なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

成人水痘?

2016年03月31日 | Weblog

 先週の20日(日曜日)に40歳男性が、発熱と多発性の口腔内・口唇(口唇周囲も含む)の水疱で受診した。前日の19日(土曜日)にも救急外来を受診していた。単純ヘルペスなのかと思って、バルトレックス内服を処方した。症状が続いて翌日の祝日にも受診して、そのまま外科で入院になっていた。発疹なので常勤医のいない皮膚科疾患は外科扱いということだったらしい。

 17日から発熱と口腔内の疼痛があり、翌18日に内科医院を受診した。インフルエンザ迅速試験は陰性だったが、時期的にインフルエンザだろうということで、タミフル内服が処方された。この時は水疱はなかったのかもしれない。19日(土曜日)に当院の救急外来を受診して、用連記迅速試験が行われた。欠課は陰性だったが、扁桃の発赤があるということで?、セフェム系抗菌薬が処方された。そして20日日直で出ている時に受診した。ふだん特に治療している病気はなかった。

 21日(祝日)はそのままバルトレックス内服は継続となって、口腔の疼痛で食事がおれないため、点滴が行われた。連休明けの22日に皮膚科外来(大学病院から出張)で診察を受けて、成人水痘と診断された。ゾビラックス250mg8時間おきの点滴が開始されて、数日で解熱軽快した。昨日退院になっていた。検査はしていないが、臨床的には肺炎・中枢神経感染はなかったようだ。

 入院した日に抗体検査が提出されて、VZV-IgMは陰性でVZV-IgGは陽性。HSV-IgMとHSV-IgGは陰性だった。その後に抗体検査は出されていないが、再検すればVZV-IgMが上昇してきたのだろうか。それにしても、ウイルス疾患の本をさっぱり持っていないし、あまり知識もない。

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膵性糖尿病

2016年03月30日 | Weblog

 昨日の内科新患に内科医院からの紹介で89歳女性が受診した。糖尿病で通院していて、HbA1cが8%台だった。2週間前にHbA1cが9.2%に上昇していたので、処方を変更した。グリメピリド1mgにネシーナ25mgの処方だったが、ネシーナをエクメットに変更した。数日内服すると嘔吐が続いて食べられなくなった。薬が変わってからということで、中止したところ症状はしてきた。先週の終わりに受診した時に、血糖コントロール不良ということで、当院受診の予約がとられた。

 ご本人は89歳という年齢を考えると、元気だった。しゃべり方もハキハキしている。畑仕事をしているという。年齢を考慮すると、8.0%くらいまでにしたいが、8.0~9.0%でも許容されるのではないか。持効型インスリンを開始して、BOTにすれば、血糖は改善するのだろうが、行うとすれば家族(嫁)が注射することになるだろう。

 エクメットはエクア+メトホルミンで、メトホルミンの副作用で嘔気嘔吐がでてもおかしくない。ネシーナを内服していたので、エクア単独なら大丈夫だろうと考えて、エクア2錠分2にしてみた(若干効果が強いはず)。

 この方は2年前に上腹部痛で当院の救急外来を受診していた。血清アミラーゼが上昇して、炎症反応も上昇していた。急性膵炎だった。膵臓全体に石灰化があり、慢性(石灰化)膵炎がある。胆石性でもアルコール性でもないので原因は特発性となる。その時当番だった消化器科医(当院を退職して実家の内科医院を継いだ)が診て、膵石が総胆管との共通管内に落ち込んだために(あるいは共通管内で成長?)、主膵管並びに総胆管を閉塞させたものと判断して、胆膵の内視鏡治療ができる病院へ搬送していた。

 紹介先の病院ではESTを行って、閉塞させていた膵石を摘出して、一時的に胆道ステントを置いた。その後総胆管~共通管内に結石がないのを確認して、ステントを抜去したとある。個人的に興味深い症例で、外来でその時の経緯を詳しく聞かせてもらった。つまり膵性糖尿病だった。

