なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

わからない胸痛

2019年01月20日 | Weblog

 糖尿病で通院している83歳女性が、左側胸部痛を繰り返した。原因がよくわからない。

 昨年9月に左側胸部痛で受診した。秒単位の電撃痛を繰り返していた。胸部X線・心電図は異常がなく、性状からは神経痛と判断された。鎮痛薬のみ処方して帯状疱疹の発疹が出現するのを待つことにしたが、2日後に再受診した時にも発疹はなかった。無疱疹性帯状疱疹として、バラシクロビル3000mg/日を処方して経過をみて、約1週間後には疼痛が消失した(アセトアミノフェンとNSAIDも併用していた)。

 昨年12月末に左側胸部痛でまた受診した。やはり電撃痛を断続的に繰り返して、9月の時とまったく同じ性状だった。帯状疱疹はない。胸部X線・心電図に、胸部CTも行ったが異常は認めない。今後は最初からバラシクロビルを処方したが、疼痛は続いて、年末年始の休み中で入院を希望したので入院とした。外来で処方したアセトアミノフェンとNSAIDは継続として、それでも疼痛が続く時はトラマールなどを追加するつもりだったが、結局10日間で疼痛は軽快した。

 無疱疹性帯状疱疹という判断もあやしくなったが、何だかわからない。糖尿病の治療はDPP4阻害薬と持効型インスリンのBOTで、HbA1cが7.3%(7%台前半で推移)だった。まあまあの血糖コントロールと思う。以前はインスリン強化療法だったが、年齢的にも簡易的な治療にしていた。

 宮田先生の「一発診断」の本には、胸痛の鑑別診断として、糖尿病性体幹性神経根障害という病名があった。異常感覚も伴うようで、合っているような気もするが、一定期間で治まっているのは違うのではないか。今後の経過をみるしかない。

 

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