#喘息性気管支炎
昨日の日曜日は当直だった。循環器科医が日直をしていて、発熱・咳で受診した81歳女性が外来点滴を受けていた。4-5日前から発熱・咳が続き、かかりつけの内科医院でジスロマックの処方などを受けていた。胸部X線・CTで肺炎を示す浸潤影はなかった。CRPが5と軽度に上昇していた。聴診すると喘鳴を肺全体に認めた。気道感染によって、喘息発作様の症状を呈したものだ。喘息の既往はない。細菌性というよりウイルス性かと思われる。喘息に準じて気管支拡張剤とステロイド、さらに抗菌薬も併用して入院で経過をみることにした。
#めまい
引き継ぎの時間に、透析で通院している82歳男性がめまいで受診していた。午前中からめまいを自覚していたが、夕方になって歩行困難になったという。意識清明で難聴があるため、こちらの話を聞かずに自分が思ったことだけ喋りまくっていた。少なくとも構語障害はないわけだが、頭部MRIの拡散強調画像で小脳の一部が梗塞様に写っていた。こんな元気な小脳梗塞もないと思われたが、透析患者さんということもあり、入院で経過をみることにした。今日神経内科医にMRIを診てもらうと、なんらかのアーチファクトではないかと言われた。実際、頭部MRIを再検すると異常はなかった。明日透析が終わったら退院の予定とした。
#餅で腹痛
今年の1月に基幹病院の呼吸器科から、慢性閉塞性肺疾患の増悪で入院した84歳男性を、3月まで入院させてほしいと依頼があり、引き受けた。在宅酸素の患者さんだが、特に問題はなく、寒い間病院においてほしいという家族の希望だった。3月初めまで入院して、退院後はかかりつけの内科医院へ戻していた。その患者さんが腹痛で救急搬入されてきた。COPDの増悪ではなく、腹痛だった。午前11時にあんこの入った餅を4個食べて、午後2時から上腹部痛が始まったそうだ。心窩部から右季肋部にかけて圧痛がある。腹部CTで見ると、胃前庭部から十二指腸球部~下行脚にかけて食物が連なっていた。どうも餅らしい。短期入院でとりあえず点滴をして、餅がこなれて流れていくのを待つことにした。今日は腹痛も治まって、昼から食事を出したら全部食べてしまった。腹ぐらいをみて、少し食べてみてと言ったのに。明日まで経過をみて退院にしよう。
#心肺停止
84歳男性が、入浴中に心肺停止となって救急搬入されてきた。ひとりで入浴していたが、なかなか上がってこないので妻が見に行くと、意識がなかった。家族(近くの親戚も)が確認すると、息をしていない、脈が触れなかった。救急要請して、救急隊がさっそく心肺蘇生を開始したが、まったく反応はしなかった。病院搬入後も心肺蘇生を続けたが、結局家族に反応しないことを伝えて、蘇生術を中止した。高血圧症・慢性腎不全で外来通院していた患者さんだった。AIを行うと、慢性硬膜下血腫があったが、程度からみてそれで亡くなったわけではないようだ。冠動脈にそって石灰化が目立ち、虚血性心疾患と推定された。
#肺炎・胸膜炎、けいれん
脳梗塞後遺症で寝たきり・胃瘻による経管栄養の73歳男性が発熱とけいれんで救急搬入された。もともと症候性てんかんで抗てんかん薬は内服(というより注入だが)していた。神経因性膀胱で尿カテーテルが留置されていて、尿路感染症かと思われたが、右肺に広範な浸潤影と液体貯留があり、肺炎・胸膜炎(膿胸?)による発熱だった。喀痰を吸引しようすると経管栄養食が引けてくる。喀痰培養は断念して尿培養と血液培養2セットを提出した。セルシン静注とホストイン点滴静注でけいれんは治まった。入院の指示出しが終わって午前1時になっていた。
1名外来で看取って、4名入院となった。幸いに、深夜帯での救急外来受診がなかったので助かった。