なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

寺沢先生の講義

2013年08月31日 | Weblog

 昨日の若手医師セミナーは寺沢先生の講義だった。ERを受診する高齢者の診療についてと、診療上の守秘義務についての話をされた。後半の話は、研修医にはまだわかわないだろうと思いながら聴いていた。寺沢先生の百例帖は持っている。御法度もすでに第五版になった。寺沢先生に直接指導を受けられる人は少ないので、御法度の内容について、症例を使った講義をケアネットのDVDとして出してほしい。

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肺癌緩和ケア中の急変

2013年08月30日 | Weblog

 入院していた87歳女性が急に呼吸困難となった。胸部X線では右胸水の量も変わらず、肺炎を併発したのでもなかった。入院してから2か月近くたつので、先週息子さんからこのまま入院させてもらえるんでしょうかと聞かれたところだった。DPC病院だが、当院は入院期間には緩いので、「気にしないでください。自宅に帰せる状態ではないので、このまま入院継続します」と伝えていた。痰がつまったようでもない。癌性リンパ管症になっているのかもしれないが、確定もできない。酸素吸入で落ち着いたので、経過をみることにした。食欲不振で前回入院して、ステロイド投与で軽快していったん退院しての再入院なので、もともと今回は最期まで入院のつもりだった。

 癌性胸膜炎・癌性心膜炎で発症した肺癌の75歳女性も数日前から全身状態が悪化して、食事もとれなくなってきた。昨夜から酸素飽和度が低下して酸素吸入増量となった。薬も飲みにくくなって、オキシコンチン内服からフェントステープ貼付に変更していたが、それに塩酸モルヒネの持続点滴を併用することにした。どちらの患者さんも週末中かなと思われる。予想された急変だった。

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久しぶりの肝膿瘍

2013年08月29日 | Weblog

 糖尿病で内科医院に通院している68歳男性が発熱で救急搬入された。救急当番の循環器科医がCTを撮ってみると肝臓内に腫瘤を認めた。相談されたので造影CTを追加すると、周囲が濃染されて内部は造影されず、肝膿瘍と判断された。肝膿瘍は2~3年ぶりくらいだろうか。消化器科で診てもらった。ドレナージについて外科とも相談して、まずは抗菌薬で経過をみることになった。化膿性でよいと思うが、フラジールも併用する方針となる。

 80歳女性が内科医院からの紹介で受診した。3週間症状が続いているという。症状は鼻汁・鼻閉・咽頭痛・咳で、咽頭痛と咳は軽快したが、鼻の症状が続いていて、微熱・倦怠感もあるという。鼻汁は透明で黄色ではない。急性副鼻腔炎というほどではないようだ。念のため胸部X線もみたが、肺炎はない。微熱は微熱だが、平熱が35.5℃で、36℃前半ということだ。食欲もある。炎症反応は陰性だった。上気道炎としかいえないので、経過をみてもらうことにした。

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びまん性肺胞出血、総胆管結石

2013年08月28日 | Weblog

 80歳男性が基幹病院呼吸器科からの紹介で今日当院に転院してきた。心房細動・脳梗塞(塞栓)でそこの神経内科に通院していた。呼吸困難で救急搬入されて、すぐに気管支鏡検査を行ったそうで、画像で普通の肺炎ではないと判断されたのだろう。ステロイド(プレドニン)投与で症状が軽快して、免疫抑制剤は使用しなくて良くなったと紹介状に記載されていた。しばらく臥床生活が続いて、歩行が困難になり、リハビリ目的で当院転院となった。プレドニンは漸減して現在30mg/日。ということは、開始量の記載がないが60mg/日くらいだろうか。1~2か月間のリハビリ予定だが、一人暮らしなので相当動けるようにならないと帰せない。

 今月初めに総胆管結石・急性胆管炎で入院した91歳女性が高熱で受診した。今度胆管炎を起こしたら、内視鏡的総胆管結石摘出術を行っている病院に紹介することにしていた。難聴があるがものの、ちゃんと自力歩行している方だが、はたして引き受けてくれるだろうか。