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心疾患が続く

2016年03月29日 | Weblog

 昨日の夕方に地域医療連携室にいる臨時職員の40歳代後半の女性が、突然胸痛を訴えた。外来で内科の若い先生が診て、さっそく心電図をとると、Ⅱ・Ⅲ・aVfでSTが上昇していた。急性心筋梗塞(下壁梗塞)だが、胸部誘導のV3-6でT波増高が目立った。バイタルは問題なかった。循環器科医が心エコー検査を行うと、下壁の動きが悪く、下壁梗塞は間違いない。鏡面像ではない胸部誘導の変化をどうみるか、むずかしいそうだ(二枝病変?血管支配の関係?スパズム?)。冠動脈のリスクファクターはなかった。結局、地域の基幹病院の循環器科へ紹介搬送となった。循環器科医が救急車に乗って搬送した。心カテーテル検査になるという。

 今日は内科新患を診ていたが、内科小児科医院からの紹介で、63歳の男性が受診した。今月初めから感冒症状があって、その医院を受診した。高血圧症でそこに通院していたが、数年中断していた。風邪薬を処方されたが、その後から倦怠感・食欲不振が続いて、今日再受診した。バイタルサインとしては問題なかった(SpO2は室内気で98%)。下腿浮腫もない。胸部X線で心拡大があり(右肋骨横隔膜角が鈍)、胸部CTで確認すると肺うっ血は軽度で軽度の右胸水貯留があった。BNPが1800と上昇していた。肝機能障害、腎機能障害、高コレステロール血症、軽度糖尿病もあった。循環器科で心エコー検査をしてもらうと、EF20%で全周性に左室の収縮が悪い。拡張型心筋症相当だった。今月初めの感冒症状と関連はどうなのか。循環器科で入院となったが、改善しない時は、心臓血管センターのある高次病院へ紹介するという。

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皮質下出血

2016年03月28日 | Weblog

 朝病院に来ると、昨日の当直だった神経内科医から早朝に受診した58歳男性をよろしくと言われた。3日前から悪寒(微熱程度)・関節痛があり、一昨日から嘔吐と下痢(泥状便5~6回)が続いていた。3日間ほとんど食べていないという。血液検査で血液濃縮が著明で、急性腎前性腎不全になっていた。外来でノロウイルス迅速試験を行ったが陰性だった。便培養も提出した。

 感染性胃腸炎疑いとして個室に入院とした。外来から点滴500mlが2本入ったところで、尿も出て、お茶とかポカリが飲みたいが、買ってきてもらえますかと言われた。母親と二人暮らしだが、その母親は透析を受けていて、今日詰まりかけのシャントの拡張術を受けていて、姉がそちらに行っていて、誰ももこちらには来れないという。看護助手さんが、お金を預かって買いにいってくれた。3日くらいの点滴で何とかなりそうだ。

 昨夜の当直帯で20歳代後半の女性が、新幹線の駅から救急搬入された。一昨日の夜に突然頭痛が発症して、夜間の救急センターを受診した。麻痺などの神経症状はなく、カロナールを処方された。この方は転勤で関東圏に異動になったため、昨日新幹線で移動していたが、栃木県まで行ったところで頭痛ががまんできなくなり、東北の自宅へ戻ることにした。さらに我慢できなくなり、当地で新幹線を降りて救急要請となった。当院に搬入されて頭部CTを行うと、皮質下出血を認めた。そのまま脳神経外科のある医療センターへ救急搬送となった。出血の周囲に浮腫があり、一昨日の発症と判断され、基礎疾患として動静脈奇形などが考えられるそうだ。

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また糖尿病壊疽

2016年03月27日 | Weblog

 外来に糖尿病で通院している88歳男性が、一昨日に皮膚科開業医からの紹介で受診した。右足趾が黒色になり、発赤・びらんを呈していた。この患者さんは、6年前に地元の診療所から糖尿病の血糖コントロール不良で紹介された時からの通院だった。受診時からインスリン注射を要する病状だったが、認知力低下があり、山間の町で一人暮らしだった。通院の時は娘さんが車で往復して連れてきていた。

