なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

1型糖尿病の低血糖

2022年11月30日 | Weblog

 月曜日の午後に、糖尿病で通院している76歳女性がまた低血糖で救急搬入されていた。またというのは、名前を聞くと低血糖と反射的に想起する患者さんだから。

 救急隊が到着して、血糖を測定すると26mg/dlだった。血管確保をして、50%グルコース40mlを静注すると、意識は昏睡状態から一桁にまで回復した。

 病院に到着した後には、意識はほぼ清明に戻った。経過観察のため翌日までの入院となった。救急当番は腎臓内科の若い先生で、そのまま自分が担当してくれた。

 超速効型インスリンを食直後皮下注にして、外来の治療を継続していた。翌日には低血糖もなく(空腹時血糖80mg/dlと低め)、退院していた。

 

 もともとは1型糖尿病として大学病院の糖尿病代謝科に通院していた。当院の内科外来にも高血圧症で通院していた。2006年2回、2011年、2013年に低血糖で入院している。昏睡状態で救急搬入されて、低血糖の治療後の経過観察で、翌日か翌々日までの入院だった。

 2013年から糖尿病の治療も当院に紹介されて、糖尿病外来(大学病院糖尿病科の先生担当)に通院していた。治療は持続型インスリン(トレシーバ)6~10単位と、超速効型インスリン(ノボラピッド)毎食直前3回(2~6単位)の強化療法だった。

 最近(今年度)のHbA1cは8.0%程度で経過している。以前は7%台で、0.5%くらい高めになったことになる。

 入院したのはこれで5回目だが、入院したくない方なので、救急外来で低血糖の治療後にそのまま帰宅することもあった。救急搬入されない程度の低血糖は頻発しているのだろう。

 血糖の変動は80~300md/dl台で推移していて、低血糖になると交感神経症状がないか(あっという間に通り越して)意識障害に陥るようだ。

 

 工夫するとすれば、若い先生が指示したような超速効型インスリンは食直後とするのが確実だろう。持効型インスリンは低血糖にそれほど影響していないはずなので、超速効型を1~2単位減量したい。

 1型だと経口血糖降下薬としてはSGLT2阻害薬が使えるが、持効型は減量できても、超速効型は減量しにくいのかもしれない。

 地域の基幹病院ではCSIIをしているはずだが、年齢的に難しいか。このくらいの頻度の低血糖は、年数の経過した1型としては許容範囲なのだろうか。

 

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レムデシビル10日間投与

2022年11月29日 | Weblog

 先々週に、地域包括ケア病棟で新型コロナウイルス感染症のクラスターが発生した。入院患者3名が罹患して、感染病棟へ転棟となった。

 他の病気で入院していたので、院内感染であり、100%病院の責任になる。抗ウイルス薬は3名ともレムデシビル点滴静注を使用した。

 

 内科に結腸憩室炎で入院した後、食欲不振が続いて再入院した77歳女性は、食欲も回復して退院を考えていた時に罹患した(内科の若い先生が担当)。こちらは順調に回復して、隔離期間終了後に感染病棟から直接自宅退院した。

 皮膚科に入院していた褥瘡の76歳女性は、寝たきり状態に近く、経過が心配されていた。しかし案外順調に(皮膚科医の表現では、「何ごともなかったかのように」)回復した。こちらは隔離期間終了後に、地域包括ケア病棟に戻った。

 何度も褥瘡(仙骨部と下肢)の悪化で入院していて、今回は退院~悪化~再入院の連鎖を断ち切るために、療養型病床のある病院への長期入院を目指すそうだ。

 

 一番心配されたのは、間質性肺炎の86歳男性だった。5月に誤嚥性肺炎による悪化で入院して、回復して退院ずる直前に転倒して、大腿骨近位部骨折を来した。 

 地域の基幹病院整形外科に転院となったが、転院早々に誤嚥性肺炎を来した。骨折は保存的にみることになり、6月末に当院に戻った。その後も誤嚥性肺炎を繰り返して、絶食・高カロリー輸液になった。間質性肺炎の治療はプレドニン12.5mg/日で継続していた(注射薬に切り替え)。

