一昨日喘息発作で救急外来を受診した70歳台女性は、症状が軽快して帰宅した。昨日は調子が良く、清掃の仕事をしたらしい。今日の早朝にまた喘鳴がひどくなって救急外来を再受診していた。1~2週間の入院治療が必要とお話したが、仕事を休みたくないらしく、入院をしぶった。家族にも勧められてしぶしぶやっと入院を承知した。ステロイド(デカドロン)を短期大量投与して漸減することにした。
80歳台後半の認知症のある男性が4日前からの発熱で内科開業医から紹介されて、救急搬入された。インフルエンザの迅速検査を2回行ったが、いずれも陰性だったという。老妻とふたり暮らしで、もっと家族がいれば自宅の車で受診できるくらいだが、やむなく救急車で搬送となった。よくしゃべって重症感はない。発熱以外の症状はないというが、本人がよくわかっていない可能性がある。検査でも炎症反応は上昇しているが、特定の疾患に結びつく異常はない。尿培養・血液培養を提出して、前立腺炎を疑って、クラビット内服を開始した。
81歳男性が長男の嫁に連れられて内科外来を受診した。一人暮らしをしていたが、長男夫婦が引き取って当地にきたばかりだという。高血圧症・糖尿病・慢性閉塞性肺疾患・慢性腎不全があり、2年前に肺癌を指摘されたが、高齢のため経過観察になったそうだ。胸部X線・CTを見ると、確かに右肺胸膜直下に肺癌があるが、2年経過している割には多くなっていないようだ。ただし、CEAが70と上昇していて、原発巣はそれほどではないが、転移が進行しているのかもしれない。慢性腎不全があり、造影CTがとれないが、肝臓や副腎には転移がないようだった。紹介状を持ってきていないので、とりあえずはほぼ同じ処方を出して当院で経過をみることにした。