なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

白血球数3万

2016年07月29日 | Weblog

 89歳男性が先週食欲不振で受診した。胸腹部CTでざっと見ると、胃壁の一部が肥厚しているように見えた。念のため上部消化管内視鏡検査を行ったが、慢性胃炎(萎縮性胃炎、ピロリ菌陽性)のみで胃癌はなかった。CEA・CA19-9は正常域で、明らかな消化器癌は画像上指摘できない。長い喫煙歴があり、肺気腫)があったが、肺炎はない。

 入院して点滴を開始していた。認知症があり、問いかけても関係ない話をしていた。点滴を自己抜去しないので、その点は助かった。しだいに少しずつ食べ始めたので、何とかなるかと思っていた。一昨日、急に発熱・下痢が始まり、食事をまったくとれなくなった。今日は解熱していたが、入院時に正常だった血清クレアチニンが4になっていた。点滴が少なかったので、昨日から増やしていたが、間に合っていなかった。今日からはさらに増量としたが、89歳だから点滴キープで時間をかけて入れるしかない。白血球数が3万になっていた。腹部は平坦・軟で圧痛はない。腹部CTも見たが、腸管内の消化液が目立つのみだった。入院して1週間経過しての感染性腸炎発症?

 18歳女性が腹痛で内科クリニックから消化器科に紹介されてきた。生理中に彼氏とセックスして、その後からの症状だった。血液検査で白血球数が3万と出て驚いたらしく、相談された。下腹部に圧痛があり、反跳痛もあるが、デファンスはないそうだ。虫垂炎などはなく、骨盤腹膜炎と判断される。腹水もなかった。婦人科医にも相談していたが、点滴と抗菌薬で経過をみることになった。まだ生理中なので検体は出しにくいそうだ。クラミジアもカバーすることにした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

亜急性壊死性リンパ節炎?

2016年07月28日 | Weblog

 先週入院した高熱と頸部リンパ節炎の21歳女性はまだ高熱のままだ。両側扁桃炎があり、色調はピンク色で薄い白苔が出たり消えたりしている。頸部リンパ節腫脹が先行して、その1週間後に高熱と咽頭痛が出現した。リンパ節の疼痛も最初からというより、しだいに強くなっていた。高熱が1週間続いて、その間に2か所のクリニックを受診して、2種類のニューキノロンを処方されていた。

 右頸部リンパ節が複数腫脹して、左頸部リンパ節も軽度に腫脹していた。エコーで見ると一塊にはなっていない。最初は両側の口蓋扁桃が軽度に晴れて中心部がピンク色だった。白血球減少(2300)、血小板減少(10万)があり、CRP2.7と感染症とすれば、ウイルス性を思われる値だった。

 IL2受容体抗体は900、フェリチンも上昇していた。溶連菌迅速試験と咽頭培養は陰性。耳鼻咽喉科外来を受診して、ウイルス性咽頭炎でしょうということになった。EBV検査を提出した。セフトリアキソンを投与していたが、効果はない。EBV、CMVは既感染の所見だった。単純ヘルペスIgMは陰性。CTで頸部リンパ節以外に腋下リンパ節も軽度に腫脹していた。縦隔、腹腔内、鼠径部のリンパ節腫脹はなかった。

 扁桃炎としては、先に頸部リンパ節腫脹が1週間先行したのが、経過としておかしい。しかし扁桃炎は扁桃炎だった。口腔内(口蓋弓)にアフタが出現して、その後軽快した。3日前から両上肢の皮疹(細かい紅斑が散在していた。関節痛・関節炎はない。

 扁桃炎の所見がなければ亜急性壊死性リンパ節炎を考えるところだ。扁桃炎を伴ってもいいのだろうか。今日は大学病院の先生(感染症科)が外来応援にきていたので、診察してもらった。結核性リンパ節炎、悪性リンパ腫も考えられるので、リンパ節生検をということだった。自己免疫性としても、扁桃炎はどうなのかと。

 EBVと推定していたので、検査の提出が足りなかった。改めて、血液培養や抗核抗体を提出した。勧められたリンパ節生検で結核菌検査を含めた検査を出すしかないようだ。プレドニンを投与するのはどうかと訊いてみたが、リンパ節を出してからと言われた。確かにそうだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

