なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

会陰部、側胸部、肺内の病変

2023年07月31日 | Weblog

 先週の金曜日に外科外来から連絡がきた。その日来ている外科医(大学病院からバイト)が相談したいという。患者さんは51歳男性で、病変部が複数あった。

 その1週間前に、4日前から陰嚢の背側(会陰部)の疼痛と腫脹で受診していた。その時診察したのは別の外科医だった。その部位に3cmの発赤を伴う皮下硬結と記載している。圧迫しても排膿はなかったようだ。皮膚感染症として、抗菌薬内服で1週間後の受診となった。

 再受診時は、2日前からあるという左側胸部の疼痛・腫脹も訴えた。15cm程度の膨隆があるが、表面から見ては発赤はない。会陰部は7~8cmの硬結があり、中止部は5mmほどの穴が開いている。膿瘍の排出はない。

 会陰部の皮膚軟部組織感染症ではある。部位的には壊死性筋膜炎であるフルニエ壊疽が有名だが、そこまでのものではない。(なりかけたが幸い軽快したか)

 胸腹部CT(単純)が施行されていて、両側肺野に結節性の病変が散在している。中心部は抜けていて、辺縁はかなりくっきりしている。感染症とすれば、敗血症性肺塞栓症になる。

 そして左側胸部の病変は皮下ではなく、筋肉内にある。これだと表面からみては色調の変化はない。胸膜に波及しているように見える。

 患者さんに訊いても、発熱や悪寒戦慄はないそうだ。白血球16800・CRP10.1と炎症反応は上昇している。行うとすれば、血液培養を提出して、入院しての抗菌薬点滴静注だが、当院で診るのは自信がない。

 地域の基幹病院に紹介した方がいいのではと伝えた。問い合わせる診療科をどうするかになる。外科医は先方の外科に知り合いがいるという。

 後で訊いたところ、診てもらえることになったが、外科ではないだろうということで皮膚科扱いになったそうだ。皮膚科医は複数いて、手術的な処置も行っているが、皮膚科でいいのか。呼吸器内科も呼吸器外科もいるので、複数科で対応はしてもらえるのだろう。

 会陰部の皮膚軟部組織感染症から敗血症性肺塞栓症をきたした?。左側胸部病変との関係がわからない。

 

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高カロリー輸液はいりません

2023年07月30日 | Weblog

 6月下旬に入院した誤嚥性肺炎の101歳男性は、いったん軽快して嚥下訓練を開始したが、2回誤嚥を繰り返した。

 ただ、その都度抗菌薬投与で軽快はしていた。同じことを繰り返すしかないが、食事摂取の意欲もなく、いらないと言ってしまう。

 病棟の看護師さんから、右大腿近位部の腫脹と疼痛があると報告がきた。同部位に内出血が見られた。大腿骨近位部骨折かと思われたが(ベットからの転倒・転落はない)、骨折はなかった。

 CTで確認すると、筋肉内の出血を来していた。施設での内服薬はなく、抗血小板薬も抗凝固薬も入っていない。外傷性とも考えにくく、原因不明だった。

 入院時に心房細動があり、施設では治療されていなかった。おそらく持続性できていたと思われる。肺炎の治療後に嚥下できるようになったら、DOACのOD錠少量(リクシアナ15mg)を投与するか、年齢的に投与しないのもあると思っていた。結果的には抗凝固薬を投与しないでよかったことになる。

 さすがに末梢点滴(パレプラス500ml・2本)だけでは栄養が足りない。胃瘻造設する気にはならないので、とりあえず高カロリー輸液にすることにした。

 この患者さんは息子さんたちが遠方(長男が千葉県、二男が北海道)なので、市内在住の甥が対応をまかされている。入院時に病状悪化時のDNARの書類もその方がしていた。

 その甥を呼んで治療が進まないと伝えて、経管栄養と高カロリー輸液の話をした。そこまでは(しなくていい)、ということだった。数日後に二男の嫁から電話が入り、病状を伝えた。

