なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

化学療法学会3日目

2014年10月31日 | Weblog

 午前中はメトロニダゾール点滴薬の話を聴く。注射薬の開発は、経口薬を出しているシオノギが儲からないので断ってしまったという。困っていたところファイザーが請け負ってくれたという三鴨先生の話は面白かった。当院でもすぐ入れるかどうかだが、少し回りの様子をみてから検討することになりそうだ。その後は、岡崎先生の世界中で問題の感染症に話を聴いて、慈恵医大熱帯医学講座の先生のマダニの話を興味深く聴いた(講演が上手で会場中が笑っていた)。野原を布の旗で一振りすると、あんなにダニが付いてくるとは驚いた。ランチョンは臨床内科医会の先生からインフルエンザの話を聴く。

 ICD講習会まで時間があるので、上野の東京都美術館に行って、ウフィツィ美術館展を見てきた。ボッティチェリの絵画が見たかった。画集に載っている絵画をある程度みることができた(まさかヴィーナスの誕生やプリマヴェーラは持って来れない)。当時はキャンバスに油彩ではなく、板にテンペラ画の実物を見ることができた。ICD講習会では、帝京大学病院の多剤耐性アシネトバクターの感染管理を担当した松永先生の話が感動的だったが、何しろ学会の最後なので、自分も集まった皆さんも疲れきった状態で聴いている。

 今回の化学療法学会は、総じて70~80点くらいの成果があった(かな?)。来年の春は京王プラザで開催されるので出席して、秋は北海道開催なのでパス。再来年の秋は東京ドームホテルなのでたぶんまた来る。

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化学療法学会2日目ー淋菌・クラミジア咽頭炎

2014年10月30日 | Weblog

 今日は午前中meet the expertを聴いて、ランチョンは聖マリアンナの國島先生のMRSAの話題を聴いた。以前当院でCD感染症の講演していただいたことがある。いやあすっかり偉くなって(ほとんどファンの心境)。
 この学会はランチョンの後、変に時間が空くので、近くの喫茶店でコーヒーブレイクして「肝炎の診かた、考え方」を読む。本当は消化器だから。
午後は肺炎の講演をちょっと聴いてから、東京女子医大の先生の耳鼻咽喉科領域の性感染症(淋菌とクラミジアの咽頭炎)の講演を聴いた。明らかな咽頭炎の所見のあるものから、耳鼻咽喉科医が見ても所見がないものまであるそうだ。淋菌もクラミジアの弱い菌で培養が難しく、感染していても10%くらいしか検出できない。迅速キットで診断するしかないそうだ。淋菌の咽頭炎はセフトリアキソン2gを3日間投与しないと治療不良になる。これを聴いただけでも来たかいはあった。

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化学療法学会初日

2014年10月29日 | Weblog

今日は化学療法学会で東京ドームホテルに来ている。午前0時前に入院していた93歳女性が急変して病院に呼ばれた。心筋梗塞で急死さたと判断され、家族、といっても息子も娘も高齢者だが、年だから仕方ないと受け入れてくれた。
 今日は抗菌薬適性使用セミナー。聖路加国際病院の結核性髄膜炎の症例は勉強になった。髄液の培養でもPCRでも菌が出てこないことがあるとは大変だ。古川先生は講演はもくもくとしゃべるので面白くないが、膨大な症例をもっていて、診断と治療に関してはすごい。それに比べて亀田総合病院の症例は偽痛風(感染症初心者用の構成だった)だったのでかすんでしまった。

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糖尿病性ケトアシドーシス

2014年10月28日 | Weblog

 朝病棟で入院患者さんの指示を出していると、地域医療連携室から連絡が入った。内科クリニックから動けなくなっている59歳男性の紹介が来ているという。何だかわからないので、FAXで送られてきた紹介状を見ると、糖尿病で脱水症・高血糖を呈している。健診で糖尿病を指摘(HbA1c8%)の記載があり、2型糖尿病で治療を受けずに放置していた患者さんが悪化したもののようだ。明日から学会で不在なので、今日内科新患担当の若い先生にお願いすることにした。動けないので、救急搬入となった。