 もともと在宅酸素療法で酸素吸入2~3L/分を要していた。今月、療養病床のある病院への転院直前に誤嚥性肺炎を来して、延期になっていた。そしてコロナに感染した。

 電話で家族(娘さん)に事情を伝えると、「まあ、しょうがないですね」と言われた。もう半年入院していて、入院当初から病状悪化時はDNRの方針になっている患者さんではあった。

 

 発症日は発熱38.7℃で酸素4L/分となり、感染病棟に移動した翌日は39.0℃で酸素6L/分となった。当方もこれはダメかもしれないと思ったが、入院していた地域包括病棟の看護師長さんは責任上相当心配だったようだ。

 これは急性期からステロイド増量するしかないので、デキサメサゾン8mg/日(6.6mg注)を使用した。コロナとしては10日間の使用になり(途中で漸減もあるが)、ウイルスの増殖を助長することになる。

 これまでレムデシビルは5日間使用だったが、この患者さんは特例としてステロイド増量期間の10日間使用することにした。結果は解熱して、次第に酸素投与量は減量できた。

 無事に隔離期間を終了して、地域包括ケア病棟に戻ってきた。現在はステロイドを減量して、元々の量に戻せるかというところだ。

 胸部CTで確認すると、両側肺下肺野背側に浸潤影+胸水を認めたが、発熱はなく炎症反応も軽減しているので、抗菌薬はなしで経過をみることにした。

 コロナで亡くならなくて本当に良かった。ただ今後の見通しとしては、このまま高カロリー輸液を継続するしかないので、患者さんにとってはあまりいいことはないようだ。

 

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胆石・胆嚢炎

2022年11月28日 | Weblog

 金曜日に消化器科医から、入院している患者さんが急に39℃の高熱を呈してという連絡がきた。

 57歳男性が上行結腸憩室炎として入院して、抗菌薬(ゾシンPIPC/TAZ)を開始して解熱軽快していたという。コロナのクラスターが発生した病棟に入院していた。

 コロナの抗原定性試験を提出して陰性だったが、病棟の看護師さんからPCRじゃないと、と言われたのだろう。コロナのPCR検査を提出するところだった。

 1時間後にPCRは陰性だったと連絡してきた。患者さんの病状は特に悪化していない。呼吸器症状はまったくなかった。ゾシンの薬剤熱かもしれないので、中止して経過をみましょうかということにした。

 今日確認していみたが、翌日土曜日の日中に38℃の発熱があり、日曜日は37℃台の発熱で、月曜日の今朝は解熱していた。血液検査で白血球増加は正常域になっているが、CRPの程度は横ばいだった。薬剤熱でもなさそうだ。

 

 この患者さんは前週の日曜日に、嘔気・嘔吐と下痢で救急外来を受診していた(日直は外部の先生)。2日前に温泉での飲食があった。腹痛(心窩部痛~右季肋部痛)もあり、日直の先生(泌尿器科医)が地域の基幹病院に紹介していた。

 症状軽快?として帰宅となったそうだ。翌月曜日にそちらの病院を再受診しようとしたが、いっぱいで無理といわれて、また当院を受診した。

 上行結腸憩室炎として入院になったが、腹部CT・腹部エコーを見ると、胆嚢内に結石があり、頸部に嵌頓している。胆嚢壁の肥厚はほとんどないが、debrisは軽度にあった。胆石・胆嚢炎のようだ。

 炎症(脂肪織の炎症像)の部位はいっしょだったが、胆嚢炎としての所見が弱いので、結腸の方が原因と判断していたのだろう(そちらも所見としては弱いが)。

 今朝消化器科医がいたので、胆嚢炎がくすぶっているのではと伝えた。画像検査を、造影CTか腹部エコーで再検しませんかというと、MRCPをやってみるという。

 総胆管は問題がなかった。MRIの読影は自信がないが、胆嚢壁が肥厚しているように見える。結局地域の基幹病院に紹介する(戻す?)ことになった。

 

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突然の脳腫瘍

2022年11月27日 | Weblog

 木曜日の午後に、保健所依頼のPCR検査を行った。その後COVID-19の新規入院があるので、救急外来を出入りしていた。

 救急担当の外科医(大学病院外科)が、救急搬入されたらしいそれほど高齢ではない女性を診ていた。看護師さんが検査着に着替えさせていたが、されるがままという体位だった。