糖質制限で頑張りました~18歳糖尿病

2016年07月27日 | Weblog

 看護学校1年の18歳女性が、看護師の母親に連れられて先々月受診した。学校健診で尿糖(3+)になって、すぐ病院を受診するように言われたそうだ。168cmで80Kgと体格がいい。相当に食べるそうで、ソフトドリンクの摂取も多かった。検査すると、HbA1cが9.4%と立派な糖尿病だった。自覚症状はなかった。食事を見直しますということで、栄養士による食事指導を受けてもらったが、そこから糖質を制限することを勧めていた。抗GAD抗体は陰性で、血清Cペプチドは2.8(空腹時)と正常だった。

 看護師の母親は妊娠糖尿病で、産婦人科の先生に依頼されて、一時インスリン治療を担当していた。その後、早めに産婦人科のセンター病院の管理になって、糖尿病も専門医の管理になったという経緯がある。

 今日2か月ぶりで受診した(夏休み中の受診を希望していた)。HbA1c6.7%と改善していた。何でもけっこう厳しく糖質制限をしているそうで、いわゆる主食としての糖質はとらないようにしているという。極端な食事療法は大変ではと訊くと、特につらくはないという。学校を休ませたくないので次回は冬休みに受診させたいという希望だった。減少した体重が現状維持かさらに減量する時は経過をみていいが、体重増加する時は、もっと早めに受診するよう伝えた。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今日は呼吸器科

2016年07月26日 | Weblog

 食欲不振の81男性が息子の嫁に連れて来られた。肺炎として内科医院で治療していたが良くならないという。嫁も同居していないので、ふだんの状況がわからないらしい(妻と二人暮らし)。基幹病院も受診しても入院にならなかったいうが、それがいつの話なのかわからない。

 胸部X線で肺炎様の陰影を認めた。右肺には気道性に粒状影が散布して、気管支血管束に浸潤影がある。左肺尖に浸潤影と空洞があった(陳旧性?)。結核を疑って痰抗酸菌塗抹を提出したが、陰性だった。1回陰性でも否定できない。個室入院で抗酸菌検査を繰り返すことにした。

 施設に入所している68男性がまた酸素飽和度低下で救急搬入された。もともと精神遅滞があり、若いころからずっと施設で生活している。間質性肺炎があるが、誤嚥性肺炎を併発して入退院を繰り返していた。病棟で名前を言うと看護師さんはすぐわかる有名人だった。この方は高炭酸ガス血症もある。普段からぎりぎりの酸素飽和度で、痰が絡むと下がってしまう。本当は施設で在宅酸素はできないらしいが、特例で施設の方から在宅酸素(在施設だが)導入の申し出があった。

 今回は胸部X線・CTでみると、誤嚥性肺炎というよりは、もともとの間質性陰影が悪化してきたようだ。ステロイドと抗菌薬投与で治療をするが、どうなるか。とりあえず今日はおとなしくしているが、良くなると大声を上げて(言っていることの意味は不明)動き出してしまう。これまで何度も著しい低酸素で入院していて、入院のたびに呼ばれる弟さんは、悪化時はDNRの書類に何度もサインしている。

 夏休み中の先生の患者さんのうち、重症肺炎の患者さんはなんとかもっていて、軽度の肺炎の患者さんは解熱して軽快していた。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

結果的に、慢性C型肝炎初回治療例

2016年07月25日 | Weblog

高熱と咽頭痛で入院した21歳女性は、EBVの既感染(VCAIgG陽性、VCAIgM陰性、EBNA陽性)だった。症状はまだ続いている。明らかに咽頭炎なので菊池病ではない。ヘルペスウイルスの初感染は、こうはならないのか。いったい何だろう。

 低カリウム血症による筋力低下で入院した47歳男性は、下痢が続いていたそうだ。もともと下痢と便秘が交代性で、最近は下痢気味だったという。ちゃんと訊かなかったこちらが悪い。利尿薬の副作用では合わないわけだ。