 検査結果が出たころに救急室に見に行った。ぼやっとしている印象はあるが、会話は可能だった。血糖1100mg/dlと高値だった。動脈血のpH7.2、血中ケトン体陽性でケトアシドーシスだった。血算で著しい濃縮を認める。採血が大変だったそうだ。急性腎前性腎不全を呈していて、血清カリウム6.7。心電図は洞性頻脈のみで、電解質異常の波形はない。

 ついてきた母親の話では4月に仕事を辞めたという。解雇になったのか、自分で辞めたのかはわからない(解雇かな)。独身で母親と二人暮らしだった。父親は心臓病で30歳代に死亡している。母親の兄弟に糖尿病の人がいるらしい。父親方はわからないそうだ。最近ずっと体調が悪そうにしていたが、動けなくなったのは2-3日前からだという。昨日倒れそうになりながらも内科クリニックを受診した。今日検査結果が判明して、あまりの悪さに驚いて当院紹介になったという経緯だった。

 生食500mlをとりあえず4本早めに入れて、その後も生食で継続する。生食50ml+ヒューマリンR50単位の点滴を開始した。午後の採血結果で少しずつ改善してほしいところだ。

 2型糖尿病でいいのだろうか。最近食事がとれなくなってからは、コーラと牛乳だけ飲んでいたという。ペットボトル症候群(ソフトドリンクケトーシス)も加わってということなのか。抗GAD抗体とCペプチドの結果(外注)を見てみないと何ともいえない。

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起き上がると血圧低下

2014年10月27日 | Weblog

 認知症で施設に入所している93歳女性が一過性意識消失で救急搬入された。搬入時には意識は回復して会話可能だった。血圧130mmHgと良好だった。降圧剤としてアムロジン2.5mgが処方されて、浮腫があることからアルダクトン25mgが追加されていた。心臓ペースメーカー植え込み術後で、シベノールが処方されていた。除脈頻脈で頻脈性心房細動に処方されたものらしい。

 許容範囲の貧血と低蛋白血症がある。頭部CTは脳萎縮のみ。胸腹部CTで誤嚥性肺炎はなかった。病院に来てからはむしろ認知症の不穏が目立ち、とにかくじっとしていないで、起き上がろうとする。施設に帰って経過をみてもらうことにした。ところが、帰ろうとして起き上がると血圧が70mmHgに低下して意識消失した。横臥させると血圧は90mmHg台になって、意識は戻った。すぐに心電図を再検したが、異常はなかった。血算も再検したが、貧血の進行はなかった(時間をおかないと正確にはわからないが)。

 すぐにソルラクトの点滴を開始したが、抜かれそうだ。降圧薬とシベノールを中止して、入院で明日まで経過をみることにした。血圧は160mmHgくらいでもいいのではないか。内科病棟では体幹抑制ベルトがなくなっていて、他病棟のを借りるという。

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今日は日直ー心不全、貧血

2014年10月26日 | Weblog

 今日は日直で病院に来ている。86歳男性が3日前から食事をとれなくなって、救急搬入された。3日前に立ち上がった時に、意識消失したために、家族(妻)が救急要請した。救急隊が到着した時には意識が回復していて、病院への搬送を拒否したそうだ。家で死にたいと言ったらしい。その後、食べられなくなって、今日に至った。室内を歩行器を使って少しいどうする程度のADLだった。物忘れも進んでいるが、元歯科医師で受け答えは年齢を考慮すると立派なのかもしれない。頭部CTは脳萎縮と陳旧性ラクナ梗塞くらいで、慢性硬膜下血腫はなかった。結膜の所見では貧血とはとれないが、血液検査ではHb7.8と貧血だった。当院の泌尿器科外来に通院していて、以前の検査を見るとHbは12だが、先月は11で若干下がっていたのかもしれない。

