なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

感染性大動脈瘤?

2013年09月30日 | Weblog

 昨日の当直は循環器科医だった。朝方に72歳男性が発熱・倦怠感で受診した。先週の月曜日祝日の日直帯に下痢を訴えて受診していた。普通に整腸剤などが処方されている。その後下痢は治まっているが、食欲が低下して脱水症になっていた。炎症反応が白血球数が17000、CRPが26と上昇していた。腎機能障害があり、単純CTを撮っていたが、肺炎はなく、腸管も特に異常はなし。小さな胆嚢結石はあるが、胆嚢炎ではない。胸痛・腹痛の訴えがなく、判断に迷うが、胸部大動脈に解離が疑われた(単純CTのみだが、大動脈壁の石灰化の位置からみて、乖離はある)。それと連続していないが、6cmの腹部大動脈瘤があり(破裂はしていない)、周囲の脂肪組織に炎症像があるように見える。大動脈瘤自体で発熱・炎症反応上昇があるのだろうか。感染性大動脈瘤という病名は聞くが、見たことがないのでよくわからない。

 かなり前に専門病院で冠動脈疾患でPCIの処置を受けていた。その後も糖尿病の教育入院で何度か入院しているという。内科消化器科の当番の消化器科医は当院に入院させて検査治療する気持ちがあったが、専門病院への搬送をすすめた。結局家族とも話し合って、搬送となった。

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頸椎偽痛風

2013年09月28日 | Weblog

 昨日、80歳台の女性が3日前からの後頸部痛を訴えて、内科外来を受診した。昨日からは首が回らないという。もともと平熱が35.5℃なので、36.6℃は1℃発熱していることになる。膝関節や手関節の症状はなかったが、その少し前に左肘が痛くて外科クリニックを受診したという。頸椎CTを撮影して骨条件で診ると、軸椎の歯突起周囲に石灰化を認めた。頸椎偽痛風だった。NSAID(セレコックス)を処方して来週んい歳受診予約とした。

 この土日は当番もなく、休みだった。「神経内科ケース・スタディー」を読み返すことにする。以前文庫本で読んだ司馬遼太郎の「この国のかたち」を単行本をそろえて読み返している。「街道をゆく」もワイド版で全部そろえる予定だ。

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胆嚢結石症・胆嚢炎

2013年09月27日 | Weblog

 内科の若い先生は夏休みで昨日今日と不在だった。一昨日81歳男性が救急搬入されて、そのまま入院になっていた。点滴と抗菌薬が投与されていたが、食事摂取は良好だった。今日検査室からCRPが高値(22)と連絡が入って、病棟の看護師長さんから、どうしましょうかと聞かれた。そんな患者さん入院していたとは知らなかったので、救急搬入のことからカルテを読んでみた。数日前から嘔気・嘔吐があって食事がとれず、かかりつけのクリニックで点滴を受けていた。駐車場(どこのか不明)にいる時に、ふらついて一瞬意識がなくなって救急要請したそうだ。搬入時に胸腹部CTが撮られていて、肺炎はなく、胆嚢結石があって胆嚢が腫大して胆泥が貯留していた。どうみても胆石・胆嚢炎だった。

 患者さんを診に行くと、腹痛はないという。しかし、右季肋部に圧痛があった。深呼吸はできて、Murphy徴候は陰性だった(?)。腹部エコーを行うと、胆石・胆嚢炎で間違いない。外科医に診察を依頼したが、いっしょうに診に行った時はちょうど昼食時で、普通に昼ご飯を食べていた。まあ、今日の緊急手術はありませんねと外科医は帰って行った。腹部所見からは保存的に治療していい状態になってしまう。今さらだが、絶食にして週明けまで経過をみることになった。私が当直明けで午後帰った日で、夕方立て続けに内科入院があった時のひとりだったので、よく確認していなかったのかもしれない。治療としては間違いはないが、外科入院で手術を考慮しながら経過をみる方がよかった。

 80歳男性のスキルス胃癌の患者さんは、入院したくないと、外来で断続的に点滴をしていた。世話をしていた元看護師の妹さんから、昨日入院させてほしいとラン楽があった。今日入院してきたが、1か月は持たないだろう。亡くなった奥さんの法事をすませるというのが目標で、これまで自宅でがんばっていた。

