昨日の当直は循環器科医だった。朝方に72歳男性が発熱・倦怠感で受診した。先週の月曜日祝日の日直帯に下痢を訴えて受診していた。普通に整腸剤などが処方されている。その後下痢は治まっているが、食欲が低下して脱水症になっていた。炎症反応が白血球数が17000、CRPが26と上昇していた。腎機能障害があり、単純CTを撮っていたが、肺炎はなく、腸管も特に異常はなし。小さな胆嚢結石はあるが、胆嚢炎ではない。胸痛・腹痛の訴えがなく、判断に迷うが、胸部大動脈に解離が疑われた(単純CTのみだが、大動脈壁の石灰化の位置からみて、乖離はある)。それと連続していないが、6cmの腹部大動脈瘤があり(破裂はしていない)、周囲の脂肪組織に炎症像があるように見える。大動脈瘤自体で発熱・炎症反応上昇があるのだろうか。感染性大動脈瘤という病名は聞くが、見たことがないのでよくわからない。
かなり前に専門病院で冠動脈疾患でPCIの処置を受けていた。その後も糖尿病の教育入院で何度か入院しているという。内科消化器科の当番の消化器科医は当院に入院させて検査治療する気持ちがあったが、専門病院への搬送をすすめた。結局家族とも話し合って、搬送となった。