89歳男性が先週食欲不振で受診した。胸腹部CTでざっと見ると、胃壁の一部が肥厚しているように見えた。念のため上部消化管内視鏡検査を行ったが、慢性胃炎(萎縮性胃炎、ピロリ菌陽性)のみで胃癌はなかった。CEA・CA19-9は正常域で、明らかな消化器癌は画像上指摘できない。長い喫煙歴があり、肺気腫)があったが、肺炎はない。
入院して点滴を開始していた。認知症があり、問いかけても関係ない話をしていた。点滴を自己抜去しないので、その点は助かった。しだいに少しずつ食べ始めたので、何とかなるかと思っていた。一昨日、急に発熱・下痢が始まり、食事をまったくとれなくなった。今日は解熱していたが、入院時に正常だった血清クレアチニンが4になっていた。点滴が少なかったので、昨日から増やしていたが、間に合っていなかった。今日からはさらに増量としたが、89歳だから点滴キープで時間をかけて入れるしかない。白血球数が3万になっていた。腹部は平坦・軟で圧痛はない。腹部CTも見たが、腸管内の消化液が目立つのみだった。入院して1週間経過しての感染性腸炎発症?
18歳女性が腹痛で内科クリニックから消化器科に紹介されてきた。生理中に彼氏とセックスして、その後からの症状だった。血液検査で白血球数が3万と出て驚いたらしく、相談された。下腹部に圧痛があり、反跳痛もあるが、デファンスはないそうだ。虫垂炎などはなく、骨盤腹膜炎と判断される。腹水もなかった。婦人科医にも相談していたが、点滴と抗菌薬で経過をみることになった。まだ生理中なので検体は出しにくいそうだ。クラミジアもカバーすることにした。