なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

糖尿病性ケトアシドーシス

2019年01月29日 | Weblog

 肺癌でがんセンター通院中の肺炎、S状結腸憩室炎、数日食事摂取できなくて腎前性腎不全を呈した肺炎、などの患者さんを外来で診ていると、救急当番の外科医から連絡がきた。

 動けなくなって救急搬入された65歳女性が、高血糖を呈しているという。血糖684mg/dl・HbA1c16.1%だった。一人暮らしで、夫はすでに死去して、娘さんが県外にいるそうだ。両親が糖尿病かどうかは不明だが、動けなくなっているのを発見して救急要請した兄は糖尿病で通院している。患者さん本人はこれまで健診も受けず、通院もしていなかった。家族歴のある糖尿病の患者さんが、放置していてここまで悪化したということになる。腹部CTで膵癌は認めなかった。

 意識はぼんやりはしていたが、姓名・生年月日は言えて、見当識障害もなかった(JCS1程度)。末梢血で血液濃縮があり、血液ガスでpH7.270・HCO3 8.2・PaCO2 18.7と代謝性アシドーシスを呈している。尿ケトン体(3+)。糖尿病性ケトアシドーシスだった。

 地域の基幹病院に糖尿病科の先生が2名いらっしゃるので、連絡したところ診てもらえることになり、救急搬送となった。ケトアシドーシスを脱したら、その後は当院転院になりそうだ。

 

 外来で診ていた患者さんたちは腎不全の肺炎は入院となった。肺癌・肺炎の患者さんは来週にがんセンターの予約が入っていることもあり、外来治療で軽快しない時に入院の方針となった。まあ肺炎が治らないと化学療法もできない。

 S状結腸憩室炎の患者さんは家庭の事情でできれば外来で治療したいと希望された。炎症反応は軽度だが、入院が好ましいとはお話した。こちらも抗菌薬の点滴静注をして、内服で経過をみることにした。

 4名続けて入院になるかと思われたが、1名の入院になった。外来治療のあと2名も今週中に入院になる可能性があるが。

 

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