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なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

急に苦しくなる人

2019年01月18日 | Weblog

 内科外来に78歳代の男性が高血圧症・高尿酸血症で通院していた。アルコール性肝障害とCOPDもあり、節酒・禁煙を勧めたが、「こればっかりはやめられません」と言い続けていた。

 息切れの訴えはなかったが、そのうち両側下腿の浮腫が出現した。検査の結果はCOPDによる右心不全だった。利尿薬少量で浮腫は軽減していたが、今度は洞性徐脈が続いた。

 循環器科に相談して、入院精査になった。プロタノール(イソプロテレノール)の点滴静注で経過をみて、プレタールの副作用(心悸亢進)を逆用した内服に変更された。心臓ペースメーカー植え込み術は見合わせとなり、その処方で経過観察となった。

 

 循環器科通院になっていたが、そのうち発作的な呼吸困難感を訴える様になって、呼吸器科外来(大学病院からのバイト)に紹介された。COPDがあり、発作的な呼吸困難感ということで、喘息に準じてICS/LABAのレルベア吸入が開始された。

 それでも発作的な呼吸困難は続き、救急外来を何度か受診した。受診時には症状が軽減しているが、酸素飽和度が低下しているわけでもなく、喘鳴が聴取されるわけでもない。

 その後夜間の救急外来を受診した時に、当直医から連絡が来た。「特に悪いようでもないが、またすぐ受診するようになるのでぜひ入院させてほしいと言っています」、ということだった。入院してもらうことにした。

 症状は発作的に起こり、何でもない時もなりそうな不安感はある。パニック発作のようでもあるが、失礼ながらそういうキャラクターには見えない。

 器質的疾患を疑って、苦しいのは喉のあたりというので、耳鼻咽喉科外来で診てもらった。喉頭にごく軽度の発赤があるが、有意かどうかという。逆流性食道炎を疑って上部内視鏡検査を行うと、食道炎の所見はあった。訊けば胸やけを感じることもあるという。タケキャブを処方してみたが、あまり効いたようでもない(処方は継続)。

 うつ状態・パニック障害を疑って、SNRI(サインバルタ)を処方して経過をみているところだ。ご本人は入院していると安心感があるので、もう少し入院させてほしいという。案外デリケート?。入院していると酒もタバコもダメだが、それは気にならないらしい。

 

 

コメント (1)
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