5月30日(金)の発熱外来に30歳代前半の男性(職員)が受診した。前日から38℃の発熱と頭痛・筋肉痛がある。鼻汁・咽頭痛・咳はなく、腹部症状もなかった。
新型コロナとインフルエンザの迅速検査は陰性だった。両者は上気道症状を伴うので、偽陰性でもなさそうだ。
自分で車を運転して来ている。会話は普通で、jolt陰性だった。食欲は少し低下しているが、嘔気はない。アセトアミノフェンとロキソプロフェンの手持ちがあり、処方はいらないということだった。症状が続く時は検査とした。
6月2日に解熱したので6月3日に出勤した。体幹部と上下肢(主に前腕と大腿)に細かな紅斑が出現していたので、内科外来を受診した。ちょうど外来に出ていたのは、普段からアレルギー性鼻炎などの処方をしてもらっている先生だった。
何らかのウイルス感染症だろうと判断されて、血液検査が行われた。白血球3400・血小板14.3万と軽度の白血球減少・血小板減少があり、CRP0.9(ごく軽度の上昇)とウイルス感染に矛盾しない値だった。
AST 43・ALT 81・ALP 84・γ-GTP 170・LDH 255・総ビリルビン0.5と軽度の肝細胞障害型の肝機能障害を呈していた。IgM 371・血清フェリチン648と上昇していた。
やはり何らかのウイルス感染だろうと判断された。2週間後の再検して改善しているのを確認することになっていた。
病棟の看護師さんなので、上肢の発疹を見せてくれた(半袖のスクラブ着用)。淡いピンク色の細かな紅斑だった。かゆみはない。
乳幼児期に5日間の発熱後に、解熱とともに全身に発疹が出るのは突発性発疹(ヒトヘルペスウイルス6型・7型)になる。年齢的にそれはないのか、その時期に罹患していないと可能性はあるのか。使用歴のあるロキソプロフェンの薬疹とも考えにくい。
年齢的にはEBウイルスよりはサイトメガロウイルス(CMV)だが、抗体検査は提出しなかったようだ。