 吐血・タール便はない。腹部CTでみると腸管のガスが目立つが、明らかな大腸癌はない。胃は少なくとも胃角上部から幽門にかけて腫瘍はない。噴門から胃体にかけての胃粘膜は不整にも見えるが、この部位はCTでは読めない。血圧130でバイタル的には問題ない。3日前に出血して、あるいは亜急性に進行してきた貧血が閾値を超えたため、一過性に意識消失したと思われる。ちょっと迷ったが入院して明日の午前中に胃内視鏡検査をすることにした。今日は2単位輸血する。

 86歳男性が息切れで受診した。心房細動・心不全などで、経緯は不明だが消化器科の外来に通院していた。以前に消化器疾患があったか、EMRなどの処置を受けた後にも通院継続となったのかもしれない。今月初めの胸部X線で両側胸水があり、ラシックス20mg内服が追加されていた。3日前から息切れが続いて、今日受診した。酸素飽和度は94%(室内気)だった。労作時、といってもゆっくり歩くだけだが、その時に息切れが目立つ。目立つほどの頻脈ではなかった。虚血性変化の併発も心電図で見る限りはなさそうだ。循環器科に相談してもいいのだろうが、まずは持続点滴を避けて、ラシックス20mg筋注して、明日から利尿薬追加(ダイアート30mg・アルダクトンA25mg)で経過をることにした。

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今日は休みー「てんかん」と「肝炎の診かた、考え方」

2014年10月25日 | Weblog

 今日は休み。「てんかんが苦手な医師のための問診・治療ガイドブック」と「肝炎の診かた、考え方」を購入した。前者は、たぶんこれが一番一般内科医がわかりやすい本かなと思って買った。出版されているてんかんの本を何冊か見たが、分かりやすいものはなかなかないものだ。神経内科医もてんかんはイヤがっていたが、専門的に診るのは難しいのだろう。後者は肝炎一筋で診療してきた先生の集大成的な(内容は一般医向け)本だ。普通の消化器科医としては十分な内容だろう。水曜日からの化学療法学会では、初めてICD講習会に出ることにした。だんだん訳のわからない内科医になってきた。

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菊池病、肺癌、誤嚥性肺炎

2014年10月24日 | Weblog

 月曜日に耳鼻咽喉科の紹介で外来を受診した18歳女性は、菊池病としてプレドニン20mg/日を処方した。今日再来で診たが、プレドニンですぐに解熱して、右後頸部リンパ節痛も軽快していた。悪性リンパ腫や頸部リンパ節結核ではないと思われるが、生検していないので確証はない。こちらがどうしても必要と言わないせいもあるが、外科での生検はいやだと言う。プレドニンを漸減して経過をみることにした。

 都立駒込病院感染症科で2009年に感染症学雑誌に載せた論文のみコピーした。思ったよりも長期間に及ぶ症例もあるようだ。プレドニンを使用した症例は1/3とある。今回の症例では、あっさりプレドニンを使ってしまったが、患者さんと家族のすぐに症状がとれないと専門学校に行けないという要望があったので、妥当なところ?と思いたい。学校に提出する診断書を希望されたので、組織球性壊死性リンパ節炎で診断書を書いた。歯科衛生士の学校に行っているそうだ。

 当地域の基幹病院呼吸器科から右肺癌の患者さんが紹介されてきた。妻と娘に連れられて来たが、食欲低下・体重減少があって、歩行もできなかった。オキシコンチン20mg/日内服が処方されている。持ってきたCDは先月のもので、今日こちらで画像を撮り直してみると、右下葉下肺癌は進行して、以前からある右肺門リンパ節腫脹に向かうように胸膜にそって腫瘍が増加している。全体的な衰弱からみて、予後1~3か月で、運がよければ6か月だが、多分そこまでは無理と判断した。奥さんの話では、予後については何も聞いていないというが、最近夫の病気のことで頭がパニックですというので、言われたが覚えていないだけなのかもしれない。

 6月に近くの内科医院からその病院に紹介になったが、癌の診断がなかなかつかなかったらしい。そこからさらに県立がんセンターに紹介されて、経胸壁肺生検で扁平上皮癌stagⅣと診断された。年齢とPSが悪すぎて癌治療は不可能と判断された。緩和ケアのみで経過をみていたが、入院が必要になったので当院へ回されという経過だった。当院では、癌終末期の緩和ケアで入院して、最期まで数か月の入院も可能だ。