 

 COVID-19に罹患した84歳女性は、職員(息子)の母親だった。息子夫婦と3人暮らしだが、まず息子の嫁が罹患して、その後に息子が罹患していた。

 前日の休日に発熱が外来を受診して、コロナの抗原定性検査が陽性と判明していた。翌日のその日も発熱があって、食事摂取できなかった。保健所ではケア付き施設に入所させる予定で、外来アセスメントが依頼されていた。

 発熱が続いて、食事摂取できないと結局入院依頼になる。施設は県庁所在地にあるが、入院は居住地の病院に戻されるので、週末に依頼される可能性が高い。外来アセスメント後に入院治療とした。

 感染病棟に入院となって、治療(レムデシビル点滴静注)や必要時指示などを出した。その日救急からの内科入院の担当ではなかったが、救急に来ていた患者さんはどうなったかと確認した。

 

 患者さんは67歳女性で、発症直前まで症状はなかったらしい。その日昼食後に家族の車に乗車して出かけた。途中で嘔吐と意識低下があり、そのまま家族が車で連れてきたのだった(救急搬入ではなかった)。

 診察時は開眼して名前は言えるが、見当識障害を認めた。住所は隣町だが、別の町の内科医院に1型(?)糖尿病で通院しているということだった。血糖は288mg/dlで症状を呈する値ではない。治療の詳細は不明だった。

 診察した外科医は、脳卒中疑いとして、頭部CTを行った。すると、脳血管障害ではなく、腫瘍があった。右前頭葉・側頭葉にかかり、比較的境界は明瞭だが、脳幹部も圧排して正中偏移している。

 頭部MRIも追加していて、よりいっそう明瞭に脳腫瘍が描出された。最初に地域の基幹病院脳外科に連絡したようだが、そこでは脳腫瘍は診ていない。医療センターに連絡して受け入れOKとなって、救急搬送していた。(基幹病院の先生は医療センターからの赴任で、そちらを勧めてくれたのだろう)

 それにしても突然発症で、通常は脳血管障害(脳出血・クモ膜下出血)を考える。突然発症は、詰まる・裂ける・破れる・捻じれる、だから。今回は脳圧亢進の閾値を一気に越えたということなのだろうか(腫瘍内出血でもないが)。

 この結果には驚いた。

 

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肺気腫の気胸

2022年11月26日 | Weblog

 地域包括ケア病棟でコロナのクラスター(6名)が発生して、今週月曜日に解除の予定だった。

 月曜日に、土曜日に同じ病棟の患者さんが発熱したと報告があった。腎臓内科の若い先生が担当している81歳男性だった。コロナのPCR検査は陰性(バイトで来ていたの日直の先生が採取してくれた)で、主治医の指示で尿路感染症として抗菌薬が開始されていた。

 解熱していて、(解熱でコロナとの鑑別はできないが)抗菌薬が効いたような経過だった。新規のコロナが出なかったということで、予定通りに病棟は隔離解除となった。

 

 木曜日に、患者さんのその後を確認しようとすると、すでに病棟にいなかった。火曜日の夜間に転院になっていたのだった。

 この患者さんは、9月末にコロナワクチン接種で内科医院を受診した。その際に酸素飽和度低下(80%台)があり、胸部X線で右気胸と判明した。地域の基幹病院呼吸器内科に紹介・入院となった。

 胸腔ドレーンが挿入されて、肺は拡張した。クランプしても問題(肺虚脱)がなく、胸腔ドレーンは抜去された。

 認知症の不穏で入院が延長していたが、また右気胸になった。胸腔ドレーンが再挿入された。またうまく拡張して、クランプで再虚脱がなくドレーンを抜去した。

 臥床状態が続いて、廃用症候群となったため、リハビリ目的で当院に転院したという経緯だった。腎臓内科の若い先生(2名のうち常勤の先生が担当、他の先生は大学病院から3か月交代)が担当していた。