 慢性C型肝炎と高血圧症の56歳男性は、10年前から通院しているが、ずっとインターフェロン治療を勧めていたが、仕事が忙しくて都合がつかないと言っていた。Interferon-free therapy(DAA)が可能となったこともあり、治療を受ける気になった。基幹病院消化器科の肝臓専門医に紹介状を書いて、外来予約をとった。今時珍しい初回治療例となるので、これまで拒否していたのが結果的に良かったことになる。

 糖尿病で通院している66歳男性は、辞めた先生の外来から回ってきた方だった。BMI31の肥満があり、HbA1cが7~8%台だった。インスリン総量が1日180単位だった。DPP4阻害薬とSGLT2阻害薬が処方されている。血清クレアチニンが1.3~1.5で、メトホルミンは処方されていない。Cペプチドは3ng/ml(食後)だった。やせれば絶対よくなるが、それが難しい方のようだ。食事療法(緩い緩い糖質制限と欲望に負けてむやみに食べないこと)でインスリン減量しても、HbA1cは同程度で推移した。現在、インスリン総量が1日120単位。今日は「水やお茶では物足りなくて、甘いソフトドリンクを飲んだので血糖は悪くなったでしょうか」、と言って診察室に入ってきた。7.8%が8.2%になっていた。今日はDPP4阻害薬からGLP-1受容体作動薬(トルリシティ)に変更した。9月までは2週間処方だが、取りに来ますという。

 今日は感染管理の連携を組んでいる病院が合同カンファランスに来られて院内のラウンドをしたりと、忙しかった。 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

内科学会セルフトレーニング問題

2016年07月24日 | Weblog

 今日は日直で病院に出ている。午前中は受診数が少なかったので、内科学会のセルフトレーニング問題をインターネット版で見始めた。多発血管炎性肉芽腫症の症状と、難治性中耳炎・進行性感音難聴を呈するANCA関連血管炎性中耳炎らしい症例が出てきた。昨日購入した「見逃すと怖い血管炎」に載っていた。2012年Chapel Hill Consensus Conferanceの名称変更後のことがわかりやすく記載していて、買ったかいがある。

 肝内胆管癌の88歳女性は、当院の消化器科から基幹病院消化器科に紹介されて、胆道ステント挿入の処置を受けて退院していた。心窩部から左季肋部にかけての疼痛があり、本人の解釈では便秘のせいというが、腫瘍による疼痛と判断された。希望もあるので便秘の処方もしたが、癌性疼痛としてアセトアミノフェンを開始した。

 87歳男性は起き上がれなくなったという訴えで救急搬入された。通報した息子さんは脳梗塞の既往があることから、再発を心配したらしい。特に麻痺症状はなく(以前からの左不全麻痺は同程度)、頭部CTでも変化なかった。左関節の発赤・腫脹が目立ち、発熱もあった(WBC・CRP上昇)。関節炎(おそらく偽痛風。左ひざ関節も若干熱感あり)による発熱でふらふらするということのようだ。一人暮らしということで、NSAIDで経過を見るだけだが、入院とした。

 68歳女性は高熱で基幹病院の救急外来を夜間に受診したそうだ。カロナールのみ処方されて帰宅となっている。高熱が続いて食事がとれないので今日は当院を受診した。発熱の前に膀胱炎症状の先行があった。左CVAの叩打痛もある。検査で尿混濁と炎症反応上昇があり、急性腎盂腎炎で入院とした。CTで左腎周囲の脂肪織に少し炎症像がある。尿路閉塞はなかった。

 糖尿病・糖尿病腎症・ネフローゼ症候群で通院している47歳が、四肢脱力で動けなくなって、救急搬入された。全身浮腫で利尿薬を処方しているが、血清カリウムが低値となって、利尿薬の変更などの調整をしていた。今日は血清カリウム2.0だった。筋原性酵素も上昇している。ラシックス減量と、アルダクトンA・ARBの継続にカリウム製剤追加でみていたが、ダメだった。入院で、ラシックスを中止して経過をみることにした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