 すると、北海道から二男がやってきた。病状と見込みを説明すると、高カロリー輸液はしないでほしい、と言われた。妻の両親が同じような病状で高カロリー輸液を受けたが、いいことにはならなかったという。

 もう十分長生きしたので、とにかく自然でいい、苦しまなければいいですから、ということだった。「高カロリーは」といって、自分の首を指さしていたので、妻の両親は内頚静脈からCVカテーテルを挿入されていたのだろう。

 

 同じ時期に入院した誤嚥性肺炎の89歳女性も嚥下訓練を行っていたが、飲み込みが悪く、肺炎を繰り返した。経口摂取は断念するしかなかった。

 当地在住の弟さんと妹さんが病状説明にきていた。この患者さんは夫と子供がすでに死去していて、兄弟を頼って東京から当地に戻って来ていて、面倒をみてもらっていた。

 弟さんと妹さんは高カロリー輸液は希望せず、看取りでいいですという。十分面倒はみました、という。末梢輸液で経過をみることになった。

 

 こうなると最期まで入院となるので、入所していた施設は退所扱いになる。肺炎が起きれば治療するので、末梢静脈からの点滴でも1~2か月(場合によってはもっと)は持ちこたえる。

 

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コロナの薬の値段

2023年07月29日 | Weblog

 コロナ(COVID-19)に使用する抗ウイルス薬は、9月までは公費扱いだが、10月からは通常の処方と同様になる。

 薬局で価格を確認してもらったが、なかなかの値段になる。1割負担の高齢者では問題なさそうだが、3割負担だとあらかじめ患者さんの了解を得ないとびっくりされるだろう。

 

 いずれも1処方あたり(5日分)。

 パキロビッドパック60099028円で、1割負担9903円3割負担29708円になる。

 パキロビッド300(腎不全用)は62693円で、1割負担6269円3割負担18808円になる。

 ラゲブリオ(カプセル)は94312円で、1割負担9431円3割負担28204円になる。

 ゾコーバ(錠)は51852円で、1割負担5185円、3割負担15556円になる。

 パキロビッドとラゲブリオは高齢者での処方が多くなるが、年齢制限のないゾコーバだと3割負担の患者さんへの処方になるので、1万5000円プラス初診料や検査料なので2万円弱くらいか。

 

 医局員へのメール配信と救急外来(発熱外来)での張り出しを依頼した。

 

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急性心筋梗塞搬入の前に

2023年07月28日 | Weblog

 整形外科医が当直したその月曜日には、若い女性2名も救急外来を受診していた。

 

 ひとりは32歳女性で、精神科に通院している。3日前から食欲がない、眠れないという。肩が痛い、足がしびれるという訴えもあった。

 救急要請して、収容された救急車内から本人が直接話をしたいと言ってきた。上記症状があり点滴をしてほしいこと、所持金がないので一晩入院にさせてほしいこと、支払いは親に来てもらうつもりであること、を伝えてきた。

 整形外科医が、近くにいた内科医に相談して(まだ午後5時半で時間外になったばかりだった)、受け入れると救急隊に伝えた。

 自称、境界性人格障害・発達障害・うつ病ということだったが、精神科でどう診断されているのかはわからない。点滴して一晩入院となった。

 翌日他県から父親が来て、支払いができるようになったので、退院して行った。(とりあえず整形外科医が担当医で入院して、翌日退院にならない時は内科に相談としていた)

 

 もうひとりは27歳女性で、救急搬入ではなく、自分で直接救急外来を受診された。前日は過呼吸で大学病院に救急搬入されたそうだ。(住所は市内だが、隣県に勤務していて、隣県の大学病院に搬入)その日も食欲がなかったが、水分はとっていたという。受診時は過呼吸ではなかったが、少し嘔気がある。

