先週の20日(日曜日)に40歳男性が、発熱と多発性の口腔内・口唇(口唇周囲も含む)の水疱で受診した。前日の19日(土曜日)にも救急外来を受診していた。単純ヘルペスなのかと思って、バルトレックス内服を処方した。症状が続いて翌日の祝日にも受診して、そのまま外科で入院になっていた。発疹なので常勤医のいない皮膚科疾患は外科扱いということだったらしい。
17日から発熱と口腔内の疼痛があり、翌18日に内科医院を受診した。インフルエンザ迅速試験は陰性だったが、時期的にインフルエンザだろうということで、タミフル内服が処方された。この時は水疱はなかったのかもしれない。19日(土曜日)に当院の救急外来を受診して、用連記迅速試験が行われた。欠課は陰性だったが、扁桃の発赤があるということで?、セフェム系抗菌薬が処方された。そして20日日直で出ている時に受診した。ふだん特に治療している病気はなかった。
21日(祝日)はそのままバルトレックス内服は継続となって、口腔の疼痛で食事がおれないため、点滴が行われた。連休明けの22日に皮膚科外来(大学病院から出張)で診察を受けて、成人水痘と診断された。ゾビラックス250mg8時間おきの点滴が開始されて、数日で解熱軽快した。昨日退院になっていた。検査はしていないが、臨床的には肺炎・中枢神経感染はなかったようだ。
入院した日に抗体検査が提出されて、VZV-IgMは陰性でVZV-IgGは陽性。HSV-IgMとHSV-IgGは陰性だった。その後に抗体検査は出されていないが、再検すればVZV-IgMが上昇してきたのだろうか。それにしても、ウイルス疾患の本をさっぱり持っていないし、あまり知識もない。