さっぱりわかってなかった

2016年07月23日 | Weblog

 「即戦力 循環器疾患診療実践ガイド」を読んでいた。研修医向けの本なので内容がわかりやすいのもあるが、著者の教え方がうまいのだろう。「冠動脈の内腔が50%以上狭窄すると、労作時に心筋が酸素不足になって胸痛を起こす。これが労作性狭心症。」 何ということのない表現だが、「冠動脈の内腔が狭窄して」とぼんやり理解するのと、「内腔が50%以上狭窄して」とその程度を言い切るのでは違うと思う。

 冠動脈の狭窄度はAHA分類で記載して、狭窄が25%以下の狭窄を「25%狭窄」、26~50%の狭窄を「50%狭窄」、51~75%の狭窄を「75%狭窄」、76~90%狭窄を「90%狭窄」、91~99%狭窄を「99%狭窄」、完全閉塞は「100%閉塞」と表記するそうだ。75%以上の狭窄を有意狭窄として、右冠動脈・左前下行枝・左回旋枝のうち75%以上の狭窄がある罹患枝数で、1枝病変・2枝病変・3枝病変とする。

 確かに、60%狭窄とか80%狭窄とか聞いたことはなかった。循環器科医がよく99%狭窄と言うとは思っていたが、本当の意味が分かっていなかった。循環器科医と話が通じていなかったことになる。

 今日は、日本医事新報社jmedの「見逃すと怖い血管炎」と「外来で診るリウマチ膠原病Q&A」を購入した。前者は治療のことはあまり記載してないが、症例が提示してあるのがいい。カラーの学習参考書のような本。研修医レベルで充分だ。「ぜんぶわかる脳の事典」成美堂、「医療探偵 総合診療医」山中克郎著光文社新書、「うつの常識、じつは非常識」井原裕著ディスカヴァー携書も購入。インターネットのアンケートに小まめに答えて1万円分の図書カードをもらったので、使い切った。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

治れば良し

2016年07月22日 | Weblog

 右下腿の軟部組織感染症で壊死性筋膜炎も疑った78歳女性は、入院3日目に解熱して、炎症反応とCK(5000弱から3000台、2000台へ)は改善してきた。下肢痛も熱感も軽減していた。抗菌薬継続で治癒しそうだ。単なる蜂窩織炎では説明できないと思うが、治ればなによりだ。

 火曜日に誤嚥性肺炎が治癒して施設に戻った、筋強直性ジストロフィーの62歳男性は、昨夜また酸素飽和度が低下して救急外来を受診した。また肺炎だった。退院日からすでに始まっていたのかもしれない。当直の外科医から連絡があり、退院したばかりの病棟に再入院となった。嚥下障害が進行している。今回は肺炎が治癒したら、胃瘻造設の予定とした。

 今日は間質性肺炎+細菌性肺炎の87歳男性が末梢からの点滴が困難となって、CVカテーテルを挿入したくらいで、緩く過ごしている。早めに帰って自宅でファイザーの若手医師セミナー(林寛之先生)を見る予定。自宅のパソコンをノートパソコン(の買い替え)にするか、デスクトップにするか考え中。

 一昨日の夕方に68歳男性が、心窩部不快感で救急外来を受診した。心房細動と脳梗塞後遺症があり、神経内科で抗凝固薬と抗血小板薬を処方されていた。救急当番だった別の内科の先生が担当した。CTでは胃角部から前庭部にかけての壁肥厚があるように見えるがよくわからない。そこから腹腔内に出血して肝周囲・腸間膜・骨盤腔内に出血(性腹水)が広がっていた。胃癌やGISTなど腫瘍の破裂・出血なのか、動脈瘤があったのかは不明だ。それから数時間で血圧低下から心肺停止となり、死亡に至った。あとで話を聞いて、どうするるべきだったか検討した。外科で開腹する余裕があったか、はたして処置ができたか、というと難しい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

急性咽頭炎(扁桃炎)

2016年07月21日 | Weblog

 急性扁桃炎で入院治療をお願いしますと、内科新患担当の先生(大学病院からの応援医師)から連絡が来た。21歳女性だった。画面で検査結果を確認すると、白血球減少(2100)、血小板減少(10万)だった。肝機能検査はLDHだけが500ちょっとで、他は正常域だった。ウイルス性と思われた。