 精神科に通院していて、自称うつ病。処方薬はSNRIとSSRI、安定剤、さらに抗精神薬(クエチアピン)と抗パーキンソン病薬(副作用予防か)だった。

 こちらは外来で点滴(と制吐剤静注)をして帰宅となった。

 

 精神科医はどう診断しているかわからないが、どちらも神経症圏や人格レベルの問題のようにみえる。専門である精神科での治療もぴったりとしたものがない?。

 整形外科医はこの2人に対応して、その後に救急搬入された急性心筋梗塞・心不全の90歳男性を診察した、という経緯だった。お疲れ様です。

 

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急性心筋梗塞

2023年07月27日 | Weblog

 月曜日の当直は4月新任の整形外科医だった。月3回の当直をこなしている。

 午後11時半に呼吸苦(呼吸困難)を訴える90歳男性が救急搬入された。当院の外来に高血圧症・糖尿病で通院している。その日の昼に背部痛と呼吸苦があり、市内のクリニックを受診していた。 

 胸部X線で肺炎といわれて、症状が悪化する時は病院を受診するようにと指示されたそうだ。夜間になって日中より症状が悪化してした。

 胸部X線で両側胸水と肺うっ血・水腫の所見がある。胸部CTでみると葉間胸水もあった。心電図はもともと完全右脚ブロックがあるが、以前になかったⅢ・aVFのST上昇を認めた。

 

 急性心筋梗塞とそれに伴ううっ血性心不全として、地域の基幹病院循環器内科に搬送していた。適切な診断・対応ということになる。

 整形外科医はけっこう年配の方かと思っていたが、50歳代前半だった。当院では若い方に入る。

 

 火曜日の朝に、同僚の整形外科医と当直の時の話をしていた。年齢が90歳なので心カテの適応になるのかとも思ったそうだ。

 多分先方にちょうど循環器内科の先生がおられたようで、若い先生の指導のためにも、高齢でもぼろぼろの(?)心不全でもいいので搬送してほしいといわれたという。

 そんなに症例に困るような病院ではなく、次々に患者さんが搬入されるはずだが、もっと患者数がほしいということか。

 

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約20年前の脳梗塞

2023年07月26日 | Weblog

 6月で常勤の脳神経内科医が退職して、外来の患者さんたちはそれぞれ紹介となった。専門医の診察を要する神経疾患の患者さんたち(パーキンソン病、多発性硬化症など)は、非常勤医の脳神経内科外来や地域の基幹病院に回された。

 それ以外の、脳梗塞後遺症で高血圧症・糖尿病・高脂血症の治療をしている患者さんたちは、当院の内科外来や市内のクリニックに紹介となった。

 当方の外来にも数名の患者さんたちが回ってきた。今週の月曜日に、脳梗塞後遺症の70歳女性が外来(内科再来)を受診した。

 

 2004年の51歳時に脳梗塞を発症していた。右半身の不全麻痺(正確には違和感から)が出現して、頭部MRIで左放線冠に脳梗塞を認めた。入院して治療を開始したが、症状は次第に進行して、ほぼ完全麻痺になった。

 発症13日目の頭部MRIでは、発症日のMRIで淡く描出されていた梗塞巣がくっきりと描出されていた。リハビリ継続で3か月入院していた。通常はその辺で退院になるが、年齢が若くご本人のリハビリ継続の希望が強く、他県のリハビリ病院に転院となった。

 右半身麻痺はあるものの、何とか自力歩行できるようになって戻ってきた。リハビリ継続の甲斐があったことになる。

 その後は脳梗塞発症時に指摘された糖尿病・高脂血症・高血圧症の治療を継続していた。糖尿病はHbA1cが8.9%(当時はJDS)で、放置していたらしい。

 その日のHbA1cは7.1%で最近は7.0%前後で推移していたようだ。糖尿病薬はDPP4阻害薬・メトホルミン・α-GI・ピオグリタゾン(15㎎)だった。

 下痢の症状が続いていて、ロペラミドを自分で調整して内服するようになっていた。メトホルミンは初期量だが、その影響なのだろうか。(処方後かどうか、もうご本人もわからない)両下腿の浮腫があり、ピオグリタゾンば中止した方がいいようだ。

