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なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

結腸憩室炎

2025年06月02日 | 消化器疾患

 5月29日(木)の午前中は発熱外来・救急当番だった。午前中は内科外来があるので、発熱外来担当は、とりあえず新型コロナとインフルエンザの迅速検査だけ行って、陰性であれば内科外来に回すだけになる。

 市内の医院から30歳代半ばの女性が発熱・腹痛で内科外来に紹介されていた。上気道炎症状はないので、新型コロナやインフルエンザではないのだが、病院の決まりで検査してから外来に回すことになっている。当然陰性で、内科外来受診となった。

 

 後で(午後になって)その患者さんがどうなったか確認した。紹介状によると、5月24日から腹部の張った感じと腹痛が生じてきた。5月28日から腹痛が強くなって、29日に医院を受診していた。右季肋部に圧痛があり、CRP18mg/dLと上昇していた。

 既往として出生11日後に「腸捻転で手術を受けて盲腸・虫垂は切除された。いわゆる盲腸=虫垂炎にはならないといわれている。」とあった。

 外来で診た先生は血液検査と腹部CT(単純)を行っていた。白血球18000・CRP20と炎症反応が上昇している。肝機能障害はなかった。腹部CTで、上行結腸の中ほどから肝彎曲にかけて壁肥厚と周囲の脂肪織の炎症像を認めた。

 下痢はなく、感染性腸炎ではない。むしろふだんより便が出にくかったが、排便はある(血便ではないそうだ)。よくよく見ると、結腸憩室が疑われる部位があるようだ。横行結腸に1個明らかな憩室があったが、そこは炎症像はない。腹水はなかった。おそらく上行結腸の憩室炎ではないかと思われる。

 地域の基幹病院外科に紹介となっていた。まずは抗菌薬で経過をみるのだろう。憩室炎は手術するとなると、炎症部の近位にいったん人工肛門をおいたりして、大手術になるらしい。大抵は保存的になんとか治まるが。

 

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γ-GTP

2025年05月19日 | 消化器疾患

 4月14日整形外科に痛風で通院を開始した50歳代前半の男性が、内科外来を受診した。アルコール性肝機能障害があり、なかでもγ-GTPが910(U/L)とかなりの高値のため、内科も受診するようにといわれたという。

 ビールを毎日2L/分(多い日は3L/分)飲んでいた。他のアルコール類も飲んでいたらしい。4月7日初診時の肝機能障害は、AST 34・ALT 32・ALP 463・GTP 910だった。ALP高値が気になるが、まあアルコール性で説明はつく。

 症状は左MTP関節と右膝関節の関節炎だった。発熱もあり、最高で38.0℃まで上がっていた。受診時は37.3℃。白血球10100・CRP24.2と炎症反応が上昇していた。

 血清尿酸値は9.8mg/dLだった。(当院で会社の健診を受けいていて、血清尿酸は最高で11.8mg/dLだった。)NSAIDs(ロキソプロフェン)で関節炎は軽減してきた。

 4月14日の肝機能障害は、AST 15・ALT 14・ALP 285・GTP 517と軽減している。腹部エコーでは肝内エコーが粗雑で辺縁がやや鈍だが、肝表面は平滑だった(肝硬変とまではいえない)。

 禁酒を続けてもらって、本日(5月19日)は、AST 16・ALT 9・ALP 121・GTP 61とさらに軽減している。γ-GTPは2週間で半減と認識しているが、それよりも早い改善だった。ALP上昇もアルコールの影響だったようだ。

 

 ただアルコールを辞めたので、夜眠れなくなったという。仕事中に眠くなってしまい困っていた。この場合は新規のオレキシン受容体作動薬ではたぶん効かないだろう。好ましい処方ではないが(その旨を説明した)、普通のベンゾジアゼピン系のブロチゾラムを処方した。

 

