なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

点滴して心不全が悪化?

2013年07月31日 | Weblog

 開業医の先生から電話が来た。73歳女性で肺炎・喘息で診てほしいというので、来てもらうことにした。喘鳴とラ音が聴取され、高炭酸ガス血症があった。喫煙歴はなく騎手性変化もない。普段は喘鳴はないというので、慢性に気管支喘息があるのではない。CTで気管支がやや拡張して不整があるようだ。心房細動・心不全で利尿剤などの処方がある。心拡大と肺うっ血を認め、心不全が悪化している。肺病変の解釈が難しく、他の先生方と相談した。3日前から喘鳴があり、かかりつけのクリニックで点滴(ふつうの500mlの点滴とビタミン剤)を受けて気管支拡張剤などを処方されていた。感染症としては細菌性とも言いにくい。何らかのウイルス感染で喘息性気管支炎のような病態になっていたと思われる。もともと心不全があるところに、今日も外来で500mlの点滴が2時間で入ったので、心不全が悪化したらしい。当院に来てからは少し改善していたが、自力で尿として水分を排出したためのようだ。喘息の治療に利尿剤の静注を加えて、抗菌薬も投与して経過をみることにした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

そのまま入院(膵癌緩和ケア)

2013年07月30日 | Weblog

 昨日、87歳男性が基幹病院腫瘍内科から紹介されて内科外来を受診した。昨年10月に閉塞性黄疸で発症して、近くのクリニックを受診した。すぐに内視鏡処置のできる基幹病院へ紹介されて、消化器科で胆管ステントが挿入された。その後、腫瘍内科でジェムザールの点滴静注とTS-1の治療を受けたが(よくこの年齢の患者さんに行ったものだと思うが)、体力的に限界だった。緩和ケアのみとなって、当院に連絡が来た。紹介元のクリニックにいったん戻すが、入院が必要になった時に診てほしい(要するに看取ってほしい)というものだった。医療用麻薬(オキシコンチン20mg/日)が処方されていて、クリニックでは処方しにくいと思われたので、当院の外来で経過をみることにした。

 受診してみると、食欲はなく倦怠感があり、家族は入院させてほしいという。患者さん本人は迷っていたが、結局入院となった。家庭での介護が難しいのと、妻が当院のリハビリ科に入院しているのでということだった。胸腹部CTをとると、腹水があった。腹部は膨満しているが、上半身はげそっとやせている。癌性悪液質のそのものだった。、余命1か月と推定された。ステロイド(デカドロン2mg)の点滴を行うと、今日は食欲が出て、顔色も良かった。一時的な改善で、退院はできないだろうが、できるだけ最期まで平穏な状態で過ごしてもらいたい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

単に足が汚いだけだった

2013年07月29日 | Weblog

 糖尿病の治療を中断していた44歳男性が下肢のしびれで内科外来を受診した。新患担当は大学病院から応援に来ている先生だが、外来の看護師さんが訳あり?の患者さんだと常勤医に持ってくる。糖尿病の家族歴があり、30歳ごろから糖尿病の治療をしていたが、2年前から中断している。足と足指が変色していて足背動脈は触知されるが、末梢の血流が悪いと思われた。HbA1cは10.6%で空腹時血糖が300と高かった。血管外科で診てもらうと、末梢の血流は良いそうで、足白癬症があり、単に汚いだけだった。糖尿病足のフットケアを教えられて戻ってきた。白癬症は皮膚科で診てもらうことにした。入院したくないというので、DPPⅣ阻害剤(エクア)から処方を開始して経過をみることにした。3か月前に眼科を受診していて意外に網膜症はないと言われたそうだ。毎日の焼酎3杯はアルコール性脂肪肝があり、禁酒を勧めた。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

やっぱり酔っただけ

2013年07月28日 | Weblog

 昨日土曜日はの日直をしていた。60歳台男性が頭重感と嘔気を訴えていると救急隊から搬入依頼がきた。急性心筋梗塞と脳梗塞の既往がある。仲と首都圏から統治の温泉に来ていた。心筋梗塞や脳卒中の再発も疑われた。飲酒していたが、いつもと同じくらいで、それで症状が出るとは考えにくいと仲間が言っているという。

 搬入されると、かなりアルコール臭がしている。ろれつが回らない言い方だが、言っていることはまともだった。頭部CTや心電図や採血を行ったが、特に異常はなかった。そのうちだんだん症状がとれてきた。もともと毎日焼酎のお茶割を3~5杯飲んでいる。温泉に来て飲酒して、今日は朝から飲酒している。外来で点滴しているうちに、話し方もよくなってきた。結局酔っただけということになった。翌日帰る予定なので、そのまま付いてきていた仲間といっしょに、ホテルに戻った。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

食事がとれない95歳女性

2013年07月27日 | Weblog

 昨日内科クリニックから95歳女性の入院治療依頼が来た。数日間食事がとれないという。数か月前にも食欲不振で入院したが、この時は明らかに脱水症で急性腎前性腎不全を呈していた。点滴で経過をみて腎機能も改善して食事がとれるようになって退院した。今回は低蛋白血症で全身に軽度に浮腫があった。炎症反応が軽度に上昇している。胸水が軽度に貯留しているが、肺炎の浸潤影はなかった。尿混濁もひどくは目立たないが、尿路感染症なのかもしれない。少なめの点滴と抗菌薬で経過をみることになった。今回ははたして復活できるだろうか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