 141cm・65kgと肥満があるので、SGLT2阻害薬やGLP-1受容体作動薬に移行していくことにした。当院で最初に導入したMRIでの撮影だった。その後は新規のMRIになって、画質はかなり改善している。MRA像がないが、当時は撮影できなかったのかもしれない。

 

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急性膵炎

2023年07月25日 | Weblog

 もともと消化器外科だった先生が、当院で内科系の診療を担ってくれている。先週の木曜日は、日中の外来で肺炎の96歳男性と膵炎の85歳男性を入院させて、その日の当直では肺炎の84歳男性を入院させていた。

 

 急性膵炎の85歳男性は施設入所中だった。前日の水曜日の夕食後から心窩部痛があり、いったん軽減したそうだ。木曜日の昼前に顔面蒼白・冷汗が出現して、施設近くのクリニックを受診した。そのクリニックから当院に紹介された。

 炎症反応の上昇(白血球18400・CRP0.0、CRPは翌日17.0へ)、肝機能障害(AST 337・ALT 218・ALP 218・総ビリルビン1.6)と血清アミラーゼ上昇(831)を認めた。

 造影CTで胆嚢内に胆砂・胆泥を認めたが、胆道系の拡張はなかった。もともと萎縮している膵臓が腫脹していて、周囲の脂肪組織の炎症像がある。少量だが腹水もあった。

 胆石(胆砂)が総胆管に落ち込んで、いったん嵌頓して排出されたのだろうか。再検した翌日のCTでも、胆道系の拡張はなかった。

 病状悪化時は高次医療機関へ搬送と家族に説明されていた。翌日の肝機能は軽減してきていて、保存的に経過をみて治まっていくと見込まれた。

 

 別の内科医も元々は外科医で、やろうと思えば腹部手術はできる(はず)。消化器科医も元々は外科医だったが、内視鏡が面白くなって消化器科になった。

 外科医から消化器系の内科医へというのはよくあるようだ。中には放射線科から精神科、心療内科から心臓外科という先生もいる。

 心療内科から心臓外科になった先生は、「同じ心」ですからと言っていたが(冗談です)、心療内科の心は心理療法の心だからまったく違う。

 

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妊婦さんのコロナ

2023年07月24日 | Weblog

 木曜日に発熱外来を診ていた先生から、発熱外来を受診した妊婦さん(27歳)がコロナだったと聞いた。

 前日の日中から頭痛・咳・倦怠感があり、夕方から発熱(37.8℃)があった。産婦人科に連絡したところ、近くの病院を受診するようにと言われて、当院を受診していた。

 食欲がなく、水分をとったら嘔吐したそうだ。発熱外来にある点滴用の部屋(1部屋しかない)で、点滴とアセトアミノフェン点滴静注を行っていた。アセトアミノフェン内服を処方して夕方帰宅している。

 

 どこの医療機関に通院しているのか訊かなかったそうだ。現在は出産を扱う病院は少なく、クリニックだと妊娠期間中の管理だけ行っているところが多い。

 今月あった病院間の感染管理のカンファランスに、産婦人科病院が出ていた。検査を含めて対応していると報告していたので、コロナ罹患の妊婦さんで入院が必要な時はそちらで相談してもらえるようだ。

 

 木曜日の午後に、月に1回院内の感染管理を診てもらっている感染症科の先生が来られたので、訊いてみた。小児科に関しては県内の医療機関で入院治療できる病院は決まっているが、産婦人科ではどうなっているんでしょうか、といわれた。

 産婦人科のネットワークで決まっているんでしょうね、という。大学病院では、通院している妊婦さんがコロナに罹患した時は入院治療も引き受けるが、他院通院の妊婦さんは受けていないそうだ。 