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肺癌で死亡

2013年09月26日 | Weblog

 肺癌の緩和ケアで入院していた75歳男性が午前5時前に亡くなった。当直の脳外科医が看取ってくれた。看護師さんには、このまま死ぬんだろうかなどと言っていたらしい。ベットに座ってうつむいている姿が印象的だった。

 抗うつ剤を投与したが、効果はなかった。スピリチュアルな問題なのかもしれない。妻子はなく、兄弟は他県にいて、時々来てくれていたが、毎日というわけにもいかない。当地で仕事をしていて、仕事を辞めてからも、そのまま当地に残っていた。経済的に可能であれば、兄弟たちのいる出身地に戻った方がよかったのではないだろうか。

 一般病院では。教科書通りにオピオイドやステロイドを投与するのが精一杯で、ホスピスのようなケアをする余裕はない。もっとも、県内には大学病院とがんセンターにホスピスがあるが、病床数も少ないし、待っている間に病状が悪化してしまう。また、県内からといっても、遠くてホスピスまでそうそう頻回に家族が見舞いに行けない。居住地近くの病院で、ホスピスに準じたケアができればいいのだろうが、どこの病院でもそんな余裕はないだろう。

 亡くなった患者さんは基幹病院呼吸器科からの紹介だった。外来でオピオイド投与を継続して、悪化した時は入院で看取って下さいという依頼だった。しかし当院外来を受診した時から食欲不振と倦怠感があった。一人暮らしで、兄弟が他県から世話に来ているということで、そのまま入院としたのだった。前医では、一人暮らしなので在宅給食サービスを斡旋したが、患者さんは暗い顔でおいしくないんですと言っていた。付き添いで来ていた兄弟は、入院できると聞いて喜んでいた。兄弟と2日前に病棟であった時に、今週末まで持つかどうかと伝えていた。地元に戻らず、患者さんの自宅に泊まっていたので、急変時(予想されたことだが)にはすぐに病院に来た。

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午後は休み

2013年09月25日 | Weblog

 昨日の総胆管結石の89歳女性は抗菌薬投与(スルペラゾン)で今朝は解熱していた。ベット上にチョコンとすわっていて、何でもないようだった。今日は水分のみにして、明日から食事を出すことにした。基幹病院消化器科の先生に電話して相談した。総胆管結石の患者さんが5名いて、緊急性がなければ内視鏡治療は来週になるので、当院で保存的に治療して経過を診てほしいといわれた。その後、その消化器センター長の指示を受けた若手の先生から電話がかかってきて、来週の火曜日に転院の予定となった。

 肺癌の70歳台後半の男性は体動困難となって、個室に移動した。昨日兄弟がきたので、今週末くらいだろうとお話ししていた。塩酸モルヒネの点滴静注を開始していて、投与量を少しずつ増量している。あまり病状を聞いてくることはないが、看護師さんの話ではかなり悲観的な発言があったそうだ。ここまで来ると、鎮静を図るほうがいいかもしれない。

 休日出勤の分の半日休みがあり、今日の午後は病棟を診てから早目に帰ることにした。

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高齢者の入院ー肺炎と胆管炎

2013年09月24日 | Weblog

 三連休は初日が日直で3日目が当直と,50歳台にはきつい日程だったが、何とか乗り切れた。今日は外来が少なかったが、肺炎で入退院を繰り返している91歳女性が発熱と痰の増加で入所している施設から紹介されてきた。肺炎を繰り返しているので、どこが新規の病変か判断しがたいが、両側肺に浸潤影が散在している。BNPが以前より上昇していたが、肺うっ血としてはそれほど目立たない。10回目くらいの入院となった。

 夕方発熱で受診した89歳女性は総胆管結石だった。肺炎や尿路感染症はなく、急性胆管炎ということになる。意識は清明でバイタルサインは問題なかった。内視鏡的乳頭切開と結石摘出術ができる病院へ紹介するようになるが、今日は当院で治療して、明日電話で相談することにした。循環器科に心不全で、神経内科に脳梗塞後遺症で通院しているが、自分で歩いていて、難聴はあるが、ちゃんと話もできる。胆嚢内には結石がないので内視鏡治療のい適応だと思うが、年齢を伝えるとガッカリされるかもしれない。