 入院はいやだというので、やむなく外来治療になった。何故か経口血糖降下薬は処方しても飲もうとしない。娘さんの話では、薬局から薬はもらうが、自宅にそのまま置いてあるという。何度か説得して入院とした。30R朝夕のインスリン注射を何とか覚えたように思われた。その後また外来通院していたが、常にHbA1cが10%以上だった。最大でHbA1c17%という値が出て、驚いた。外来なのでインスリン量を漸増して経過をみるしかなかった。教育入院はずっと拒否。

 そのうちに認知症の進行で、自宅がゴミ屋敷状態となり、娘さんもやっと引き取る気になった。同居して娘さんがインスリン注射をするようになってからは、HbA1cが8%台になって、普通の糖尿病らしい値だった。その矢先に脳梗塞になり、不全半身麻痺はそれほどでなかったが、嚥下障害で経口摂取できなくなった。娘さんと相談して、内視鏡的胃瘻造設術(PEG)を行い、経管栄養を開始した。インスリンは30R朝夕から強化療法(ノボラピッド毎食直前+トレシーバ朝)に切り替えた。退院して半年経過して、胃瘻(器具)交換を今月初めに行ったばかりだった。その後から足の発赤が出現して、娘さんは熱傷と思っていたそうだが(熱傷になる理由はないが)、さらに黒色になった。、

 下肢の動脈は膝窩動脈で血流が悪いそうで、抗菌薬・プロスタグランディン点滴静注で経過をみることになった。経管栄養は継続して、内科でインスリンの指示を出す。

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拘留中の受診

2016年03月25日 | Weblog

 警察署から連絡が来て、拘留中の60歳代半ばの男性を受診させたいという。外来で診ている循環器科医は外来日で忙しいので、他の先生にという。内科の責任者なので、こちらに回ってきた。

 外来の通路に臨時のパーティションが置かれ、時間外受付から警察官3名に付き添われての受診だった。手錠がかけてあり、長いヒモ(中にワイヤーが入っているそうだ)付きだった。何をしたのかと訊くと、酒に酔って奥さんの顔を殴ったという。お岩さんのような顔になっていること、これまでも家庭内暴力はあったが、今回はひどいので拘留されたと説明された。

 この方はふだん高血圧症・糖尿病・脂質異常症で通院していて、2か月前に脳梗塞(視床)になった既往がある。何で行っていたかわからないがN県の有名な脳疾患センターで診てもらったそうだ。で、今日の症状はと訊くと、拘留された昨夜からめまい(浮遊感)と動悸がするのだという。歩行は普通にできた。診察上は、今も動悸がするというが、不整脈もなく頻脈もなく正常な心拍だった。

 既往が既往なのと、MRIが昼前で空いていたこともあり、頭部MRI検査を行った。特に新規の病変はなく、異常なしだった。警察官も、そうでしょうという。今時は症状を訴えられれば、受診させる義務があるのだろう。

 拘留中は普段の処方薬を自宅から持って来れないそうだ(外からの持ち込みという扱いになるから)。改めて普段の処方を出してくださいといわれたので、循環器科処方を言われただけの日数(予想される今後の手続きが終わるまで)処方した。めまい・動悸を訴えた時に頓用で使用できるように安定薬(リーゼ)も少し追加しておいた。初めて捕まれば、ドキドキもするだろう。

 受診にかかった病院の費用は警察の持ち出しになるそうだ。保険が使えないので、けっこうな金額になる。MRIはやり過ぎだったかもしれないが、こちらも責任があるから検査せざるを得ない。貴重な体験ではあった。外来の看護師さんの話では、外来受診時にちょっとでも気に入らないと大声を上げるので有名な方だそうだ。

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CK著増

2016年03月24日 | Weblog

 昨日、97歳男性が自宅で倒れているのを、訪問したヘルパーさんが発見して親戚に連絡がいった。甥夫婦が車で当院へ連れてきた。やせてはいるが、意識も低下している状態でよく連れてきたものだ。救急車を呼んでいいと思う。転倒して骨折したと思ったらしく、整形外科にかつぎ込んだ。外来では診れないので、すぐにストレッチャーに横にして救急室へ運んだ。骨折はなく、肺炎があったので内科に連絡がきた。

 この方はひとり息子夫婦がすでに亡くなっていた。前回肺炎で入院した時は孫と二人暮らしと記載されていたが、戸籍上孫になっている男性は血縁上は甥にあたることが今回わかった。その男性は糖尿病があり、最近急性心筋梗塞になって心臓センターのある病院に入院していた。つまり一人暮らしになっていた。いつから倒れていたか正確にはわからないが、少なくとも半日は倒れていたことになる。長く見積もれば1日になる。

 右下肺の肺炎はいいとして、筋原性酵素が著明に増加していた。CK9100(CK-MBは48)・AST190・LDH480で、血清クレアチニンが2.37と上昇していた(先月は0.74)。骨格筋(横紋筋)が大分ダメージを受けているようだ。血圧が70mmHgと低下していた。

 補液と抗菌薬投与を慎重に行って経過を見るしかないが、側管から500ml5時間で追加すると血圧は上がってきた。今日は血圧100になって、尿量は800ml出ている。入院すると、看護師さんに細かく症状を訴えて、結構わがままぶりを発揮する方だった。案外軽快するのではと病棟の看護師さんと予想していたが、実際に回復しそうだ。

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糖尿病壊疽

2016年03月23日 | Weblog

 昨日の当直帯で外来に糖尿病で通院している59歳男性が高熱で入院した。この方は数年前に、脳梗塞のリハビリのために当院神経内科に転院してきた。血糖コントロールが悪く、神経内科医からの依頼で糖尿病の治療を開始した。インスリン強化療法を行って、血糖が改善して、最終的には内服薬の組み合わせてよくなった。

 退院御は増悪と軽快を繰り返して、インスリン強化療法に戻してHBA1cが6%台になっていた。昨年末から外来でインスリンはまだ残っていますということが続いていた。あまり問い詰めると怒り出すので、腎症があるのでこのままいくと透析になる可能性が大きい(兄弟が透析をしている)とお話していた。A1cが上がってきて8%から10%になっていた。

 一昨日に悪寒(戦慄?)があり、昨日から高熱になった。肺炎・尿路感染症は否定的で、嘔気と下痢があったことから感染性腸炎を疑ったが、左第一足趾と右第五足趾が黒色の壊死に陥っていた。第一母趾の基部に発赤・腫脹があり、発熱の原因になってもおかしくない。ノロウイルス迅速試験は陰性で、便培養を提出した。血液培養も2セット提出した。

 抗菌薬をどこを感染巣をするかで迷ったが、昨夜の当直医がセフトリアキソンを点滴静注していて、今朝は解熱傾向があることから。セファゾリンで経過をみることにした。血管外科の先生に診てもらうと、足趾は切断せざるを得ないそうだ。爪を切ろうとして深く切って、出血が止まりにくいので自分で足趾に輪ゴムをかけていたという。

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脳幹梗塞

2016年03月22日 | Weblog

 昨日の日直だった先生(循環器科)がふらつきを訴える74歳男性を内科で入院させていた。糖尿病・高血圧症で内科に、ACSのステント挿入後で循環器科(別の医師担当)に、ASOで血管外科に通院していた。循環器科の処方にコンプラビン(プロピドグレル+アスピリン)が処方されている。

