なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

発熱外来

2024年04月30日 | COVID-19

 5月初めにがんセンター主催の感染対策合同カンファランスがある。がんセンターに当院を含む3病院が参加する。

 他の病院はけっこうきちんと院内の感染対策を発表されるが、当院は院内のICT会議の資料をちょこっと出すだけで、一番内容がない。他の病院は発熱外来は行っておらず(診療科の関係)、発熱は当院だけが行っている。多少興味をもってもらえそうなのは、そのくらいしかないので簡単に紹介することにした。

 

 4月15日(月)から4月21日(日)までで、発熱外来受診者は44名だった。第10波時と比べると大分少ない。そのうちCOVID-19罹患が11名で、インフルエンザB型罹患が2名だった。

 その他の上気道症状での受診が13名あった。コロナとインフルエンザの迅速検査の感度の問題があり、低く見積もると60%で高く見積もると90%になる(受診するタイミングで違う)。コロナだったが、検査陰性が混じっている可能性がある。

 COVID-19は発症前日に感染性のピークがあるので、症状があれば陽性には出やすいはずではあるが。(インフルエンザは発症後に感染性ピーク)

 他には、細菌性扁桃炎・下痢嘔吐・蜂窩織炎・胆管炎・痛風発作・薬剤熱などがあった。呼吸器症状がなくても発熱外来を通すことになっているので、とりあえずの検査が入って来る。(耳鼻咽喉科では発熱がなくても上気道症状があると、最初発熱外来に回している)

 

 4月22日(月)から4月28日(日)では、発熱外来受診者が26名だった。そのうちCOVID-19罹患が8名で、インフルエンザはいなかった。

 その他の上気道症状での受診が8名あった。他には、尿路感染症・細菌性扁桃炎があり、亜急性甲状腺炎・肩関節炎・鼻出血(出血してない鼻腔で検査したのだろう)もあった。

 

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8日目の発熱(続き)

2024年04月25日 | COVID-19

 4月18日に入院した87歳男性はレムデシビル点滴静注を開始して、翌日にはほぼ解熱した。その後は36℃台から37.0℃くらいで経過した。

 食事摂取も良好で、500mlの点滴は4日で中止した。レムデシビルは5日間の投与とした。入院4日目の4月22日には入院は退屈で退院したいという。23日まで点滴予定なので、その後は数日経過を見て退院を決めたいと伝えた。

 4月24日(発症13日目)に血液検査を再検すると、白血球3800・血小板14.6万と白血球減少・血小板減少は改善してきた。CRPは2.6と軽度に上昇した。Dダイマーは0.6、LDHは200と正常域で、血清フェリチンは500と上昇していた。

 胸部CTを再検してみると、右肺下葉背側を中心に索状の印象もあるすりガラス陰影が散在していた。痰が出るようになったといっていたが、透明な喀痰だった。

 

 短期間ステロイドを投与するか、そのまま経過をみるか迷った。大学病院から呼吸器外来に来てもらっている先生に相談した。

 本人は今週始めから退院する気満々で、発熱・酸素飽和度低下はなく、食欲良好なので退院とした。ステロイドなしで次週外来で再検とした。

 

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8日目の高熱

2024年04月24日 | COVID-19

 4月19日(金)にCOVID-19に罹患した87歳男性が救急搬入された。

 4月12日に、前立腺肥大症で通院している泌尿器科クリニックを受診した。微熱があり、新型コロナの検査(迅速検査)をすると陽性と診断された。

 妻も検査して陽性だった。同居も息子夫婦は陰性だったそうだ。本人はその後発熱はなかったという。その日(19日)突然39℃の発熱があり、救急搬入となった。その日は食欲がなかったが、歩けなくはない。

 外科の非常勤医が救急担当だった。連絡が来て、病棟は入院可能といわれたので、発熱外来担当の先生に連絡しましたという。その日の発熱外来担当ではなかったが、新任の腎臓内科医が担当だったので、救急の看護師さんが当方に連絡するよういったらしい。

 外来にある新型コロナ用の部屋に行くと、患者さんは案外元気だった。酸素飽和度は97%(室内気)で酸素吸入は不要だった。

 胸部CTを撮影すると、右肺下葉背側胸膜下に淡いすりガラス陰影があった。葉間胸膜と左肺にもわずかに陰影があった。白血球1500・血小板10.7万と白血球減少・血小板減少を認めた。

 武漢株だと1週間目から肺炎が出現して悪化するが、オミクロン株以降ではもっと進行は速いはずだ。発症まもないような所見だった。

 8日目だが、ウイルス期として抗ウイルス薬(レムデシビル)を開始した。翌日には解熱して、食事摂取もできるようになった。

 4月22日(月)には、本人が良くなったので退院したいというが、翌23日までレムデシビル5日間の点滴は継続とした。遅れて肺炎を来しているので隔離期間は10日間ではなく、ウイルス感染遷延として14日とした方がいい。

 

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いつまでコロナ?