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心不全、胃スキルス、誤嚥性肺炎

2013年08月27日 | Weblog

 61歳女性が両側下腿の浮腫で内科小児科医院から紹介されてきた。一見して甲状腺機能低下症がという印象を受けたが、連れてきた叔父の話ではもともと精神遅滞があるという。甲状腺機能は正常域だった。心拡大はあるが、肺うっ血は目立たない。酸素飽和度は正常で、労作時の息切や動悸はない。高血圧で降圧剤を4種類処方されているが、それでもまだ血圧は高めだった。心電図はほぼ異常なし。高血圧症性心疾患としての心不全のようだ。利尿剤少量から開始して、循環器科に心エコーを依頼した。

 80歳男性は以前C型肝硬変で入院したが、意外にも改善して退院した。その後内科医院(消化器内科出身)に戻したが、経過はよかった。食欲不振で内視鏡検査をすると胃粘膜の不整肥厚があり、当院にまた紹介されてきた。当院の消化器科で内視鏡検査をしてスキルスと診断された。手術は希望せず、経過をみていたが、今月になって食欲不振が悪化してきた。消化器科医が外来で点滴をしていたが、今日は内科に来た。付いてきた妹(元看護師)は、本人がもう少し自宅で過ごしたいと希望しているので、そうさせたいという。内科の方がいつ受診したも点滴の指示がすぐに出るので、点滴を希望する時に外来に来てもいいことにした。ステロイドを開始して、すこしでも食欲不振や倦怠感がすこしでもとれるといいが、何とも言えない。

 脳梗塞後遺症で胃瘻造設した89歳女性が、近くの診療所から誤嚥性肺炎で紹介されてきた。前回退院後、案外肺炎もなく過ごせていた。久しぶりに診たが、前回退院時とそう変りなかった(もともと高齢なので)。肺炎はそれほどひどくないが、肝機能障害があり、腹部エコーやCTで胆道系の拡張はなかった。診療所で処方したクラビットのためかもしれないが、確定はできない。入院で経過を見ることにした。

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肺炎の高齢者、アナフィラキシーの17歳

2013年08月26日 | Weblog

 内科医院から肺炎の78歳男性が紹介されてきた。年齢以外は問題なく、外来でも治療できそうだが、慎重に入院とした。17歳男性はアナフィラキシーショックの既往歴があり、ずっと小児科で診ていた。15歳を過ぎてからも、ショックまではいかないが、時々喉頭違和感や膨疹が出現していた。先週2日続いて、いったん軽快して、また眼瞼の腫脹が出たという。小児科ではショックまでいかない時には、デカドロンを内服するように言われていた。アレルゲンは不明だという。食物依存運動誘発と思われたが、はっきりしない。アレルギーの専門医は遠方にしかいない。親に教えておいたが、行くとも思えない。希望の、もうなくなったというデカドロンを出した。小児科医もエピペンを処方するかどうか迷っていたらしい。

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感染症の講演

2013年08月24日 | Weblog

 今日は感染制御ネットワークフォーラムに行ってきた。午前中用事があったので、午後のセミナーのみ聴いた。何人かの講演がある時は、その中のひとコマかふたコマいいのがあれば良しとしたものだ。今回は具芳明先生の皮膚軟部組織感染症が収穫だった。丹毒と蜂窩織炎と壊死性軟部組織感染症の違いをわかりやすく説明していた。今顔面丹毒の治療をしているのでよけい興味がわく。声の通りも良く、ゆったりとした話し方をしていた。講演・講義が上手な先生のようだ。院内の勉強会でお呼びしたいと思いながら聴いていた。

 この週末は村川先生の「循環器治療薬ファイル」を読んで過ごすことにした。まだ暑いがピークは過ぎたようだ。アマゾンで1ダース単位で買った、伊藤園の麦茶のペットボトルがまだ残っている。

 

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精神科病院に転院

2013年08月23日 | Weblog

 殴る蹴ると不穏だった78歳女性は精神科病院の外来を受診して、そのまま入院となった。診てくれた精神科医がこれではお困りでしょうと引き取ってくれた。受診させるまで大変で、車椅子に乗せるのに男性3人がかりだった。自宅の車ではいけないので、介護タクシーを要請した。今注射で眠っていますということで、さすが専門だなあと感心していた。