 病室に診にいくと、選手の金曜日(5日前)から右下肢に軽度脱力があるというが、歩行はできる。上肢に麻痺はなかった。昨日外来で頭部CTが施行されていて、異常は指摘できなかった。午前中に頭部MRIを行うと、放射線部のMRI担当技師から脳幹梗塞と報告が来た。脳幹部としてはけっこうな範囲の脳梗塞で、症状からいえば被害は少ない。MRAで見ると、椎骨脳底動脈系の動脈硬化が目立つ。ずっとHbA1cが6%台で推移していたが、昨年末から体重増加があり、7.8%に上がっていた。

 紹介の新患患者さんが2名。ひとりは、髄膜腫で当地の基幹病院脳外科で定期的にフォローされている74歳女性だった。脳外科医の紹介状は、貴院受診を希望されているので、という簡単なものだった(患者さんに頼まれたので書きましたという感じ)。ふだんは循環器科クリニックに通院していて、当院には時々様々な症状で受診していた。私も以前1回診察したことがあった。診察した医師からは心気的な訴えが多いと思われている。

 話を聞くと、食間に低血糖様の症状(めまい・動悸・汗)があり、何とそのクリニックから自費で自己血糖測定器を購入して、血糖を測定したそうだ。食後血糖が200mg/dlを越すことがあった。また低血糖様の症状がある時には実際に血糖が60~70mg/dl台になっていた。この方は胃切除術は受けていない。体型はかなりやせている。クリニックのHbA1cからは糖尿病ではない。食後のoxyhyperglycemiaと反応性低血糖のようだ。ちゃんと自分で診断をつけたことになる。さて治療だが、胃切除術後なら欧米ではα-GIを処方するところだろう。この方の場合はそうもいかないので、食事のとり方を工夫してもらうことにした。

 食事の糖質量を減らしてもらうことと、食間(10時・15時・就寝前)の補食を入れてもらうことにした。どうなるか自信はないが、まずそれでやってみて、改善しない時は再受診とした。終わってから、75gGTTをやってみるべきだったと思った。

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小児の吐血

2016年03月21日 | Weblog

 昨日の朝病院の駐車場に小児科医の車が止まっていたので、朝早くに小児科の入院があって呼ばれたのだろうと思っていた。救急室にいる時に、その小児科の先生が来て、8歳女児をこども病院に救急搬送した話を始めた。当院は小児科医2名で、週末は当番に当たった方の先生が外来と入院を全部診ることになっている。主治医はもう一人の小児科医だった。

 先週の金曜日に39~40℃の高熱で入院したそうだ。インフルエンザ・扁桃炎・肺炎・尿路感染症は否定的で、要するに不明熱だった。発熱以外の症状・所見としては、頸部リンパ節腫脹のみで、皮疹や関節炎もなかった。触診で目立つのは左頸部リンパ節の1個で26×14mm。エコーで見ると、左右に複数のリンパ節腫脹があった。エコーの目的欄には、菊池病・猫ひっかき病・化膿性リンパ節炎・川崎病などが疑われるとあった。血沈1時間値が90mmと亢進していた。抗核抗体などの外注検査が提出され、血液培養・心エコー(経胸壁)もなされていたが、決め手はなかったらしい。白血球数20200、CRP15.9と炎症反応上昇がある。生化学検査のLDH高値(600ちょっとだが)が目立つ。

 抗菌薬はミノマイシンが投与されていたが(狙いは?)、高熱は継続していた。そしてその日の朝に2回吐血(鮮血)があった。Hbが入院時の11g/dlから9.5g/dlに下がっていた。たぶん少し時間が経つともっと下がると思われる。入院時からMCV78と低下していて、血清鉄低値・フェリチン高値(炎症性疾患持続を示唆)と血沈亢進から、発症は入院日よりもっと前だったと思われる。

 小児の内視鏡検査ができるのは、こども病院ともう1箇所の病院くらいらしい。そもそも発熱の原因が不明ということもあり、上部消化管出血も行える病院ということで搬送になったのだった。消化管出血は発熱と関連すると考えるよりは二次性のような気もするが、よくわからない。どういう病態なのだろう。

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