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なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

PPPD

2025年05月25日 | 耳鼻咽喉科疾患

 CareNeTVでいつものDr.林の笑劇的救急問答を見ていた。めまいのところで、PPPD (トリプルピーディー)Persistent Postural Perceptual Dizziness 持続性知覚性姿勢誘発めまい、が出ていた。

 5月11日に記載した女性は食欲不振・不眠・めまいが続いてまだ入院している。肺炎はセフトリアキソン1週間投与で治癒した。昨年8月からの症状で、このPPPDに相当するのかもしれない。

 外来で診ている先生はパロキセチンなどを処方しているが、今回はミルタザピンも追加してみた(7.5mgから開始して15mgにしたところ)。(胸やけの訴えもあり、P-CABも処方)症状が軽減したところで外来に戻す予定だが、予想通りなかなかすっきりしない経過にはなっている。

 

Dr.林の笑劇的救急問答Season18
第8回 めまいは続くよPPPD(トリプルピーディー)

症例:長年めまいに悩む40歳女性

空中をふわふわ浮いているようなめまい
10年前からめまいあり
頭を動かすと発症
末梢性めまいと診断
1年前から繰り返し発症
あらゆる診療科を受診してきたが原因不明
立ち上がったり、TVの激しい動きの映像を見たりして起こる
仕事に行くのもやっと
いつも行く病院が休みだったため救急を受診
Dix Hallpike:陰性
HINTS+:陰性
頭部CT:異常なし

病歴と所見からPPPD
PPPDとは「持続性知覚性姿勢誘発めまい」のこと
先行するめまいや精神疾患
→立位や複雑な視覚パターンで誘発
治療法はSSRI薬物療法や認知行動療法など多数あり
→BATHE法での治療を指示
B:Background(背景)
A:Affect(気持ち)
T:Trouble(困っていること)
H:Handling(対処法)
E:Empathy(共感)

PPPDには不安障害が背景にある場合も
ちょっとした内耳への刺激で反応してしまう中枢感作が起きている

 

繰り返す回転性めまい
42歳女性。めまいのため、目が覚めた。激しい嘔吐、めまい。頭痛なし。聴力低下なし。安静時つらくて、顔色が悪い。体動でめまい悪化。フレンチェル眼鏡で眼振はっきりせず、実はこれで6回目。

Triggered VS eposodic vs On-going
数秒:BPPV 
Triggered体位で誘発
数分:VBI・TIA
数時間:メニエール・片頭痛
Episodic繰り返す
数日:前庭神経炎、中枢性
On-going

前庭性片頭痛
頭痛は必須ではない 25-75%
5分~72時間 過去5回以上
A 頭痛:拍動性、中等度以上、片側性、動くと悪化
B 光過敏・音過敏
C 視覚性前兆
A,B,Cのどれかがあればよい
頭痛はあっても軽め!
顔色が悪い
めまい以外の神経症状→椎骨動脈解離を疑え
約半数は医者に行かない
診断がついたのは10%のみ
片頭痛が改善し、30-40歳で発症
片頭痛の既往歴、家族歴、トリガーあり
生理、天気、ストレス、不眠
乗り物酔いしやすい
メニエル病と親和性高い
耳の症状はあっても軽い(耳閉感、耳鳴、聴力低下)
メトクロプラミドは単独で片頭痛に効く(生食50mlに混合して入れる、ワンショットで錐体外路症状)
めまい治療は効果低い12.9%
片頭痛の治療・予防を


42歳女性 3か月以上ほぼ毎日めまい

PPPD (トリプルピーディー)Persistent Postural Perceptual Dizziness
持続性知覚性姿勢誘発めまい
・浮遊感、不安定感、非回転性めまい
3か月以上ほぼ毎日、増悪・軽減あり
・3つの増悪因子:立位、動き(非特異的、能動的/受動的)、視覚刺激(動き、パターン)
・他の疾患(前庭疾患、神経、内科、心理ストレス)が先行する
・顕著な苦痛・機能障害を引き起こす
・他の疾患や障害ではうまく説明できない

精神疾患(不安感など悪化要因)
+器質疾患(前庭疾患など)
→機能的疾患(予期不安、抑うつなど)
脳が病気と信じ込んでいる

治療:SSRIなど
共感力を鍛える・気持ちに寄り添う
BATHE法
B:Background 何に困っているか聞き出す
A:Affect どう感じているのか
T:Trouble 一番の困りごろは何か
H:Handling どう対処しているのか
E:Empathy 共感を示す

 

数秒のめまいを繰り返す

前庭性発作症Vestibular paroxysmia
神経血管圧迫症候群

数秒 1日30回以上も
頭位変換や過呼吸で誘発、3か月以上
AICA(前下小脳動脈)の第8脳神経圧迫(MRA)
治療:カルバマゼピン
左右回旋でめまい
耳鳴、聴覚過敏
患側水平回旋性眼振
BPPVとは動きが違う
第7、8神経症状(半側顔面痙攣、耳鳴)
診断基準
A:少なくとも10回の自発性の回転性めまいあるいは非回転性のめまい発作を認める
B:めまい発作の持続時間は1分以内
C:めまい発作に伴う特徴的な脳神経症状(第7、第8)が存在
D:カルバマゼピン、オクスカルバマゼピン7が奏効
E:他の疾患ではうまく説明できない
画像診断を行う
脳外科に紹介する


65歳男性
大きな音と聞くと、爆発音になり、驚いて飛び起きてしまう 
くしゃみや鼻をかむと、ひどいめまいが起きてしまう
自分の声が異様に大きく聞こえてしまう

上半規管裂隙症候群
Superior Canal Deshiscence Syndrome
上半規管を覆う骨が消失→可動可能な窓、瘻孔症状
前庭症状
・Tulio現象:眼振やめまいが音で誘発される
・咳、くしゃみ→めまいや耳鳴り(瘻孔症状)
・慢性的平衡障害
聴覚症状
・自声強聴:自分の声や呼吸音が異常に大きく聞こえる
・骨伝導による聴覚過敏
・拍動性耳鳴り、低音性難聴


前庭てんかん 数秒
・数秒~数分:多くは30秒以内
・前庭症状のみのてんかんはまれ
・突然始まって突然終了
・てんかんの家族歴は20-29%
・脳波異常は側頭部が79.8%、頭頂部は11.8%

 

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聴神経腫瘍疑い

2024年04月07日 | 耳鼻咽喉科疾患

 3月下旬に耳鼻咽喉科の先生から相談を受けた。市内の耳鼻咽喉科クリニックから、左顔面神経麻痺の患者さんが紹介されてきたという。

 入院でステロイド大量点滴静注を開始したいが、その患者さんはCOVID-19に罹患してその日が発症後6日目だった。そのまま普通に入院にしていいか、という質問だった。

 個室入院で病棟の看護師さんには、発症後10日まではCOVID-19としての対応をしてもらうことにした。大量のステロイド(プレドニン注2mg/kgから)投与になるので、COVID-19のウイルス生存期間が延びる可能性も危惧された。

 

 症状は顔面神経麻痺だけではなく、難聴とめまいもあった。通常のベル麻痺ではない。内耳神経と顔面神経の両者を巻き込んだ病態になる。

 COVID-19の問題で、通常の聴力検査も未施行での入院となっていた。隔離解除となってから、聴神経腫瘍疑いとして頭部MRIが行われた。すると、左内耳に聴神経腫瘍を疑う腫瘤が描出された。

 脳外科の対象になるので、退院してから地域の基幹病院脳外科の外来受診予定となった。

 

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甲状腺癌

2024年03月28日 | 耳鼻咽喉科疾患

 非常勤で来ている外科の先生から、88歳女性の緩和ケアを頼むといわれた。といってもすぐの入院ではなく、悪化した時に入院で診るというものだった。

 2月8日に抜歯のために歯科医院を受診した。喘鳴(吸気性のStridor)が聞こえたので、治療前に呼吸器科で診てもらうようにと指示された。 

 その日すぐに当院の呼吸器外来を受診した(週1回なのでたまたま曜日が合った)。喘鳴は昨年12月からあったそうだ。右頸部腫瘤を指摘されて、CTで確認した。甲状腺癌だった。

 耳鼻咽喉科に紹介されて、喉頭ファイバーで右声帯麻痺を認めた。さらに外科に紹介された。大学病院や地域の基幹病院では甲状腺癌は外科の扱いになっている。大学病院に紹介された。「何か治療ができるでしょうか」だった。

 大学病院では気管浸潤・総頚動脈浸潤があることから、緩和ケアのみとなった。窒息に備えての気管切開も難しい。

 

 4月半ばに家族だけ受診するので、その時に話をしてほしいといわれた。現状ではできるだけ施設で過ごして、施設でみられなくなったら入院となる。

 ただ呼吸困難になっても酸素吸入しかない。痰が詰まると急変する可能性がある。急変して救急隊が呼ばれると、身体を痛めるだけの心臓マッサージや、さらにはそれ用の機械を付けられて拷問状態になる。(建設機械が地面に杭を打ち込むような状態)