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肝機能障害

2025年05月17日 | 消化器疾患

 糖尿病・高血圧症で内科外来に通院している70歳女性が、急に肝機能障害を認めた。

 3月26日予約で受診した際に、肝機能障害(AST 156・ALT 210・LDH 195・ALP 748・γ-GTP 691・総ビリルビン0.7)を認めた。肝細胞障害もあるが、胆道系酵素の上昇も目立つ。腹部エコー検査を追加したが、肝胆道系に有意な異常所見はなかった。

 「5日前から花粉症がひどくて2種類の市販薬を飲んでいた」という。自称花粉症で、実際は咳と咽頭痛もあったので、花粉症ではなく上気道炎そのものだった。発熱はないが、全身に発疹(おそらく紅斑)もあったというが、受診時は軽快していた。

 薬剤性肝障害と薬疹と思われた。その市販薬(持参しなかった)をやめてもらうことにした。短期間で経過をみる必要があるが、母親の病気で1~2週間後には来れないという。

 結局3週間後の4月16日の受診となった。軽減はしたが、まだ肝機能障害(AST 52・ALT 125・LDH 142・ALP 685・γ-GTP 554・総ビリルビン1.6)が目立った。

 この方はふだんからALPが軽度に高値だった(正常域の1.5倍は越さない)。またγ-GTPが100未満の値になることもあった。抗核抗体(ANA)と抗ミトコンドリア抗体(AMA)を提出して(外注)、ウルソ内服を追加してみた。

 5月14日に受診した時は、母親が亡くなって葬儀で忙しかったと話してくれた。肝機能は、AST 14・ALT 8・LDH 127・ALP 153・γ-GTP 97・総ビリルビン0.6)と軽快していた。ALPが軽度に高く、γ-GTPが軽度に高いことがあるという、ふだんの肝機能?に戻っていた。

 抗核抗体と抗ミトコンドリア抗体は陰性だったが、ウルソが効いたのか自然経過なのか。ウルソは継続して経過をみることにした。

 今回のエピソードは薬剤性が疑わしいが、ふだん軽度に引っかかるALPとγ-GTPが正常域になれば、ウルソが効いたとしていいのか。(基礎に原発性胆汁性胆管炎がある?)

 

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食道癌でした

2025年04月18日 | 消化器疾患

 4月12日に記載した多発性肝転移の患者さんのその後。

 4月9日に右側腹部~背部痛で受診して、多発性肝転移を認めた。原発は消化器癌が疑われたが、はっきりせず、放射線科の読影レポートで(原発とするには疑問な)膀胱癌疑いのみ指摘されていた。

 消化管内視鏡検査は希望せず、尿細胞診を提出して、鎮痛薬で結果待ちにしていた。鎮痛薬はアセトアミノフェンにトラマドールを追加した。

 4月15日に同じ痛みで体動困難として救急要請して搬入された。救急担当の内科医がそのまま地域の基幹病院消化器内科に搬送していた。

 翌16日に当院の地域医療連携室に連絡が入り、BSC(緩和ケア)のみとなったので、当院に転院させたいという。その日の午前中に当院に搬送となった。

 

 15日に当院搬入時に胸腹部CT(単純)が行われていた。当院の放射線科読影は遠隔診断になっているが、その日は放射線科医が直接当院に来て読影する日だった(週1回)。

 担当はがんセンターの放射線科医で、当院に放射線科常勤医がいた時から手伝いに来ている。その先生の読影レポートでは、「多発性肝転移、食道癌」となっていた。前の週に行った造影CTも参考にして読影したのかもしれない。その目で見ると、確かに食道下部に腫瘤がある。

 

 基幹病院でもCTで食道癌が疑われて、上部消化管内視鏡検査が行われた。食道下部(ECJ直上)に計3cmの黒色の1型腫瘤があり、胃内にも黒色斑点が散在していた。両者から生検が行われている。(内視鏡の検査結果用紙も含まれていた。病理の結果は後日報告とある。)

 胸腰椎に骨転移もあると指摘されていた。CTでわかりにくいので、胸腰椎のMRIも行うことにした。頸椎も含めて撮ってくれたが、全体に骨転移を認める。

 鎮痛薬としてアセトアミノフェン・トラマドールにロキソプロフェンが追加されていたが、それでは痛みは治まらない。家族とも相談して医療用麻薬を使用することになる。

 