2024年03月24日 | COVID-19

 3月21日(木)に入院している患者さんが発熱して、コロナの迅速検査が陽性になった。もともと1か月前にCOVID-19に罹患した患者さんだった。

 糖尿病性腎症・腎不全で透析クリニックに通院して血液透析を受けていた。2月に地域の基幹病院整形外科に入院して、腰部脊柱管狭窄症の手術を受けた。

 入院中の2月24日に発熱があり、COVID-19罹患と判明した。2月27日に酸素飽和度低下・意識レベル低下があり、胸部CTで胸水貯留・肺水腫・肺炎像を認めた。「肺炎はCOVID-19肺炎とも細菌性肺炎どちらともいえる所見」とされた。

 「肝機能障害で抗ウイルス薬は使えず、抗菌薬を投与した」とも記載されている。週3回の透析が病院の都合で週2回で行っていて、溢水によるうっ血肝だったらしい。

 3月7日に当院に転院してきて、腎臓内科の若い先生が担当していた。入院時から断続的に発熱(37℃台)が続いていて、肺炎の治療を継続していた。

 そして3月21日は38℃を越える発熱があった。入院患者が発熱すると、ほぼ自動的にコロナの迅速検査が行われる。コロナの迅速検査(抗原定性検査)が陽性と出た。これはどう解釈すべきかと、病棟の看護師さんが悩んでいた。

 

 転院前の3月6日(発症後11日目)に先方の病院でコロナのPCR検査をしていた。結果は陽性で、Ct値が23.50となっていた。この値だと感染性あり、となる。肺炎がひどいと感染性がなくなるまで2週間かかるそうなので、ありうることだった。

 それでは3月21日(発症後26日目)の抗原定性検査陽性は解釈されるのか。ちょうど感染管理で大学病院感染症内科の先生が来ていたので訊いてみた。

 PCRのCt値は、35以上ならば感染性なしと判断できるが、25~30では感染性はある(残っている可能性がある)そうだ。外注になるが、PCR検査を提出してCt値を見れば感染性の判断がつくだろう、といわれた。(Ct値で確定はできないので、あくまで参考値)

 

 透析を週3回行って、肺うっ血・胸水は軽快している。そうなると肺陰影は、COVID-19の炎症期としての間質性肺炎となる。

 それにしても、病状が不安定なままの転院ではあった。(地域包括ケア病棟やリハビリ病棟への患者さん供給源の病院なので、基本的には助かっている)

 

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新型コロナの持続感染

2024年03月06日 | COVID-19

 倉原優先生のYahoo Japan!ニュースに新型コロナウイルスの持続感染の記事が載っていた。

 初期のころの退院基準に「PCR検査の陰性確認」があった。大抵はPCR陰性で普通に退院にできていたが、思いのほか陽性が続いて、なかなか退院させられないことがあった。

 施設から来た高齢女性は30日くらい陽性が続いて、本人はすっかり元気になっているのに退院させられない、という状況があった。当院の最高記録は、何度PCR検査を行って陽性が続いて、54日目でやっと陰性確認できたというもの。

 「ウイルスはいなくなっているが、PCRの残骸が残っている」と解釈されていたが、ウイルスがいないのに、遺伝子(RNAの残骸)が鼻咽腔に残り続けるというのは本当だろうかと思った。

 実際はウイルスがまだいて、RNAを作り続けている(正確には作らせ続けている)ということなのだろう。

 当時退院基準の参考に抗原検査を行うことはしていなかったが、おそらくそれだと陰性になり、感染性はほぼなくなっていたはずだ(正確には、「感染伝播リスクがきわめて低い」)。

 コロナの診療の手引きの隔離期間には、「感染性がなくなったとするのに、抗原検査(の陰性化)を参考にすることも選択肢としている」とある。問題は感染性の有無なので、それが妥当なのだと思う。

 最近では、関節リウマチで免疫抑制剤を使用(メソトレキサート4mg/週、プレドニン2mg/日)している88歳女性が、COVID-19 で入院した。免疫抑制剤を使用していると、ウイルス生存期間が3週間になるとされている。

 14日目の抗原検査も陽性となっていた。担当医が、大学病院から呼吸器外来に来ている先生(感染症内科)に相談すると、もう解除でいいでしょうといわれた。看護の手がかかるので、なるべく早く隔離解除にしたい患者さんだった。(本当に大丈夫かとは思った)