 月曜日にごく軽度の右気胸があることがわかったが、火曜日の日中に胸部X線を再検しても、進行はしていなかった。ところが、火曜日の夜間に気胸の程度が増悪した。

 火曜日の当直だった耳鼻咽喉科医が基幹病院に連絡して、その日のうちに救急搬送となったのだった。

 

 患者さんは長年の喫煙歴があり、今回入院するまで継続して喫煙していた。胸部CT像を見ると、肺気腫がある。入院中に再発していて胸腔ドレーンによる吸引だけでは治らないので、胸膜癒着術の適応だったと思うが。

 胸膜癒着術はタルク、ミノサイクリン、OK432(ピシバニール)などを行ったことがある。当院でできなくはないが、脆弱な肺だとうまくできるかどうかわからない。呼吸器外科もいる病院で施行してもらったほうがいい。

  

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初心者向け「脊椎の本」

2022年11月25日 | Weblog

 外来をやっていて、腰痛や下肢痛を相談されることがある。整形外科は外来はあるものの、常勤で相談できる先生はいない。

 何でも紹介というわけにもいかないので、ある程度見当をつけて、必要に応じて紹介としたい。脊椎外科の本でわかりやすいものはないかと思っていた。

 あった。非専門医(他科?)向けの本で、これなら読了できそうだ。

速考! 脊椎外来診療エッセンス

 

 腰痛・(脊椎由来の)下肢痛の患者さんには、単純X線では対応できないので、MRIが必須になる。市内の整形外科医の先生方から当院に腰椎MRIの依頼をしていただいている。

 

 70歳女性が、前日に転倒してから腰痛が続いて、日曜日に地域の基幹病院の救急外来を受診した(歩いての受診)。単純X線くらい撮影したかもしれないが、詳細はわからない(鎮痛薬の処方だけらしい)。

 動くのが大変と訴えて、月曜日に当院の内科を受診してきた。担当医(大学総合診療科)が腰椎X線を撮影して、第2腰椎が少しつぶれているように見える。腰椎MRI検査を予約して再受診とした。

 MRIで第2腰椎の圧迫骨折(単なる圧迫骨折というより壊れてるが)を認めた。現在、整形外科での入院はとれないので、保存的治療になる場合は内科系で診ている。(T1、T2、T2脂肪抑制)

 慢性腎臓病もあるためか(血清クレアチニン3~4mg/dl台)、腎臓内科の先生に入院依頼がいって入院となった(若い先生が2名いるので、一般内科も診ている)。

 緊急で椎体形成術を行っている施設はこの地域にはない。保存的に診るだけだと1か月程度の入院になるので、急性期病院では圧迫骨折の入院はいやがるようだ。 神経症状がなく、保存的に診えだけならば、当院は1か月単位の入院は問題ない。

 

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脳幹梗塞

2022年11月24日 | Weblog

 先々週(11月9日)、施設に入所中の102歳女性が構語障害で受診した。救急当番だった外科医(大学病院外科)がMRI検査をして、脳幹梗塞(左橋)を認めた。

 内科の入院当番は腎臓内科の若い先生だったので、脳梗塞として入院させていた。102歳なので病状急変もあり得ますとは、家族に伝えていた。超高齢者が普通の当院としても最高齢になる。

 亀背著明で仰臥はできず、側臥位になっている。車椅子にはうまく治まるようだ。意識はこの患者さんなりに清明で、バイタルは問題なかった。

 食事摂取できない可能性もあったが、点滴で経過をみて嚥下訓練を行うと、嚥下調整食3を摂食できるのだった。もともと動きは全介助なので、それ以上のリハビリは必要がない(関節拘縮予防は必要)。

 家族は入院よりも施設での生活を希望している。施設で介護調査に来てもらって、退院の予定となった。脳幹梗塞をものともせず、丈夫なものだ。

 腎臓内科の若い先生が、上下肢MMTは3以上と表現していた。確かに、指示で手足を動かすが、102歳の筋力ではどのくらい抵抗に逆らって動かせるかの判断は難しい。肩・肘・手と関節を分けて表現するのも難しいから、その表現でいいのかもしれない。 

 