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多発性肝転移

2025年04月12日 | 消化器疾患

 4月9日(水)の内科外来に90歳代前半の男性が受診した。1週間前から右側部~背部痛があるという。

 超高齢者だが、二人暮らしの自宅では妻の介護をしていて、自分で車を運転して受診している。(免許証返納が好ましい年齢ではある)

 市内の内科クリニックに高血圧症・糖尿病などで通院している。この症状でクリニックを受診したが、腹部エコー検査で異常なしとされて、湿布のみ処方されていた。

 動いた時に「ビビビビビ」と痛いと表現されていた。同部位に皮疹(帯状疱疹)はなかった。圧痛もない。持続痛があり体動時に悪化する痛みのようだ。(呼吸性ではない)

 最初は整形外科的な痛みのようにも思われたのと、クリニックの腹部エコー検査で異常を指摘されなかった?ということで、胸腹部CT検査を行った。

 すると肝臓全体に転移性と思われる腫瘍が多発していた。血液検査では肝機能障害が軽度にあり、LDHが特に上昇している点が悪性腫瘍を示唆していた。腫瘍マーカーを追加したが(CEA・CA19-9・AFP)、正常域だった。

 造影CTを追加した。転移性肝癌が明瞭に描出された。原発巣を探したが、胃癌・大腸癌・膵癌・胆嚢癌は否定的だった。

 放射線科の読影レポート(遠隔診断)は数日かかる。至急にすると、お金はかかるが大した料金ではないことがわかったので、最近時々使っている至急の診断にした。夕方には結果が出て、「多発性肝転移、膀胱癌の疑い」となっていた。

 確かに膀胱内に腫瘤が写っている。これが癌だとしても原発巣といえるのかという疑問もある。前立腺癌の腫瘍マーカー(血清PSA)も追加したが正常域だった。

 尿細胞診を提出したが、癌が証明できるかわからない。尿細胞診で癌が出なければ膀胱鏡検査だが、紹介したとして高次医療機関の泌尿器科で実施するだろうか。

 アセトアミノフェンだけでは軽度にしか痛みが軽減しなかった。アセトアミノフェン+トラマドールで来週まで経過をみることにした。

 

 病院としては診断にこだわりたいところで、目立たない胃癌・大腸癌が隠れている可能性もあるが、上部・下部の内視鏡検査も希望されていない。

 

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胆管癌

2025年04月08日 | 消化器疾患

 4月7日(月)は内科外来担当だった。地域医療連携室から、消化器病の専門病院からの紹介状を持ってきた患者さんがいるので、外来受付しますと連絡が来た。

 すっかり忘れていたが、昨年7月に胆管癌疑いで紹介した80歳代前半の男性だった。一昨年の11月に別の内科の先生が総胆管結石で紹介したのが最初だった。(地域の基幹病院は受け入れ不可で、そちらの病院へ紹介された)内視鏡的に総胆管結石を摘出して、その後に腹腔鏡的胆嚢摘出術も行われていた。

 昨年7月に、悪寒戦慄を伴う発熱が断続的にあって受診していた。総胆管結石の再発・胆管炎かと思われたが、違った。CTで肝内胆管の拡張があり、MRCPで総胆管の狭窄を認めた。胆管癌疑いとして紹介していた。

 胆管ステント挿入が行われて、胆管癌と診断された。(診断根拠は記載されていないが、細胞診?組織診?)手術・癌化学療法は困難と判断されて、胆管ステント挿入だけで経過観察なった。

 すぐに当院に戻されなかったのは、胆管ステントの閉塞・再挿入を繰り返していたためだった。ウルソ内服にしてから比較的安定したということだった。また閉塞した時は診てもらえるはずだが、全身状態にもよるか。

 