 

Yahoo Japan!ニュース 倉原優先生 2024年2月28日

新型コロナ後遺症の解明に糸口 感染者の一部は1か月以上続く「持続感染」だった

 

 新型コロナで入院する患者さんの多くは、いろいろな基礎疾患を持っています。心臓や呼吸器の病気、糖尿病などを持っている人は肺炎を起こしやすいとされています。ほとんどの方は、入院後数日で軽快しますが、海外の研究では「持続感染」というものが存在することが分かっています。これが新型コロナの後遺症リスクを上昇させることが示されました。

パンデミック初期を振り返る

 まだそれほど感染者数が多くなかった初期、退院基準には「PCR検査の陰性確認」というものがありました。PCR検査は、ウイルスの残骸を検出するため、感染性がなくても陽性になります。そのため、現在は陰性化を確認する必要はありません。

 アルファ株やデルタ株が流行して、肺炎の頻度が高かった2021年の春~夏に、何か月もPCR検査が陰性化しない患者さんがチラホラいました。微熱が続いたり、肺炎を繰り返したりする事例があり、隔離を解除してよいものか悩ましいこともありました。

 当初から、抗がん薬など免疫を抑える治療を受けている人において、まれながらも「持続感染」が起こるのではないか、と考えられてきました。

 オミクロン株の登場によってウイルスは弱毒化し、この議論は医療従事者の間でもやや下火になったと思います。しかしその後、後遺症(罹患後症状)が注目され、どうやらその一端を持続感染が担っていることが明らかになりつつあります。

ウイルスの「持続感染」

 約9万人のウイルス配列を解析した結果がトップジャーナルであるネイチャー誌に掲載されました(2)。

 これによると、少なくとも30日間持続する高力価の新型コロナウイルスを有する381人のうち、54人が少なくとも約2か月持続するウイルスRNAを有しているようです。つまり、体内でウイルスの複製が持続しているという意味です。

 感染者全体で推定すると0.7~3.5%が30日以上、0.1~0.5%が60日を超えて持続感染することが分かりました。つまり、29~100人に1人が、1か月以上持続感染していることを意味します。個人的には意外と多いなと感じました。

 また、新型コロナの持続感染者は、そうでない感染者と比べると、3か月時点での後遺症を自己申告する割合が1.55倍だったとされています。持続感染が新型コロナの後遺症リスクを増加させていることは間違いなさそうです。

 とはいえ、持続感染だけで後遺症のすべてを説明できるわけではなく、インターフェロンγ(ガンマ)という炎症性タンパクが長らく体内でつくられることも影響しているという研究結果も最近示されています(3)。

 この研究では、感染後にワクチン接種を受けた人において、後遺症の頻度とインターフェロンγ産生量が有意に減少しており、感染後のワクチン接種にも一定の意義があることが示唆されます。

 

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低カリウム血症、代謝性アルカローシス

2024年03月04日 | COVID-19

 2月24日(土)の午後9時過ぎに、自宅で転倒した91歳女性が救急搬入された。後ろ向きに倒れて、後頭部を家具に打撲して切創ができていた。

 当直は小児科医で、大人の縫合を久しぶりに行っていた。頭部CTで頭蓋内に出血は認めなかった。帰宅させようとしたが、一過性の意識消失があった。呼吸が弱いように見えた。

 静脈血ガスでPaO2 21.1・PaCO2 70.8・pH 7.544・HCO3 62.3・BE 35.1と代謝性アルカローシスを認めた。高二酸化炭素は代償性の変化?。さらに血清カリウムが1.4と著明な低下を認めた。

 25日(日)は日直で出ていた。前日入院させたこの患者さんを申し送られた。検査は静脈血ガスだけだったので、画像検査と血液検査を行った。心電図では有意な異常がなかった(低カリウムが続いていた?)。

 CT画像では右肺下葉に肺炎像があった。全体に気腫性変化が軽度にあるようだが、喫煙者ではなかった。亡くなった夫はヘビースモーカーで、現在同居の息子も喫煙者だった。(以前非喫煙者の妻が夫の喫煙で明らかな肺気腫を呈していたことがある)

 内科医院から利尿薬(アゾセミド30mg)が処方されていて、低カリウム血症はそのためかもしれない(ARBも出ているが)。浮腫はなく、むしろ脱水傾向だった。

 カリウムの補充はしていなかったので、カリウム製剤の点滴に混合して補正することにした。肺炎の治療も開始した。

 26日(月)も血清カリウム1.5と変わらなかった。腎臓内科の若い先生のアドバイスで、血清マグネシウムを測定すると、1.3(1.8~2.6)と低値で難治性低カリウムの条件を呈していた。

