なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

インフルエンザでした

2019年01月08日 | Weblog

 87歳女性がデイサービスに行っている時に腹痛・嘔吐が出現して、救急搬入された。発熱はなかったが、少し前から感冒症状があったそうだ。

 救急当番の外科医から連絡が来た。胸腹部CTで直腸~S状結腸に便がたまっているくらいであまり問題はないという。ただし、酸素飽和度が80%台後半に低下していて、血液ガスで確認すると酸素分圧が58mmHgで低下していた。

 もともと間質性陰影があって、呼吸器外来でフォローされたこともあるそうだ。以前の胸部CTでは確かに淡く間質性陰影があった。一時はプレドニンが処方されていたが、中止(か中断)になっていた。

 今回のCTでは以前より間質性陰影は目立たない(というか減少している)。むしろ、両側肺下肺野(特に左肺)に浸潤影を撮れる陰影がある(放射線科の読影ではとっていないが)。

 聴診上は軽度の喘鳴があった。肺炎はあるとして、喘鳴が気になった。RSウイルス迅速検査を提出して、同じ綿棒でできるので時節柄インフルエンザ迅速試験も提出した。結果はRSウイルスは陰性で、インフルエンザA型陽性だった。

 インフルエンザ+肺炎として個室入院になった。入院してすぐに排便があり、患者さんは嘔気・嘔吐と腹痛がすっかり軽快して、食事をしたいと言い始めた。

 救急室の様子ではゾフルーザの内服は難しいと判断して、ラピアクタ300mgの点滴静注をしていた。セフトリアキソン点滴静注も開始している。

 この方は呼吸器症状もあったが、この時期は呼吸器症状に乏しくても、入院する患者さんはインフルエンザの検査をしないとまずいかもしれない。一昨年の病棟内でのインフルエンザ多発は、大部屋に入院してしまった患者さんが後でインフルエンザと判明したところから始まった。

 ところでこの患者さんは2年前に右腎盂癌と泌尿器科で診断されているが、その後はフォローが中断になっている。後日家族に伝えて、確認しよう(おそらく経過観察のみ)。

 

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