 2週間前に右頸部が腫れて、他の地域の耳鼻咽喉科を受診したそうだ(詳細はわからない)。1週間前から高熱と咽頭痛が続いて、当地域の2軒のクリニックを受診して、それぞれから違うニューキノロンを処方されたが、咽頭痛で内服できなかったそうだ。水分はとれるが食事があまりとれないという。当地で仕事をしていて、ひとり暮らしだった。実家は他県にある。

 右頸部がだいぶ腫れている。左は軽度。エコーで確認すると多数のリンパ節腫脹があった。右扁桃が発赤腫脹しているが、白苔はなかった。嚥下障害・開口障害・呼吸困難はない。耳鼻咽喉科外来(大学病院から出張)で診てもらったが、左側も軽度に腫脹していて、ウイルス性咽頭炎でしょうという返事だった。EBウイルスの抗体検査を提出して、点滴とアセトアミノフェンで経過をみることにした。もう1週間くらい発熱が続くかもしれない。

 昨日89歳男性が、前日から食べられないという訴えで受診していた。車に酔うそうで、来る途中で1回嘔吐していた。妻と娘と3人暮らし。娘さんが仕事を休んで連れてきた。ご本人に聞いてまったくわからない。胸腹部CTでざっと見ると、今は禁煙しているが喫煙の既往があって、肺気腫だった。明らかな胃腸の問題はなさそうだった。外来で点滴しているうちに、元気になってしゃべりだした。難聴もあるが、まったく質問とは違う話をずっと話している。夕方まで点滴して、介護タクシーで帰宅とした。改善しない時は入院にする旨を伝えた。

 今日も食べられないと連れてきた。念のため上部消化管内視鏡検査をしたが、過形成性ポリープのみで食べられなくなるような病変はなかった(CTでちょっと気になるところがあった)。娘さんが付き添うというので、入院して数日経過をみることにした。奥さんまでいっしょに病院にいるという(自宅にひとりでいられないようだ)。当院らしい入院ではある。夜中ずっとしゃべっていて困っていたらしいが、介護保険は受けていなかった。入浴はいやがるというが、確かに汚い。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

壊死性筋膜炎?

2016年07月20日 | Weblog

 昨日救急当番の外科医から連絡が来た。78歳女性が、この日高熱(40℃)で地域の基幹病院に救急搬入されていた。原因はわからないが、入院が必要なのでという紹介で党員に転送されていた。炎症反応上昇と筋原性酵素の上昇がある。胸腹部CTの画像がCDに入れて送られてきたが、これといった所見はなかった。

 当院に転送されてきて再検されたが、CKが3000以上(ASTとLDHも上昇)だった。何だかわからないので、内科的に診てほしいということだった。血液培養2セットと尿培養がすでに提出されていた。肺炎・尿路感染症は否定的だった。この方は詳細はわからなかったが下腿の皮疹で皮膚科クリニックに通院している。ステロイドの処方はなかった。かゆみがあるので、普段から掻いているそうだ。

 右下腿の広範囲の腫脹が目立った(膝下数cmから足関節まで)。身体の他の部位と比べても、そこの熱感が強い。色調はピンクでも赤でもく、汚い赤黒色だった。皮膚自体が硬くなっているのは、慢性的に皮疹があるためだろう。把握痛があるはずだが、高熱でぼんやりしているためか、それほどの痛みはないようだ。表面に水疱形成はなく、赤紫色でもないが、蜂窩織炎よりは深部の炎症である壊死性筋膜炎を疑った。

 外科医としては慢性の皮膚病と捉えたようだ。ここが感染巣としても蜂窩織炎程度ではと言われたが、CK上昇は気にしていた。MRIでみることにしたが、検査中に動いてしまうので、十分な検査にはならなかった。放射科の読影は皮下から筋膜までの炎症で、筋肉には及んでいないというものだった。

 外科で入院して、抗菌薬で経過をみることになった。搬送してきた病院の方が、皮膚科・形成外科の常勤医も複数いるのでよいが、今さら引き取らないだろう。入院後も発熱が続いて、CK・CRPがさらに上昇している。皮疹の急激な進行はないので、もう少し見ないとわからないが、かなり気持ちが悪い。

 

 

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする