CareNeTVでいつものDr.林の笑劇的救急問答を見ていた。めまいのところで、PPPD (トリプルピーディー)Persistent Postural Perceptual Dizziness 持続性知覚性姿勢誘発めまい、が出ていた。
5月11日に記載した女性は食欲不振・不眠・めまいが続いてまだ入院している。肺炎はセフトリアキソン1週間投与で治癒した。昨年8月からの症状で、このPPPDに相当するのかもしれない。
外来で診ている先生はパロキセチンなどを処方しているが、今回はミルタザピンも追加してみた(7.5mgから開始して15mgにしたところ)。(胸やけの訴えもあり、P-CABも処方)症状が軽減したところで外来に戻す予定だが、予想通りなかなかすっきりしない経過にはなっている。
Dr.林の笑劇的救急問答Season18
第8回 めまいは続くよPPPD(トリプルピーディー)
症例:長年めまいに悩む40歳女性
空中をふわふわ浮いているようなめまい
10年前からめまいあり
頭を動かすと発症
末梢性めまいと診断
1年前から繰り返し発症
あらゆる診療科を受診してきたが原因不明
立ち上がったり、TVの激しい動きの映像を見たりして起こる
仕事に行くのもやっと
いつも行く病院が休みだったため救急を受診
Dix Hallpike:陰性
HINTS+:陰性
頭部CT:異常なし
病歴と所見からPPPD
PPPDとは「持続性知覚性姿勢誘発めまい」のこと
先行するめまいや精神疾患
→立位や複雑な視覚パターンで誘発
治療法はSSRI薬物療法や認知行動療法など多数あり
→BATHE法での治療を指示
B:Background(背景)
A:Affect(気持ち)
T:Trouble(困っていること)
H:Handling(対処法)
E:Empathy(共感)
PPPDには不安障害が背景にある場合も
ちょっとした内耳への刺激で反応してしまう中枢感作が起きている
繰り返す回転性めまい
42歳女性。めまいのため、目が覚めた。激しい嘔吐、めまい。頭痛なし。聴力低下なし。安静時つらくて、顔色が悪い。体動でめまい悪化。フレンチェル眼鏡で眼振はっきりせず、実はこれで6回目。
Triggered VS eposodic vs On-going
数秒:BPPV
Triggered体位で誘発
数分:VBI・TIA
数時間:メニエール・片頭痛
Episodic繰り返す
数日:前庭神経炎、中枢性
On-going
前庭性片頭痛
頭痛は必須ではない 25-75%
5分~72時間 過去5回以上
A 頭痛:拍動性、中等度以上、片側性、動くと悪化
B 光過敏・音過敏
C 視覚性前兆
A,B,Cのどれかがあればよい
頭痛はあっても軽め!
顔色が悪い
めまい以外の神経症状→椎骨動脈解離を疑え
約半数は医者に行かない
診断がついたのは10%のみ
片頭痛が改善し、30-40歳で発症
片頭痛の既往歴、家族歴、トリガーあり
生理、天気、ストレス、不眠
乗り物酔いしやすい
メニエル病と親和性高い
耳の症状はあっても軽い(耳閉感、耳鳴、聴力低下)
メトクロプラミドは単独で片頭痛に効く(生食50mlに混合して入れる、ワンショットで錐体外路症状)
めまい治療は効果低い12.9%
片頭痛の治療・予防を
42歳女性 3か月以上ほぼ毎日めまい
PPPD (トリプルピーディー)Persistent Postural Perceptual Dizziness
持続性知覚性姿勢誘発めまい
・浮遊感、不安定感、非回転性めまい
3か月以上ほぼ毎日、増悪・軽減あり
・3つの増悪因子:立位、動き(非特異的、能動的/受動的)、視覚刺激(動き、パターン)
・他の疾患(前庭疾患、神経、内科、心理ストレス)が先行する
・顕著な苦痛・機能障害を引き起こす
・他の疾患や障害ではうまく説明できない
精神疾患(不安感など悪化要因)
+器質疾患(前庭疾患など)
→機能的疾患(予期不安、抑うつなど)
脳が病気と信じ込んでいる
治療:SSRIなど
共感力を鍛える・気持ちに寄り添う
BATHE法
B:Background 何に困っているか聞き出す
A:Affect どう感じているのか
T:Trouble 一番の困りごろは何か
H:Handling どう対処しているのか
E:Empathy 共感を示す
数秒のめまいを繰り返す
前庭性発作症Vestibular paroxysmia
神経血管圧迫症候群
数秒 1日30回以上も
頭位変換や過呼吸で誘発、3か月以上
AICA(前下小脳動脈)の第8脳神経圧迫(MRA)
治療:カルバマゼピン
左右回旋でめまい
耳鳴、聴覚過敏
患側水平回旋性眼振
BPPVとは動きが違う
第7、8神経症状(半側顔面痙攣、耳鳴)
診断基準
A:少なくとも10回の自発性の回転性めまいあるいは非回転性のめまい発作を認める
B:めまい発作の持続時間は1分以内
C:めまい発作に伴う特徴的な脳神経症状(第7、第8)が存在
D:カルバマゼピン、オクスカルバマゼピン7が奏効
E:他の疾患ではうまく説明できない
画像診断を行う
脳外科に紹介する
65歳男性
大きな音と聞くと、爆発音になり、驚いて飛び起きてしまう
くしゃみや鼻をかむと、ひどいめまいが起きてしまう
自分の声が異様に大きく聞こえてしまう
上半規管裂隙症候群
Superior Canal Deshiscence Syndrome
上半規管を覆う骨が消失→可動可能な窓、瘻孔症状
前庭症状
・Tulio現象:眼振やめまいが音で誘発される
・咳、くしゃみ→めまいや耳鳴り(瘻孔症状)
・慢性的平衡障害
聴覚症状
・自声強聴:自分の声や呼吸音が異常に大きく聞こえる
・骨伝導による聴覚過敏
・拍動性耳鳴り、低音性難聴
前庭てんかん 数秒
・数秒~数分:多くは30秒以内
・前庭症状のみのてんかんはまれ
・突然始まって突然終了
・てんかんの家族歴は20-29%
・脳波異常は側頭部が79.8%、頭頂部は11.8%