに胸痛だが

2013年02月23日 | Weblog

 胸痛を主訴に93歳女性が救急搬入された。救急当番は外科に女性医師だった。胸部X線・心電図・血液検査・胸腹部CTを行ったが、急性心筋梗塞・急性大動脈解離・気胸・肺梗塞はなかった。胸痛というよりも胸部違和感というのが正確な表現のようだった。胸椎のところで大分背中が曲がっていて、食道裂孔ヘルニアがあり、胃上部は胸腔内にあった。食事に関連した症状で、ヘルニアによる症状のようだ。内科でも診てほしいといわれて、患者さんを診察した。今は胸が苦しくないという。家族に(長男と二男だが、ともに70歳前後)、胸がおかしいという時は、半座位くらいにすることと、一食抜いて水分を少しずつとれば、しだいに食物が流れていくことを説明した。

 はやりに乗ってKindleを購入した。やはり紙媒体の方がいいと思うが、字が大きくなるのはいい。まあ、使ってみよう。

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久しぶりに一過性全健忘

2013年02月22日 | Weblog

 60歳台半ばの男性が午前中からの記憶がなくなって昨夜救急外来を受診した。脳梗塞の既往があって、神経内科の外来に通院していた。プラビックスを内服している。昨日の午前中に車でいつものパチンコに出かけたそうだ。その後自宅に帰ったかどうかがわからないという。同居している甥が昨日夜の救急外来に連れてきた。患者さんは病院に来たところからは覚えているという。

 受診時は意識清明で、もともと右橋と左視床にラクナ梗塞があって、軽度の左半身の感覚障害があったが、それ以外の神経症状はない。頭部CTで左被殻にもラクナ梗塞があったが、新鮮なものではなかった。昨日の当直は大学から応援の先生で、とりあえず入院にしていたので、今朝申し送りを受けた。患者さんから直接話を聞くと、上記の経過を教えてくれた。一過性全部健忘と思われたので、外来で診ている神経内科医に相談して、診てもらうことにした。

 一過性全健忘は数年にひとりくらい受診するようだ。私が当直で診た時は、頭部MRIで問題がなければ、抗血小板剤を処方して外来で経過をみている。

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線維化が進行?

2013年02月21日 | Weblog

 80歳台男性で右肺癌の術後だが、すでに治癒していた。今月初めから気道感染の症状が続き、地元の診療所で抗菌薬を投与されていた。患者さんが肺癌再発を心配しているということで、当院の呼吸器科外来(大学から週1回)に紹介された。胸部X線・CTで見ると、残った右肺の肺底部から間質性陰影と気腫性陰影が増加してきていた。感染症を契機になのか、最初から感染症ではないのかはわからない。

 担当の呼吸器科医は炎症を抑えるために、外来で抗菌薬とステロイドを外来で投与しようとしたが、なにしろ週1回しか来ないので、ここからさらに増悪した時の対応はこまってしまう。外来に呼ばれて相談したが、肺底部から陰影が徐々に上がってきていて、外来でプレドニンやデカドロン中等量を投与して、効くのかどうからないと思われた。結局呼吸器科常勤医のいる基幹病院へ紹介することになった。

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肺胞出血か

2013年02月20日 | Weblog

 昨日受診した70歳台女性が高熱と血痰で今日再受診した。胸部X線で昨日の右注肺野だけでなく、右下肺野と左中肺野と下肺野にも同様の病変があり、多発性だった。淡い間質性の陰影があり、その中心に濃い陰影があった。明らかに昨日よりも1日で増悪していた。通常の細菌性肺炎ではない。肺胞出血という診断名が浮かぶが、具体的な病像はよくわからない。基幹病院の呼吸器科医に連絡すると、外来で受診てくれるという。さっそく紹介状と画像のCDを持たせて、付き添いの人といっしょに行ってもらった。

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血痰で受診

2013年02月19日 | Weblog

 70歳台女性が血痰を主訴に受診した。体温37.8℃と発熱もあった。眼科で白内障手術の術前検査として先月胸部X線検査が行われていて、異常なしだった。早朝から咳があり、最初は黄色の痰が出て、その後に血痰が続いたという。胸部X線で右中肺野に浸潤影を認め、胸部CTで確認すると、腫瘍や空洞性病変はなかった。気管支拡張症もない。肺炎で咳が出て、その咳で気管支から出血したのではないか。肺癌や肺結核ではないようだ。喀痰培養をしようとしたが、痰は出なかった。食欲もよく、全身状態は問題ない。抗菌薬投与で経過をみて、3日後に再受診とした。

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