 それは避けませんかという話になるが、納得するかどうかはわからない。

 

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寝返りでBPPV

2024年02月27日 | 耳鼻咽喉科疾患

 2月25日(日)は日直だった。午後3時過ぎに回転性めまいの78歳女性が救急外来を受診した。救急搬入ではなく、家族が車で送ってきたので、治まってはきているのだろう。

 病院に来てからは、目を閉じて車椅子に座っていた。嘔気を訴えていたので、ストレッチャーに横になってもらって、点滴(と採血)を入れて、プリンペランとメイロン(=おまじない)を静注した。

 少し落ち着いたところで頭部CTを行った。出血はなく、明らかな梗塞巣も指摘できないが、小脳脳幹部はわからない。

 その日の午前2時ごろに発症していた。トイレに行こうと起き上がった時かと思ったが、そうではなかった。寝ていて寝返りを打った時に発症していた。ぐるぐる回る回転性めまいだった。体動時に発症しては治まっての繰り返しだった。

 意識清明で会話は普通にできる。頭痛はなく、耳鳴・難聴もない。麻痺や運動失調はなかった。

 これまで何度か短い時間同様の症状が出たことがあり、様子をみて治っていたそうだ。回転性の要素は軽減したらしいが、浮遊感が続き、嘔気も続くので受診していた。

 良性発作性頭位めまい(BPPV)でいいようだ。検査が終了してから1回嘔吐したこともあり、入院で経過をみることにした。院内のコロナ発生で入院はダメといわれていたが、地域包括ケア病棟に、認知症がないこと治療は点滴だけであることを伝えて、頼み込んで入院にさせてもらった。

 翌日病棟に行くと、すっかり症状は消失してすぐにも退院したいと希望された。症状継続時の耳鼻咽喉科外来受診と頭部MRIはしないことになった。

 昼食を問題なく摂取できるのを確認して午後から退院となった。夫が血液透析で当院に通院していて、その対応がストレスでといっていた。本人の解釈では、今回のめまいもストレスからきたという。耳石の問題で違うけど。

 BPPVの発症誘因は、起床時・寝返りをうつ・上を向く等があるが、圧倒的に起床時(または夜間トイレに起きる)が多い。美容院で洗髪のために頭部を後屈した時に発症して、そのまま美容院から救急搬入というのもあった。

 夜間睡眠中に寝返りを打ったときにBPPVが発症すると、すぐ自覚できるのかという気はするが、すぐわかって覚醒するのだろう。

 

 3連休中に急性期病棟の入院患者8名がコロナ(COVID-19)に罹患して、スタッフ(看護師1名と看護助手2名)も罹患した。週明けの月曜日には新たに看護師2名がコロナと判明した。

 救急の受け入れが当分厳しい状況が続く。整形外科の手術は今週の予定分だけは、そのまま行うことになった。

 

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急性喉頭蓋炎

2023年10月21日 | 耳鼻咽喉科疾患

 10月18日の夕方、入院していた心不全・高血圧症の90歳男性が頻拍発作となり、治療を開始した。その日は当直だったので、何度か病棟に行って治療に対する反応を確認していた。

 

 その日の日中に耳鼻咽喉科で急性喉頭蓋炎の59歳男性を入院させていた。ステロイドと抗菌薬(セフトリアキソン)を開始して、アドレナリン(ボスミン)入りの吸入もしていた。

 患者さんが痰の絡みがとれないと訴えた。入院していた病室(4人部屋)からナースステーションに隣接した集中治療用の病室に移動させて、吸入をしているところだった。

 耳鼻咽喉科のカルテ記載を確認した。10月16日から咽頭痛がひどくなり、18日に市内の耳鼻咽喉科クリニックを受診して、扁桃周囲炎として当院に紹介になっていた。

 喉頭鏡の所見では、右口蓋扁桃の腫脹もあるが、喉頭蓋が肥厚して発赤している。気道狭窄はあるだろうがすぐに閉塞するほどではないように見える(喉頭蓋の評価は自信がないが)。いきなり窒息まではないかと、若干安心した。

 

 翌19日に診療開始時に、耳鼻咽喉科医は再度喉頭鏡で喉頭蓋を観察した。前日より若干の腫脹の進行を見て、気道確保処置の可能性もあるとして、地域の基幹病院耳鼻咽喉科に転院搬送とした。(翌日の金曜日は耳鼻咽喉科医が毎週不在という事情もある)

 

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