 さっそくマグネシウム製剤を補充すると、翌27日は2.4になり、28日は3.5に上昇してしまい、中止した。カリウムは27日2.4、28日3.5と上昇してきた。

 腎臓内科の先生は、利尿薬による低カリウム血症→食欲低下でカリウム摂取も低下→代謝性アルカローシス→マグネシウムも低下して低カリウムが悪化、という経過ではないかという。

 電解質異常のいい(教科書的な)症例ですね、ともいわれた。

 

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COVID-19肺炎の推移

2024年02月25日 | COVID-19

 1月5日、1月14日に記載したCOVID-19の79歳男性の画像の推移。

 

 12月29日に当院の発熱外来でCOVID-19 と診断されて、ラゲブリオ内服が処方された。高血圧症・糖尿病・認知症で市内のクリニックに通院している。

 1月4日(7日目)に体動困難で救急搬入となった。胸部X線・CTで右肺野にすりガラス陰性が散在していた。

 デキサメサゾン注8mg(6.6mg)/日を開始した。解熱して、食事摂取できるようになった。

 1月9日(11日目)に隔離解除して、一般病室(同日に隔離解除に移動した。胸部CTでは、入院に見られた右肺上葉の陰影はほぼ消失していた。(後から見ると、両側下葉背側にもやもやした陰影が新に出ていたが、背側の水分分布の影響ともとれるので、さほど気にしなかった。)

 

 5日間投与したデキサメサゾンの漸減を開始した(4mg/日を3日、2mg/日を2日の計10日で漸減中止予定)。ところがその後に発熱が見られた。酸素飽和度の軽度に低下した。炎症反応がぐっと上昇していた。

 1月12日(14日目)に再度胸部CTで確認すると、両側肺下葉にすりガラス~網状陰影が広がっていた。

 入院時から相談して指示をもらっている呼吸器外来の先生(大学病院から応援)に相談した。「武漢株」の時は再燃が見られたこともあった、という。現在の株でも「ぶり返し肺炎」があるようだ。

 デキサメサゾンを初期量の8mg(6.6mg)/日に戻すと、解熱して症状・検査値が軽快した。時間をかけて、デキサメサゾンを6mg/日、4mg/日、2mg/日と漸減してきた。

 

 胸部X線も撮影しているが、すりガラス陰影はCTで見ないとわかりにくい。1月31日(34日目)の胸部CTではすりガラス陰影は軽快して、背側に回復期の線状索状影と浸潤影様の陰影を認めた。

 

 2月21日(55日目)にも胸部CTで確認すると、さらに陰影は減少していた。ステロイドはまだ投与していて、ここからさらに漸減中止の予定とした。

 

 認知症で診断後すぐの入院を見合わせていた患者さんだった。身体抑制もあるし、向精神薬も複数使用している。さらに糖尿病はステロイド使用で悪化したので、インスリン強化療法になった。家族が在宅介護は無理ということで、施設入所の調整中になっている。

 入院時にレムデシビルを入れた方が良かったかもしれない。また、ステロイドはちょっと投与期間を長くとりすぎたかもしれない。

 

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亡くなってコロナと判明

2024年02月09日 | COVID-19

 先月末の1月31日に、その日外来予約のあった90歳女性が発熱外来に来ていると連絡があった。夫と一緒に通院しているので、夫も外来予約になっていた。

 症状は前夜からの咽頭痛で発熱はなかった。すぐに発熱外来扱いになってのは、下記の事情による。(発熱がなくても風邪症状だと、大抵は発熱外来を通すようにはなっているが)

 

 前日(1月30日)に、89歳の夫が自宅で急死した。救急搬入にならず、警察医が呼ばれて死亡確認されたそうだ。コロナの検査(抗原定性検査)が行われて、陽性だったという。(診断書はCOVID-19になっていないので、警察の検死で施行したのだろうか)

 

 夫婦二人暮らしで、子供は息子3人がいる。三男は数年前に膵癌で亡くなった。他県在住だったが、実家に戻ってきた。地域の基幹病院に紹介されていたので、当院では関わっていなかった。

 夫の運転する車で通院していたが、運転免許を更新できなくなった(審査を通らなかった)。最近は息子(たぶん長男)が運転する車で受診していた。

 その日の夜から妻も咽頭痛があった。発熱はなく、食欲低下もない。連れて来てくれている息子も風邪症状があり、他院を受診していた。そのため、孫(といっても20~30歳代くらい)が車で連れてきた。