肝臓内に多発性腫瘍(転移性肝癌)

2013年07月26日 | Weblog

 脳梗塞後遺症で施設に入所している79歳男性が数日前から食べると嘔吐すると紹介されてきた。一見大したことはなさそうに見えた。胃癌全摘術を16年前に受けている。むしろ嘔吐による誤嚥性肺炎が心配だと思いながら検査した。肝臓内に多発性に大小の腫瘍があり、転移性肝癌の像だった。ただし、原発巣がわからない。胆嚢癌・膵癌はなかった。大腸癌が疑われるが、明らかな癌は指摘できない。施設なので、食べられないのでは入所継続できない。癌自体にたいする治療はできないが、入院して点滴して経過をみることになった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

胸水貯留で紹介(癌性胸膜炎の疑い)

2013年07月25日 | Weblog

 95歳男性が左胸水貯留で内科医院から紹介されて受診した。発熱はないが、軽度の左側胸部痛があるらしい。胸腹部CTで肥大肺門部から気管支に沿って腫瘍性病変があるようにも見える。肝臓内に複数の結節があり、線維性肝癌と思われた。消化器癌については、膵癌はなく、胃癌は何とも言えないが食欲は普通で考えにくい。大腸癌もなさそうだった。肺癌の転移とすると全部説明できる。妻はすでに亡くなっていて、子供はいない。今は甥っこの家に世話になっている。連れてきた甥の妻に相談したが、高齢なので苦痛のともない検査や治療は希望しないという。本人は意外に元気で入院はしたくないという。

 痰は出なかった。エコーで見ると十分な量の胸水で穿刺可能だった。18Gの長針で検査に必要な分だけ吸引して、培養と細胞診を提出した。2週間後に予約を入れて、体調が悪い時はその前に受診することとした。肺癌で間違いなければ、できるだけ外来でみて、悪化した時に入院とする。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

回腸末端炎

2013年07月24日 | Weblog

 糖尿病で通院している52歳女性が6日前からの腹痛で一昨日の月曜日に受診した。腹部全体が重苦しいという。念が緩い時もあったが、下痢とはいえない。嘔気はない。あまり食べないようにしていたという。発熱はなかった。腹部X線で特に異常は指摘できない(イレウス以外はあなり役立たないが)。血液検査をすると白血球数はせいじょうだが、ふだんの値よりは少し多い、CRPが6だった。腹部エコーで回腸末端の腸管壁肥厚と腸間膜リンパ節腫脹を指摘された。腹部造影CTを施行すると、虫垂炎や結腸憩室炎はなかった。回腸末端が全周性に肥厚して腫脹している。腸間膜リンパ節の腫脹が確認された。盲腸から上行結腸近位部も壁肥厚しているが、一番目立つのは回腸末端だった。

 少なくとも今すぐ開腹する状態ではない。入院して点滴と抗菌薬投与で経過をみるところだろう。もっとも抗菌薬投与の適応があるのかどうかわからない。鑑別としては何らかの感染症か悪性リンパ腫だが、一番ひどいのは受診日の前で、少し良くなっているという点では感染症のような気もする。患者さんは夫婦でコンビニを経営していて、入院できないので、毎日点滴に通いたいという。外来で500mlの点滴2本と抗菌薬を点滴の最初と最後に入れた。翌日受診して症状を聞くと、悪化はしていないという。再検した血液検査でCRPが3になっていた。抗菌薬が効いているのか、自然経過なのかわからないが、経口抗菌薬を継続して2日後に受診とした。診断がつかずに治りそうな経過だが、治ればよいと思う。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自宅で3か月過ごした肺癌の高齢女性

2013年07月23日 | Weblog

 認知症の87歳女性。昨年の12月に右胸水貯留があり、内科医院から基幹病院呼吸器科に紹介された。胸水細胞診で肺癌と診断されたが、年齢的に治療の対象にならず、家族も希望しなかったので、そのまま経過観察となった。今年の4月に食欲不振で当院の外来に紹介されて、入院した。入院後は意外に食欲が出て、自宅に帰りたいという希望で1週間ほどで退院となった。

 外来で2週間おき、4週間おきに経過をみていたが、案外変わりなく過ごしていた。数日前から食欲がなくなり、認知症の不穏もあって、在宅介護は限界となった。今日は予約日で受診して、再入院となった。点滴とステロイドで経過をみることにしたが、予後1か月だろうか。患者さんのための入院だが、ここまで来ると家族のための入院でもある。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

一過性意識消失で2回搬入

2013年07月22日 | Weblog

 施設に入所している89歳男性が一過性意識消失で今朝救急搬入された。搬入時には普段の状態に戻っていた。座位にした時に症状が出たという。いったん施設に戻ったが、昼過ぎにまた座位にした時に意識消失した。再度救急搬入されたが、来たときには意識は戻ってふだんと変わりなかった。念のために頭部MRIを施行したが、新たな脳梗塞はなかった(脳総則の既往あり)。施設ですぐに臥床させて経過をみれば治ったとおもうが、施設だと責任問題なのですぐに救急要請するらしい。2回目なので、入院で経過をみるこtになった。降圧剤が高圧利尿剤(ナトリックス)とα遮断薬(カルデナリン)なので、これは変更しなければならない。この組み合わせはあまり見たことがない。Ca拮抗薬少量に変更した。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする