なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

血球減少

2019年01月13日 | Weblog

 昨日の当直帯に入ってすぐに内科医院から32歳男性が紹介されてきた。

 1月9日から高熱があり、11日に内科医院を受診した。インフルエンザ迅速試験は陰性だったが、流行していることから臨床的にインフルエンザと診断して、抗インフルエンザ薬のゾフルーザを処方した。合わせて、メイアクト・カロナールも処方していた。

 患者さんが自宅で内服して、その2時間後に全身(主に体幹)の発疹(紅斑)に気づいた。翌12日に受診して、薬疹疑いとされて、カロナールだけ内服するように指示された。その時に血液検査を行っている。13日(日)に血液検査の結果がきて、肝機能障害を認めたため、たぶん患者さんを呼び出したのだろう、当院に紹介となった。

 当直の外科の先生から連絡を受けて診に行った。咽頭痛はほとんどなく、咽頭は軽度発赤のみで白苔はなかった。リンパ節腫脹は明らかなものはなかった。CTで確認すると、肝脾腫があるが、肝臓内・胆道系に異常はなかった。肝細胞型+胆汁うっ滞型の肝機能障害だった。白血球2500・血小板6.3万と減少していた。

 肺炎や尿路感染症はなく、細菌感染巣は指摘しがたい。血液培養2セットは提出したが、発熱は何らかのウイルス感染と思われた。肝機能障害・発疹は薬剤性肝障害・薬疹の可能性もあるが、全体がウイルス感染と考えれば伝染性単核球症様となる。連休明けにEBV・CMV(・HIV?)の抗体検査を提出することにした。

 入院の指示を出した後に、血球減少が気になって、血清フェリチンを提出すると5640と著明に上昇していた。単なるウイルス感染ではなく、血球貪食症候群をきたしているのでは?。骨髄検査が必要だ。

 今日も高熱は続いている。発熱以外のバイタルは安定しているのと、今日は休日で紹介も難しい。明日血液内科のある病院に連絡することにした。

 

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インフルエンザ流行ってます

2019年01月13日 | Weblog

 今日は日直で病院に出ている。市内の休日当番医が小児科クリニックなので、小児の受診は少なかった(それでも病院に連れて来られる小児はいるが)。

 感冒症状・高熱での受診が多く、インフルエンザA型だった。職場や学校の教室にインフルエンザの人がいたといって受診してきた患者さんには、外来看護師さんがあらかじめインフルエンザ迅速検査をしてしまうという、良い子は真似しないでくださいの診療になっていた(指示はしていないので慣習的な対応)。県内にインフルエンザ注意報が出ている。

 

 夜間休日は対応していない町立病院のある町の施設から、92歳女性が救急搬入されてきた。施設の看護師さんが、朝に意識レベルが低下して、酸素飽和度も低下しているのに気付いた。酸素吸入を開始したが(設備があるらしい)飽和度が上がらず、救急要請した。地域の基幹病院に12月31日から1月11日まで入院していたが、今日は受け入れ困難で、当院に搬入依頼が来た。誤嚥性肺炎と思われたので、当院向きの患者さんだと思って引き受けた。

 搬入されてみると、四肢に浮腫があり、末梢にチアノーゼがあった。飽和度だと低いが、酸素分圧でみるとそれほどではなかった。血圧も保たれていた。検査すると、明らかな肺炎はなかった。尿混濁があり、感染があるとすれば尿路感染が疑われた。肝内胆管に空気があり、腹腔内・胆道系の感染も疑われたが、肝機能検査は正常域だった。培養検査を出して、抗菌薬を投与して経過をみることにした。

 「年末から入院していましたが、どんな診断名でしたか」と家族(娘)に訊くと、「全体的に悪い」と言われましたという。確かに今回も全体的に悪いとしか言いようがない。血清乳酸が高値だった。超高齢であり、できるだけの治療はするが、病状が悪化した際にはと、病状悪化時DNRのお話をして入院にした。

 救急室から病棟に上がる前に四肢のチアノーゼが広がってきていた。病棟に上がってしばらくすると、心拍数が低下してきましたと連絡が来た。病室に行ってみると。すでに自発呼吸は停止している。脈拍も触知しない。心電図上は波形が出ていたが、PEA相当だった。娘さんに説明して、その後30分経過をみて、完全に心停止になったところで死亡確認になった。

 

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