 担当した先生に上記の産婦人科病院のことを伝えたので、患者さんにお話していた。産婦人科医のいない病院では、コロナに罹患した妊婦さんが入院して、「出血した」「腹痛がある」となると困ってしまう。

 

 コロナの抗ウイルス薬は、モルヌピラビル(ラゲブリオ)とエンシトレルビル(ゾコーバ)が「妊婦には投与しないこと」で、レムデシビル(ベクルリー)とニルマトレルビル/リトナビル(パキロビッド)が「治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与」になっている。

 妊婦さんの場合、症状が発熱・食欲不振・倦怠感であれば、点滴とアセトアミノフェン使用で経過をみて、抗ウイルス薬は使用しないのだろう。

 

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1か月前からの咳・痰

2023年07月23日 | Weblog

 7月19日水曜日の当直の時に、76歳女性が受診した。前の週の7月13日に、1か月咳と痰が続くという症状で、内科新患を受診していた。その日は食欲もなくてと、夜間になってき受診してきた。

 市内の別の病院に高血圧症・気管支喘息で通院している。次回予約は7月21日という。特に変わりなければ予約日の受診したが、症状があればその前に受診していいはずだが。

 7月13日に当院を受診した時は、発熱はなく、喘鳴もなかった。(発熱がないので発熱外来扱いになっていなかった)他院通院中でもあり、担当医は鎮咳剤と去痰剤を処方して、通院している病院で相談するようにと伝えていた。

 

 7月19日に受診した時も、咳・痰が続き、食欲もないという訴えだった。(発熱外来扱いになっていない)感冒罹患後に、喘息が悪化しているのかと思ったが、喘鳴はなかった。

 症状が長いので胸部X線を撮影した。すると、両側下肺野に浸潤影が疑われた。胸部CTで確認すると、両側下肺野を中心に斑状の浸潤影とすりガラス陰影があった。

 炎症反応は軽度上昇で、後から追加したコロナの検査は陰性だった。その日はとりあえず、セフトリアキソン点滴静注を行った。

 

 7月20日は呼吸器外来で来てもらっている先生に相談した。すると、器質化肺炎ではないですか、という。確かにそれだと1か月の経過は合う。細菌性肺炎と比べると、案外患者さんは元気です、ともいわれた。それも合う。

 短期間抗菌薬と併用はと訊いてみたが、それだと何が効いているかわからなくなるという。酸素吸入もしていないので、ステロイド単独で慎重に経過をみることにした。

 

 

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閉塞性腎盂腎炎

2023年07月22日 | Weblog

 先週金曜日に、発熱・左側腹部痛の51歳女性が受診した。発熱があるので発熱外来扱いとなった。コロナとインフルエンザの抗原定性迅速試験はいずれも陰性だった。(症状からは形だけの検査になる)

 腹痛ということで消化器科の外来に回された。左右の尿管結石の既往があることがわかった。外来を行っていた非常勤の先生が、血液と尿検査を提出すると、白血球21100・CRP2.4と急性の炎症所見を認めた。

 常勤の消化器科医に連絡がいって、腹部造影CTが行われた。左右の腎臓内に結石を認めて、左尿管内の結石と左水腎症を認めた。

 消化器科医が泌尿器科医(非常勤)に紹介した。泌尿器科医は尿管結石による尿路閉塞を伴う腎盂腎炎、つまり閉塞性腎盂腎炎として基幹病院泌尿器科医に連絡して、即受診としていた。

 「早急にステント留置等の治療が必要と考え、紹介させていただきます」とあった。閉塞性腎盂腎炎は泌尿器科emergencyなので通常は受けてもらえる。

 紹介する時は、こちらから閉塞性腎盂腎炎ですと表現するのが手っ取り早くていいようだ。それにしても、今回は紹介までに4人のリレーを要したことになる。

 

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