 昨日は2名の入院があり、そのあと夕方施設に入っている85歳男性が受診した。この方も不穏があり、自分で歩けるので、入院治療は大変と思われた。内科病棟が上記の患者さんのことで、疲弊していたこともあり、低酸素血症ではないので外来で抗菌薬を点滴して、翌日の状態で入院するかどうか考慮しますということにした。今朝コーヒー残差様のものを嘔吐したという。これで入院決定となった。ナースステーション隣の個室に入院とした。さすがに今現在は元気がないが、入院治療して元気になった時にどうなるか。

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殴りかかる高齢女性

2013年08月21日 | Weblog

 今日は内科再来が多かった。認知症の78歳女性の暴力行為(周囲の人を殴る)と独語がひどくなった。週末に退院して精神科受診予定だったが、精神科病院が土曜日に初診は見ないことがわかって、金曜日に受診できるかどうか娘さんと息子さんで話し合ってもらうことにした。認知症の周辺症状で困ってから、精神科クリニック(他市にある)に通院していたが、入院も考慮すると市内の精神科病院の外来の方がよかったということになる。

 85歳男性が数日前から食欲不振が続いて動けなくなり、家族が救急要請した。慢性閉塞性肺疾患(COPD)で内科クリニックに通院していたが、1週間前に両側下肢の浮腫があるという訴えで当院内科外来を受診していた。心不全はなかった。、低カリウム血症があったがカリウムが下がる処方は入ってなかった。アルダクトンA25mgで経過をみることになっていた。胸部X線・CTで肺炎はなく、気腫性変化が目立った。腹痛はなく、CTで見る限りでは明らかな異常を腹部に認めない(あまりあてにならないが)。体温は37.0℃で、CRPが18と上昇していた。気道感染を起こしている可能性があるが、他の感染症も否定できない。動けないのは確かなので、入院で点滴と抗菌薬投与(何と狙ってと言われると答えにくいが、気道感染としてセフトリアキソン)で経過をみることになった。

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肺炎は軽快、低血糖の1型糖尿病

2013年08月20日 | Weblog

 右肩痛で受診した右下葉肺炎の41歳女性は解熱して、体調も良くなっていた。今日来院して胸部X線と血液検査(WBC、CRP)を再検した。肺炎の浸潤影はそれほど変わらなかったが、炎症反応は改善していた。抗菌薬内服を追加して飲みきり中止とした。

 1型糖尿病で通院している40歳男性が内科再来を受診した。検査室から血糖(随時)が32mg/dlと低血糖になっていると連絡が来た。患者さんに確かめてみると、少し汗をかいているが、普通にすわって順番を待っていた。看護師さんが具合を聞くと、ちょっとおかしいという。少し精神遅滞のある方で、自覚症状があてにならない。すぐに処置室に入れて、グルコース10gを2回内服してもらった。午前11時過ぎで昼食には早いが、売店で弁当を買ってきた食べてもらう。食後すぐだったので、血糖が71mg/dlとそれほど上がっていなかった。インスリン強化療法をしているが、昼のノボラピッドはなしにした。ずっと空腹時血糖が120~130mg/dlでいいので、ランタスはそのままとして、毎食前のノボラピッドを朝昼夕とも2単位減量とした。6単下げるのはやり過ぎかもしれないが(血糖が100未満の時はさらに2単位下げるように指示した)、、この患者さんでは極力低血糖を避ける必要がある。HbA1cが珍しく下がっている。インスリン強化療法にしていて、食前血糖が120~130mg/dl程度でもHbA1cが11~12%と改善していなかったが、初めて下がった。

 入院中の昨日高熱を呈した膵癌緩和ケアの男性は、抗菌薬投与で今日は解熱していた。正しくはfever work-upをする必要があり、血液培養2セット提出すべきだが、胆道感染としてさっさと抗菌薬を入れてしまった。今日の胸部X線で肺炎はなく、炎症反応と肝機能が上昇していた。使った抗菌薬も何かと批判のあるスルペラゾンだが、感染症診療の理想通りにはいかない。ちゃんとしなかった理由は昨日は用事があって、午後5時半に病院を出たからだった。良い子は真似をしないように。

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