 それとは別に3週間前から両側の手関節~手の痛みが続いているという。診察したところでは手関節の痛みのようだが、手自体に感じるという。

 当院で行った通常のX線でははっきりしなかったが、先方の病院で昨年11月に施行した手関節のCT画像がCDに含まれていた。(整形外科は診療科にない病院だった)CTで見ると、偽痛風を疑う石灰化がある。手関節偽痛風が疑われる。

 先方の病院では疼痛時にロキソプロフェン屯用となっていた。飲んだ時は効くそうだ。何度か繰り返しているということと、NSAIDsが効くということが分かった。

 NSAIDs(セレコキシブ)定期内服を3週間継続してもらうことにした。

 

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十二指腸下行脚の壁肥厚

2025年04月06日 | 消化器疾患

 4月3日(木)の午前中に市内の診療所から紹介された、30歳代後半の女性が救急搬入された。救急室で診ていると、もう1台救急車が搬入されるという。それは当院への搬入ではなく、病棟から専門病院への転院搬送だった。

 

 患者さんは3月27日に健診で指摘された高脂血症の相談に受診していた。その時は特に症状はなかった。

 翌日の3月28日に心窩部痛と嘔気・嘔吐を訴えて、また内科外来を受診した。腹部CTで十二指腸下行脚の全周性壁肥厚を認めていた。

 食事がとれないので、入院して点滴をすることになった。入院後も嘔気・嘔吐が続いていた。4月2日に上部消化管内視鏡検査(非常勤医担当)が行われた。十二指腸球部までは挿入できた。下行脚は全周性の壁肥厚で内腔がわずかに空いているが、挿入できなかった。細径スコープに切り替えたが、それでも挿入できない。

 外来で診た先生がそのまま入院担当となっていた。このまま点滴で経過をみても良くなる当てがないことから、消化器病センターのある専門病院に連絡して搬送としたのだった。

 

 腹部CTを見ると、十二指腸下行脚だけが均一に腫脹している。放射線科の読影レポートでは、「腫瘍よりは炎症を考える」となっていた。「アニサキスの可能性?」と付記していた。

 Vater乳頭も腫脹していて、総胆管と主膵管が軽度が拡張している。乳頭部癌ではないようだ。紹介された病院ではどうするのだろうか。経鼻胃管の胃液吸引と点滴で経過をみて改善する?。

 

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腹水貯留

2025年03月14日 | 消化器疾患

 3月3日(月)に40歳代後半の男性が腹部膨満を訴えて内科新患を受診した。下肢の浮腫はなかった。

 2月から心窩部痛があったが、それが消失して、その後から腹部膨満が始まったという。発熱や腹痛はなかった。食事もとれるが、食べると腹部膨満が増すので食べる量をセーブしている。

 診察すると確かに腹部は膨満していた。触診では緊満感はあるが、圧痛はなかった。腹水が貯留しているのだった。

 仕事の悩みがあり、ストレスだという。アルコールはビールと焼酎で、申告通りだと日本酒3合相当になる。

 昨年に心窩部痛で内科医院を受診した。そこは消化器内科医だが、地域の基幹病院消化器内科に紹介された。上部消化管内視鏡検査で胃炎といわれて、ピロリ菌の除菌をした。下部消化管内視鏡検査で小ポリープを指摘されたが、切除するほどではないといわれた。

 腹部造影CT検査も受けたそうだが、異常は指摘されなかったという(本人の話)。アルコール性肝障害はその時もあったはずで、腹部エコー・腹部造影CTを行ったのではないか。

 

 先方の病院では検査に時間がかかることと、対応が気に入らなかったらしく、今回は病院を替えて当院を受診したという経緯だった。資料がないので、最初からの検査になってしまう。

 白血球4000・Hb11.5・血小板6,1万と血小板減少の目立つ汎血球減少症傾向という値だった。肝機能はAST 232・ALT 96・LDH 450・ALP 96・γ-GTP 715・総ビリルビン3.2とアルコール性肝障害のパターンだった。血清カリウムが3.2と低カリウム血症があり、ループ利尿薬が使用し難い。

