なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

グラフト感染疑い

2024年07月17日 | 感染症

 7月13日から15日まで3連休だった。その週末は大学病院からの日当直の応援はなく、全部常勤医の担当となる。たまたまそこに入っていなかった。

 7月12日(金)にCOVID-19の高齢男性が入院した。軽度だが両側肺炎があり、39℃の発熱で体動困難となっていた。他の入院患者さんは落ち着いていたので、気になるのはその患者さんだけだった。

 翌々日の14日(日)に病棟に連絡に連絡すると、36℃台に解熱して食事も半分以上食べているという。予定していた点滴を継続してもらえばいい、と判断された。

 ということで、珍しくしっかり3連休になったのだった。

 

 7月7日(日)に記載した菌血症の60歳代前半の男性のその後。

 血液培養2セットから検出されたグラム陰性桿菌は、Pasteurella multocidaだった。「ネコや犬の口腔内に常在する菌で、動物咬傷で他の口腔内常在菌との混合感染が多い。」(プラチナマニュアル)。患者さんはネコを飼っている。

 抗菌薬の感受性は良好だった。「ペニシリンに感受性があるが、口腔内嫌気性菌と混合感染があり、咬傷や軟部組織感染症でβラクタマーゼ阻害薬配合ペニシリンのAMPC/CVA、ABPC/SBTを用いる。蜂窩織炎によく使用される第1世代セフェム系やCLDMが無効であることに注意!(プラチナマニュアル)」。

 胸部大動脈の大動脈弓部にグラフトが挿入されていて、下行大動脈から腸骨動脈にYグラフトが挿入されている。放射線科の読影レポートには「腹部大動脈周囲ないし両側腸骨動脈周囲に脂肪織濃度の上昇がみられ、明らかな病的所見と考えられる。造影CTを強く推奨する。」とあった。

 

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