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外来アセスメントに迷う

2022年11月23日 | Weblog

 火曜日に、COVID-19に罹患した93歳男性の外来アセスメントを保健所から依頼された。入院適応がなければ、ケア付き施設に入所予定だった。

 2日前に発症(発熱、鼻汁、喀痰)して、前日に他院の抗原検査でCOVID-19と診断されていた。ふだんは居住していない町(ちょっ遠い)の医院から高血圧症などの処方を受けている。現在はやめているが喫煙歴があり、肺炎で入院した既往もあった。

 COVID-19の外来アセスメントは、症状・バイタル・胸部CT・血液検査で行っている。2室あるCTのふだん使用していない方を使用して、そこで採血も行っている。

 胸部CTでは両側肺野に気腫性変化を認めて、慢性閉塞性肺疾患(肺気腫)があった。右肺に索状影があり、陳旧性の陰影と判断された。

 左肺下葉に索状~斑状の陰影があり、そのまま解釈すれば肺炎の浸潤影だが、ちょっと引きつったというか固い印象がある。陳旧性の陰影が残存したのかもしれない。

 臨床的には解熱していて、食事摂取もできる。自覚症状もきちんと表現できていた。血液検査では白血球4200・CRP3.2と軽度の炎症反応だった。コロナとして矛盾しない。細菌性で3日目だともう少し上がるのではないか。

 臨床的判断を優先して、予定通り施設療養として、当院入院としなかった。もっともアセスメントの報告を出す直前に、保健所から気管支喘息でステロイド内服・分子標的薬を使用しているCOVID-19患者さんの入院依頼が来て、残っていたコロナ病床の空きがなくなってしまった。

 コロナとしてパキロビッド内服(腎障害用)と経口抗菌薬内服を処方して(保険をかけて)、上記のコメントと病状悪化時は再評価が必要と報告した。

 

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糖尿病腎症・ネフローゼ

2022年11月22日 | Weblog

 月曜日の午後、急性期病棟で入院した患者さんが37℃台の発熱があると、もめていた。

 患者さんは50歳男性で糖尿病外来(大学病院糖尿病代謝科から)に通院していた。体重が150kg(身長177cm)だった。腎症で血清クレアチニン1.8~1.9mg/dlだったが、直近では3mg/dl台に悪化していた。利尿薬(フロセミド20mg)も処方されていた。

 糖尿病は10年間の放置の後、10年前から治療が開始されていた。現在はDPP4阻害薬+メトホルミン+SGLT2阻害薬でHbA1c8.0~9.3%だった。(メトホルミンは中止だろう)

 その日の午前中に呼吸困で救急搬入されて、ちょうど腎臓内科の若い先生が救急当番だった。腎臓内科にネフローゼ症候群として入院となっていた。

 ここ1年は血清アルブミン3.1~3.3g/dl・尿蛋白4~12g/gCrで推移していた。胸部X線・CTで以前から心拡大はあるが、胸水も伴っている。

 肥満だけでも微熱になりそうで、心不全でも微熱くらいは伴う。搬入時にコロナの抗原定性試験を行って陰性となっていたが、前週に地域包括ケア病棟でコロナのクラスターが出たこともあり、病棟では(他に原因となる感染症の病名がついていないと)心配なのだった。

 通りがかりのコロナ担当として、院内でできるPCR迅速試験を追加で提出した。結果は陰性で、病棟としては安心したようだ。(行政検査のPCRより感度は落ちるが、「PCRが陰性」ということでの安心感らしい)

 

 以前腎臓内科の常勤医が不在だった時に、同じような肥満の糖尿病腎症・ネフローゼの患者さんを入院の時に担当していた。血清クレアチニンはまだ透析導入するほどではないが、除水のために早めの導入になるかもしれない、と非常勤の腎臓内科医にいわれていた。

 生活習慣の問題もあるのか、入院して腎臓内科の指示で利尿薬を増量して経過をみると、時間はかかったが浮腫は軽快していた。その数年後には透析導入になっていた。

 入院時、浮腫込みの身体が大きすぎて、便器に座るのが困難だった。陰嚢浮腫もかなりのもので、看護師さんからあのタヌキの置物のようといわれてしまった(こらこら)。

 