 腹部エコーでは脂肪肝だった。肝表面の凹凸は指摘されない。脾臓も脾腫というほどではないが、大きめではある。そして腹水が貯留していた。

 造影CTを行うと、少なくとも腹部悪性腫瘍は指摘できなかった。胸水は主に右肺にある。やはり肝表面の凹凸は指摘できないが、左葉が腫大傾向にある。

 ちょうどその頃から入院ベットの確保が難しく、満床の日が続いていた。本人は入院するつもりだったらしいが、外来治療となった。(禁酒で3日くらい経過しないと入院は難しいとも話した)

 スピロノラクトンとトルバプタンを使用して、少し腹水は軽減した。血清カリウムが正常化したので、フロセミドも追加できた。腹部悪性腫瘍・癌性腹膜炎の可能性も否定はできないが、アルコール性肝硬変(非代償性)ではないか。

 

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進行胃癌

2025年03月12日 | 消化器疾患

 3月6日(木)に市内のクリニックから70歳代半ばの男性が紹介されてきた。数日前から?の食欲不振・息切れだった。血液検査で肝機能障害(AST 278・ALT 230)があった。

 内科新患担当の先生が診て、検査していた。肝機能障害は(AST 258・ALT 225・LDH 367・ALP 794・γ-GTP 576・総ビリルビン3.2)と混合性の変化だった。後で腫瘍マーカーも追加していて、CEA 112・CA19-9 1131と進行腺癌を示唆している。

 腹部単純CTを行って、著明な肝転移を認めて、造影CTも追加していた。肝臓全体に肝転移と判断される腫瘤があった。胃体部から前庭部にかけて胃壁の不整肥厚があり、腹腔内リンパ節転移と腹水(腹膜播種、Schnitzler転移疑い)もあった。

 進行胃癌が疑われて、翌日に上部消化管内視鏡検査を行った。胃体部から前庭部にかけて全周性の不整隆起を認めた。内視鏡医は肉眼型として4型か5型と記載していた。(生検3か所)

 担当の先生から相談された。治療の可能性はともかく、クリニックの先生の関係者ということで、いったんは高次医療機関に紹介する必要がある。(化学療法もしないと思われるが)

 

 クリニックの先生に紹介先を直接伺った。消化器病センターのある病院を希望されたので、そちらに紹介となった。診療情報提供書には、緩和ケアとなった時は当院で診ます、と記載されていた。

 

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膵神経内分泌腫瘍

2025年03月06日 | 消化器疾患

 3月5日(水)に内科再来を受診した60歳代後半の女性は、糖尿病・高血圧症・高脂血症で通院している。話好きでいつも家庭の事情などを勢いよく話してくれる。

 ふだんも家族をするが、その日は夫の病気の話だった。夫が健診で膵臓に腫瘍を指摘されたそうだ。近くの病院(PET-CTを持っている)で検査をして、そこからがんセンターに紹介された。

 膵神経内分泌腫瘍(neuroendocrine tumor:NET)と診断されて、手術を受けることになった。悪性と良性の中間と説明されていた。(術式は膵頭十二指腸切除術)

 

 長年夫は他県に単身赴任していて、週末だけ帰って来る生活をしていた。夫が定年になってずっと家にいるとストレスだといっていた。娘の夫が気に入っているようで、それに比べてといういい方だが、いわゆる愚痴で仲が悪いというわけでない。

 

 膵神経内分泌腫瘍は以前CTの放射線科読影でそれ疑いとされた患者さんがいて、消化器科の若い先生に相談されたことがある。「がんセンターか大学病院に紹介」といっただけだが。

 症状はないようなので非機能性NETなのかなあとか、画像診断だけなのかEUS-FNA(超音波内視鏡下穿刺吸引生検)もしたのかなあ、などと思いながら伺っていた。(専門医の世界で一生縁がない病気と思っている)

 正確な組織診断によって方針が決まるが、手術でとれない時(血管浸潤疑い)は生検だけする、ともいわれていた。

 

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