 先週誤嚥性肺炎が治って退院した95歳女性が、また誤嚥性肺炎で紹介された。1週間しか持たなかった。寝たきり状態で四肢は拘縮しており、胃瘻による経管栄養を受けている。施設内では酸素飽和度が低下したというが、当院にきてからは室内気でも正常域だった。また治療を開始したが、今回はどうなるか。

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くも膜下出血

2014年10月23日 | Weblog

 昨日は外科医が当直だった。深夜0時前に88歳女性が後頭部痛・四肢の脱力感で救急外来を受診した。頭部CTで脳底槽~左シルビウス裂にくも膜下出血があったが、診断に自信がなかったそうだ。頭部MRIのFLAIR画像で出血が良くわかった。高齢の患者さんだが、意識もほとんど声明で、一人暮らしでADLは自立している。脳血管障害の専門病院に転送になった。

 くも膜下出血を疑ったが、所見がはっきりしない、あるいは最初からあるしても微小出血かという時には、頭部MRIを撮ることにしている。当院は頭部MRIはすぐに摂れる。日中混んでいる時でも、少し待てばMRIが撮れるのがいいところだ。

 今日は寝たきりの認知症の患者さん(89歳女性)にCVラインを入れた。食事摂取ができなくなって3回目の入院だった。最初は1か月点滴して、もう食べられないかと思われたが、途中から少し食べるようになった。今回もすでに2週間経つが、食べられない。家族は経管栄養を希望していない。2日前から痰が増えていて、微熱も出た。今日の胸部X線・CTで両側下背部に誤嚥性肺炎と思われる浸潤影と胸水を認めた。肺炎+胸膜炎か肺炎+心不全だろう。静脈穿刺はうまくいって、血液が良く引けた。ただ、ガイドワイヤーがひっかかってうまく入って行かない。何度か穿刺・血液逆流・ガイドワイヤー入らずを繰り返してがダメだった。CVキットのガイドワイヤーは尖端のできが良くない。尖端にいらかい曲がりが付いていて、そこがひっかかるようだ。別のガイドワイヤー(尖端がほとんどまっすぐに近く、柔らかい部分が長い)を持ってきてもらうと楽に挿入できた。静脈硬化とか静脈の内腔がガサガサしているんじゃないかと言ったりするが、本当かどうかはわからない。

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高齢者の糖尿病にBOT

2014年10月22日 | Weblog

 急性腎盂腎炎で入院した80歳台男性はDPPⅣ阻害薬(ジャヌビア)とSU薬(グリミクロン40mg/日)でHbA1cが8.9%だった。感染症自体が治ったので、このままでもいいのかもしれないが、食前血糖が300mg/dl台になってしまう。最近施設に入所して、日中ならばインスリン注射を施設看護師さんに頼めるので、ランタスを1回追加することにした。グリミクロンを20mg/日に減量して、ランタス4単位のみで空腹時血糖が120mg/dl、昼夕の食前血糖が200mg/日台になった。ランタスをさらに5~6単位にして、数日血糖をみて施設に戻すことにした。

 高齢者ではHbA1cが8%くらいでもいいという目標は実践的でいいと思う。中年の患者さんのように、メトホルミンが使えない。といって、アクトスもαGIも使いにくい。ファーストチョイスをDPPⅣ阻害薬にして、それで血糖高値の時は少量のSU薬(グリミクロン10~20mg)を追加するか、可能であれば持効型インスリン少量(ランタス4~10単位)がいいと思う。この場合、持効型は作用時間の問題でトレシーバよりランタスが無難だ。

 ケアネットTVの会員になって、コンテンツをできるだけ見るようにしている。産婦人科・池田裕美枝先生のDVDで、ご自身がさまざまな年齢の女性に扮して出演している。芸達者なのはさすが関西人?月刊レジデントの女性診療特集は、買ったままでまだ読んでいなかった。

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