 

 検査の結果はコロナ陽性だった。症状は軽度で元気そうだが、高齢なので抗ウイルス薬を処方した。体調不良時は連絡してもらうことにしたが、その後来ていないので順調に治ったのだろう。

 この夫婦は、妻はデイサービスやカラオケのグループに行っているが、夫は他の人がいるところに行きたがらず、まったく行っていない。

 家に行くのは、通院と買い物の世話をしている息子くらいだった。家族持ち込みの感染しかないが、症状は妻と息子の方が遅く出ている。

 コロナで亡くなったとすると、急激なウイルス性肺炎のはずだが、訴えはなかったらしい。(頑固なのと認知症もあるので、自覚症状の表現は難しい可能性はある)コロナの検査は特異度が高いので、まず診断に間違いはないはずだ。

 年齢的には、脳血管障害や心疾患で急死しても不思議ではないが、コロナとの関連はどうなるのか。(ワクチンは夫婦ともにずっと受けていた)

 

 外来でみているのは、70~80歳代の高齢者で90歳代も珍しくないので、年に1人くらいは、自宅での急死したと後でわかることがある。

 

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COVID-19肺炎

2024年02月07日 | COVID-19

 2月5日に内科の先生がCOVID-19の患者さんを入院させたかったが、病室がなかった。やむなく、その日は外来扱いで検査と治療をして、翌6日にCOVID-19の患者さんが隔離解除になった病室へ入院する予約?をしていた。

 患者さんは88歳女性で、当院のリウマチ膠原病外来(大学病院からの応援医師担当)に通院している。メトトレキサート4mg/週とプレドニン2mg/日が処方されていた。免疫抑制状態だった。

 

 1月28日に発症して発熱があった。1月30日時間外に当院発熱外来を受診して、COVID-19の迅速検査が陽性と出た。当直の腎臓内科医がモルヌピラビル(ラゲブリオ)を処方していた(腎機能障害がある)。

 発熱・食欲不振が続いていて、2月5日(9日目)にも迅速試験をして陽性だった。(陰性だったら外来の隔離室ではなく、他の患者のいる処置室で点滴するつもりだったらしい。(外来看護師長から、検査の結果によらず隔離室で点滴をしますが、それでいいかと連絡がきていた)

 免疫抑制者だと3週間くらいウイルスがいる可能性がある、ということになっている。少なくとも隔離期間は通常の10日間より長くとる必要がある。

 胸部CTでは両側肺野に胸膜下から広がるすりガラス陰影が多発している。COVID-19肺炎だった。

 まだウイルス活性があるのでレムデシビルを投与して、時期的には炎症期になるので、デキサメサゾンを使用することになる。

 

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COVID-19肺炎

2024年01月15日 | COVID-19

 高血圧症・うっ血性不全で内科外来に通院している81歳男性が、咳・痰が続くと受診した。

 この患者さんは昨年12月2日から咽頭痛があり、12月7日に近医を受診していた。コロナとインフルエンザは陰性だった。2~3日発熱があったそうだ。その後は解熱したが、咳・痰が続くと12月13日当院の外来を受診した。

 その日は発熱がなかったこともあり、普通に内科外来に回されてきた。症状を訊いて、念のためとして当院でも検査を行うと、コロナ陽性だった。

 12月2日発症で、12月13日の検査でコロナ(SARS-CoV-2)の抗原定性検査が陽性になるのも、日数的におかしい気はした。しかし、最初は普通の感冒でその後コロナ罹患というのも考えにくい。

 咽頭痛で発症して、その後発熱が2~3日あり、解熱後に咳・痰が遷延しているというのは一元的に説明できる経過だった。抗ウイルス薬を出す段階でもないので、対症療法(鎮咳剤・去痰剤)にした。

 その後、もともとの予約日の12月25日に受診した。13日は食欲があまりないといっていたが、それは消失していた。希望で鎮咳剤と去痰剤を追加した(年末年始の休み期間に入ることもある)。

 

 本日(1月15日)咳・痰が続くと、受診した。レントゲンをとってほしい、と希望された。胸部X線を見てから必要があればとも思ったが、胸部CTにした。

 CTで見ると、両側肺下葉に線状・索状影があった。COVID-19に罹患して、すりガラス陰影が出現した後の、瘢痕期の陰影に相当するのだろう。(少なくともこれまでの受診時の酸素飽和度は低下していないので軽症Ⅰ相当)

 この時期に特別な治療はなさそうだが、ステロイドの適応はあるのか。今週呼吸器外来に大学病院から先生が来るので、CTを診てもらうことにした。

 

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