 腎臓内科医(3か月交代で当院勤務)の所属する大学病院の腎臓内科に搬送したほうがいいのでは、という話になっていた。

 

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コロナワクチン5回目

2022年11月21日 | Weblog

 先週の土曜日にコロナワクチン5回目を接種した。市の大規模接種場で受けた。

 ファイザー社オミクロン株BA1対応のワクチンだった。BA4/5対応のワクチンを接種している会場は、すぐに予約がいっぱいになっていて、とれなかった。

 12月からはBA4/5対応ワクチンを使用する会場が多くなるので、そこまで待つかとも思った。予約をとっていたことと、4回目接種から5か月経過していたので、「受けるワクチンを早めに打つ」ということだったので、そのままBA1対応となった。

 

 居住地近くの比較的小規模の会場で駐車場が狭かった。少し早めに行ったら、駐車場の整理員から、もう少ししてから来るようにと言われた。近くの路上で15分ほど待って、接種時間10分前に会場に入った。

 たぶん大学病院からバイトで来ていると思われる若い先生にサインしてもらって、午後6時に接種した。筋注だと服をまくれないので、シャツ1枚になって受けた。

 

 その日は特に症状はなかった。翌日曜日の朝は37.3℃だったが、自覚症状はほとんどなかった。その日は副反応で外出もできないので、内科学の展望をwebで見ることにしていた。

 お昼に37.6℃になり、倦怠感があった。昼食は半分も食べられない。午後には38.4℃になって、倦怠感が強く横になったりしていた。夜は37.6℃になって、発熱に慣れたせいか、それほど苦にならなかった。

 今朝は36.9℃で倦怠感はほとんどなかった。微熱ととれなくもないが、明らかにワクチンの副反応で、午後には平熱になると思われるので、普通に病院に出てきた。

 

 コロナワクチンは1回目の時はほとんど副反応はなかった。注射部位の疼痛・腫脹・熱感は4~5日あった。2回目の時は、翌日の午後に倦怠感と熱感を感じて、体温を測定すると37.6℃だった。

 3回目は翌日に発熱があると予想していて、やはり37.6℃の発熱と倦怠感があった。3回目までは病院内での接種だった。

 4回目は大規模接種会場で受けた。翌日発熱は37.6℃で倦怠感がひどかった。体温測定は1回しかしなかったので、もっと上がっていたのだろう。土曜日に受けて、日曜日は1日寝込んで、幸い月曜には回復した。

 

 5回目は4回目とほぼ同じ程度か、倦怠感が多少ましだったかという副反応だった。注射部位の症状は1回目、2回目の時がひどかった。夜寝返りをして注射部位が下になると痛みで起きたりしていたから。

 注射部位の症状は多少痛くて、多少腫れてはいるが、それに比べるとかなり軽度になっている。全身症状は強くなっていて、局所症状は軽くなるのが不思議な気もする。

ファイザー社のオミクロン株対応ワクチンの副反応の頻度(CDC.ACIP2022年9月1日会議資料より)

 

 ICTのラウンドと会議に来てもらっている感染症の先生に、BA1対応とBA4/5対応の効果の違いを訊いたが、BA4/5対応ワクチンの効果はまだ発表されていないので、わからないと言われた。理屈からいえば、現在のBA5に対する効果は高くなっているはずだ。

従来のmRNAワクチンとオミクロン株BA.1対応ワクチンのBA.1とBA.5に対する中和抗体の推移(CDC.ACIP2022年9月1日会議資料より)

 

 ネズミの実験ではBA1対応とBA4/5対応ではBA5に対する効果に違いがなかったそうだ。(忽那先生のYahoo newsによる)ネズミでいわれても・・・。

 

 院内での接種も予定していたが、1)配給されるのはモデルナ社のBA1対応ワクチンで、副反応が強いと思っている人が多かった、2)ファイザー社製BA4/5対応ワクチン接種を希望する人が多い、という結果だった。

 地域の基幹病院に訊いたところ、院内での接種は予定していないという。それもあり、当院も当面は院内での接種はしない方針となった。(ファイザー社のBA4/5対応ワクチンが入ることなれば、するかもしれないが)

 

 

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