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預った患者さんたち

2013年09月23日 | Weblog

 神経内科医が海外の学会に出かけている。病院の学会出張費では足りないので、以前の治験で得たお金で賄っているらしい。観光旅行も込みだろうが、面倒な治験のご褒美というものだろう。ただ神経内科医は一人なので、不在の間の入院患者の診療を頼まれることになる。病棟を共有している循環器科と内科に頼んでいったが、頼まれた循環器科医も先週末から学会(国内)で出張していた。

 循環器科病棟に入院している寝たきりの患者さん(パーキンソン病)はCV管理となっているが、CVラインも入りにくいらしい。現在大腿静脈から挿入されているが、挿入側の下肢に浮腫があるという。点滴自体は順調に入っている。反対側から入れ替えるか、内頸静脈か鎖骨下静脈から入れ替えることになるのだろうが、やっと入れたラインといわれると、自信がない。明日になれば、CV穿刺の得意な循環器科医が戻ってくるので、今日は点滴量を減らして経過をみることにした。

 内科病棟に入院している神経内科の患者さんも発熱が続いている。先週から抗菌薬が出ているが、効いていないようだ。この方もCVラインが入っている。胃瘻造設をしたが、処方薬を入れるだけになっていた。寝たきりで会話もできない方だった。痰が絡んで吸引を頻回に行っているが、酸素飽和度は室内気でも正常だった。誤嚥性肺炎ではない。血流感染としても、発熱が続いてラインを入れ替えたばかりだった。血液培養は陰性だった。尿路感染と思われたが、尿自体は肉眼的には混濁していない。感染管理としての定期の尿培養からは腸球菌が検出されていて、これは現在の抗菌薬が効かない。明日もう一度血液培養と尿培養と喀痰培養を提出してみよう。

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急性虫垂炎ー糞石は急にできるもの?

2013年09月22日 | Weblog

 昨日の日直の終わり(夕方)に76歳男性が早朝3時からの右下腹部痛で受診した。他院で、昨年膀胱癌で膀胱全摘・回腸による代行膀胱造設の手術を受けていた。3か月前に腸閉塞で当院の外科に入院して保存的に治癒している。その時の腹部CTを見ると、上行結腸に数個の憩室があり、正常な虫垂も認めた。

 急性虫垂炎から結腸憩室炎かと思われた。腹部造影CTを行うと、虫垂根部(入口部)に糞石があり、虫垂の半分が腫脹して壁肥厚もあった。急性虫垂炎だったが、3か月の間に糞石ができたことになる。外科の当番の先生に来てもらって、緊急手術となった。

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90歳肺炎

2013年09月21日 | Weblog

 今日は日直で病院に来ている。90歳男性が昨日からの発熱で救急外来を受診した。外科に3か月前まで入院した。けっこう長い経過で、当初は急性胆管炎で入院した。胆嚢摘出術後で乳頭切開術も受けていた。総胆管には結石再発はなかったらしい。抗菌薬投与で軽快した。その後、鼠径ヘルニアがあることがわかって、手術を受けた。術後に尿路感染症で発熱して治療を受け、何とか退院にこぎつけたようだ。

 右肺にラ音を聴取したので、肺炎を疑ったが、胆道感染も尿路感染もありうる。胸部X線で右肺に浸潤影を認め、肺炎で間違いなかった。胆道感染と尿路感染は否定的であった。内科病棟が混んでいて、循環器科・神経内科病棟の空いているところに入院して治療を開始した。難聴はあるが、年齢の割には元気にしゃべっている。治ると思うが、90歳で前回入院の事情を考慮すると、別の病気が出てくることも考慮しておく必要がある。

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胃瘻の適応

2013年09月20日 | Weblog

 びまん性肺胞出血で基幹病院呼吸器科から転院してきた80歳男性は、脳梗塞後遺症で嚥下障害があった。それでも何とか経口摂取していたが、誤嚥性肺炎を起こした。抗菌薬投与で肺炎は軽快してきたが、ゼリー食でも痰がからんで、食事をupできなかった。プレドニンも注射薬で入れていた。

 この方は昼間はテレビをみて過ごしていて、このまま点滴を継続して看取る人ではない。家庭環境としては妻子はすでに死亡していて、ずっと20年一緒に生活してきた内縁の女性がいるが、責任者は遠方の甥になっていた。本人に直接胃瘻の話をしたところ、どのくらいの理解なのかはわからないが、同意した(たぶん)。胃瘻を造設して、経口摂取と併用でいけると思われる。栄養が入ると、嚥下障害も多少改善する可能性がある。その女性を呼んで、話してみよう。

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